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東方藍蓮花  作者: 空椿
72/114

藍色と妖刀 面倒は敵だ

 クロスオーバーです。

作品名:東方流犬録~Run like wind!~

時系列:流犬録50話付近

お借りしたキャラ:白雪之花神楽



 ではどうぞ。

 ……申し訳無い、珍しい来客が居たのを伝えるのを忘れていた。出発の前に伝えておこう。

 これは、天子一行が来るちょっと前の話になる。この日、蓮華畑には藍色と小傘がいる。フランとルーミアは紅魔館に呼ばれたようで、小町はそれについていった。何の用なのだろうか?

 まあ帰ってきた時に聞けば良いか。という事で藍色と小傘はゴロゴロしていたりする。他にする事も無いからな。


「……ご主人様」


「何」


「退屈~」


 しかし、退屈がゴロゴロするだけで紛れるわけがない。それは仕方ないだろう。


「なんとかしてみようか」


「お願いしますぅ~」


 小傘のお願いを聞き、藍色は満月を見上げる。何度でも言うつもりだが、能力使用時に上を見上げるのに大した意味は無い。


「……どう?」

 しばらくしたら返事が返ってきた。


「待ってたら来客が来る」


「は〜い」


 ……では、その来客に視点を移してみよう。藍色達はまだ知らない事だがな……







「…………ん?」


 見慣れない少女が歩いていた。少なくとも、藍色は知らない人物だ。


「おかしいな、どうしてこっちに……」


 進行方向がいつのまにか逸れている、その事をこの少女は自覚していた。しかし、こちらに進まないといけない気がするのは何故なのか?

 この少女は白雪之花神楽と言う。もとは妖刀で、意外にも強力な力を持っている。藍色の能力の影響を受けたのはこの少女だ。

 たまたま偶然通りかかっただけだが、これは仕方ないのだろうか……


「……考えても分からん。進むしかない」


 逆らう気も起きないようなので、自分の主人の所に行くという用を放置して歩を進めた。

 そんな花神楽を待っていたのは、夜と満月と一面の藍色の蓮華。その幻想のような光景に目を奪われ、硬直してしまう。


「…………な、何なんだ、ここは……」


 言いたくもなる。美しい花畑だが、夕方がいきなり夜になり、季節はずれの満月が輝いている。花畑と言うのに、蝶々の一匹も見当たらない。

 立ち去ろうかとも考えたが、畑の中心に感じた妖気に興味を抱き、ザクザクと歩を進める。やがて見えてきた水色の髪に、何故かホッとした。


「……こ、こんばんは」


「うん? こんばんは〜」


 返事が返ってきた。


「えっと、ここはどういう所なんだ?」


「ん〜、不思議な場所?」


 分かっとるがな。心の中で呟いた時に、目の前の藍色の蓮華が立ち上がった。


「……妖刀?」


 いや、全身藍染の人だ。完全に保護色になっていたので驚いた。


「……って何で分かったんだ!?」


「勘」


 勘で正体バレるとか……諸々含めて、第一印象は最悪だった。


「名前は?」


「……花神楽」


「私は藍色」


 名前も藍色だった。何から何まで藍色だなと花神楽は思う。近くの水色髪の少女も自己紹介を始めた。


「私は小傘だよ。うちのご主人様はクセが強いから気を付けてね〜」


「そ、そうか」


 警告が遅かった気がする。







 しかし、『第一印象は最悪だが、本当は面白い奴』な藍色。花神楽もしばらく話したらすっかり慣れてしまったようだ。藍色は意外と憎めないからなぁ。


「……で、小町がご主人様に説教してさ〜」


「ははは、流石の藍色も説教には勝てなかったか」


「うるさい」


 花神楽には死合いの存在も言っておいた。その上で死合いとスペルカードルールの混同はしないようにとも伝え、了承してもらってある。


「旅かぁ。代も旅をしないのかな?」


「代が旅をしたら多分逃げ帰ってくるだけ」


「ご主人様、キツイキツイ」


 藍色はオブラートに包む事はあまりしないタイプだ。


「……旅は面白いけど、会いたい人になかなか会えなかったりするよ?」


「小傘は会いたい人が居るのか?」


「あ、いや。私じゃなくてフランがね? お姉様に会いたいな〜って時々漏らすんだ」


「ふぅん」


 だからたまに会った時に思う存分甘えるつもりでいるらしい。その時の甘えようはご想像だけにお任せする。


「何だか、お前達は変わっているんだな」


「そう」


「それ凄く今更だよ?」


 本人が認めているのだから仕方ない。


「身内が変わっている事は認める。ルーミアもフランも言っていたから」


「そうか……」


「特に、フランは私が変えたも同然」


「ルーミアさんはただのきっかけだよね。細かく言えば」


「……その、話題に度々出るルーミアとやらに興味が出るんだが、会えないか?」


 指名だと?


「ん〜、呼んでみるよ」


 ……呼べるの? と考えてたら……


「呼ばなくても来てあげたわよ」


「ただいま!」


「おかえり」


 向こうから帰ってきた。小傘の呼び方は気になるが、来てしまったなら諦めよう。


「状況説明は……いいか。大体分かったわ」


 花神楽をチラ見しただけでなんとなく分かったらしい。


「名前は?」


「花神楽。よろしく」


「ああ、あのわんこの刀ね?」


「……わんこ?」


 わんこ違う! 犬神や! と言っても、もう修正されないだろう。


「いや、もう犬コロでいいわね」


「ルーミアさん、やっぱり酷い」


「扱いがなぁ……」


「いや、好きに言って良いんじゃないかな?」


 花神楽から許可を頂きましたので……


「わんこのあだ名決める」


 ……えっ?







 ……まあ変な話題は飛ばそうか。


「じゃあ『ポチ』に決定!」


「わーパチパチ」


「なんという飼い犬」


 しまった! 終わる直前だった!

 というわけで今度こそ話題終了時に……


「それで、私に何か用があるの?」


「あ、ああ。そうだったなぁ……すっかり忘れてた」


「楽しいお話だったもんね〜」


 コホン、と一度間を置いて。


「ルーミアがどれだけ強いのか興味が出たんだが、出来る限り正確に教えてくれないか?」


「……意外と難しい注文ね」


「私も気になったな〜、出来そう?」


「善処しましょ。えっとね……」


 藍色がベストタイミングでメモとペンを渡した。素早く受け取り、一気にペンを走らせる。


「悪いけど、正確には出せないわ。自分が分かっている範囲内で伝えるわ」


 ビッという小気味良い音と共に花神楽に紙を渡した。


「正規のスペルカードルールだと私は凄く弱いのよ。それ用のスペルカードが無いもの」


「む? 意外だな」


「ルーミアは他とは違う戦いでの強者」


「ん、ルーミアさんの強いは幻想郷では特殊だよ? 正規のスペルカード意外は大体勝てるけど、それが主流だからね〜」


 意外にもルーミアは弱かったらしい。しかしそれを補って余りあるどころか弱点も霞む強さがあるんだな。


「通常弾幕ならいけるんだけど、大した効果は無いのよね〜」


 ルーミアが手で紙を見るように促す。紙には短く『単純な弾幕勝負ならチルノ程度』と書いてある。ルーミアは尚もペンを走らせる。


「私の本分は格闘、それも命を賭けた殺し合いよ。ただの死合いも良いけど、私はやっぱりそっちね」


 何気に背筋の凍る事を言ってくれる。メモを先程と同じように取り、また花神楽に見せた。


「単純な強さだけど、多分幻想郷全部が敵に回っても勝てる自信はあるわ。やらないけど」


「自信満々じゃないか」


「だって皆弱いじゃないの。まあ能力を考慮しなかった場合だから、結果は結局闇の中よ」


 紙には『特殊例を覗けばこの幻想郷においてはほぼ最強』と書いてある。


「次に頭脳に移るけど、単純な知識量ならフランや紫が一番ね。私が強いのはむしろ頭の回転かしら」


「そんなに早いのか?」


「賢人が十人居ると考えれば分かりやすい」


「違う違う、十二人だよ」


「ルーミアさんだから、十五人じゃないかな?」


 お前らェ……


「……最近は二十位なら同時に……」


 コンピューターお化けがここにいる!


「ま、そんな感じ。理解した?」


「待て、待て。規格外過ぎて逆に理解出来ない」


「普通理解出来ない」


 藍色の言うとおりだぞ。


「まあルーミアだし」

「ルーミアさんだもんね」

「ルーミアだから仕方ない」


「あんた達ねぇ……」


 そんな時、花神楽が頭を抱えた。


「もうわけが分からん。聞いた私が馬鹿だったのか……?」


「どうかしらね。とりあえずこれで良しとしましょうか」


「むぐぐ……」


 ……その会話の後、いい加減帰る必要があると花神楽は思ったらしい。引き止める理由は無いので、簡単なお別れを済ませてサヨナラしてしまった。


「ご主人様、ちょっと淡白過ぎない?」


「どうせまた会う事はある。用事も何も無い時に、今度こそゆっくり話す」


「なら引き止める理由は無いわね。おやつにしましょうか」


「そういえば、紅魔館に何しに行ってたの?」


「レミリア達と養子とか縁組みとかの話をね。フランをちゃんと家族にしてあげたかったから」


 その話題が出た瞬間、フランは笑顔を解放した。天使のような悪魔の笑顔だれうま。


「そう」


 藍色がフランを撫でた。


「改めてよろしく」


「うん!」


「よ〜し、今日はお祝いだぁ!」


 空からテーブルと机と……


「ちょ、多いわよ!?」


「む」


 ……まあ、献立は想像にお任せします。







「ハァ……なんて奴らだ」


 ルーミアのメモを手に持ち、ザクザクと道を進む花神楽。思えば妙な団体と出会った物だ……


「なんだか、また会いそうな気がするな」


 勘弁したいのか、また会いたいのか。分からないが、今はこの気持ちを保留とした。まあ、言える事が一つ程ある。


「……ルーミアは怒らせてはいけないだろうな」


 手元のメモを見ながら呟いた。この時の花神楽は気付かなかったが、見知らぬ紙が一枚混ざっていた。





『また会いたいなら文に、会いたくないなら椛によろしく行っておいて頂戴な。上手く手回ししてくれるわ』







 ちなみに……


「夢子さん!」


「星さん。どうしましたか?」


「紫さんが、単独行動も大概にして頂戴。との事です」


「そう……」





「遠回しにあなたにも言っているのにね……」


「……?」


 藍色を探して幻想郷一周の旅。星はまず夢子を見つけていた。





 皆の現在地!

 紫、藍……八雲邸

 星、夢子……地名の無い森


 花神楽の口調がどうもハッキリせず、考えた結果男口調にした空椿です。いやはや、やっぱり他の人のキャラを登場させるのは難しい……


 クロス先は毎度お馴染み風心剣さんです。既に何度も藍蓮花と登場して下さっているので、藍蓮花読者の皆様も名前を覚えて頂いたんじゃ無いでしょうか?

 世界観の共用を行っているので、今後もやっぱり流犬録の皆様と藍色は絡ませて行きます。流犬録でもたまに藍蓮花の話題が出ているので、探してみてください。

 え、ポチ? 知らんな。


 ルーミアに意外な事実、正規のスペルカードでは封印前とあまり変わらなかった! と言っても、あまり意味無いんですけどね。ルーミアは弾幕勝負を挑まれたら拒否しますから。

 その代わり小傘がやります。一応以前に持っていたスペルカードの同名、上位互換の物を揃えていると考えて頂ければ良いでしょう。ルーミアの言うとおり、弾幕系は小傘に任せられました。



 今更ながら、藍蓮花と他の小説の書き方を比べてみたんですが……やっと藍蓮花の特殊さが分かりました。気付かない物ですねぇ。


 まず、人称がハッキリしない事。何というか、その場に透明な第三者が居て、その人がその場その場の感想を述べている感じですね。そしてその人は覚のようです。

 そして読者参加型小説と言えるにしても、意見を求める範囲が広い事ですかね? 空椿の考え任せとはいえ結構何でも叶えてしまうのですが、これは他の所で見かけた覚えが無いです。貰う意見の量は置いといて。


 最初はただの三人称のつもりだったんですが……何故でしょう? まあ良いか。

 藍蓮花はいつも、あなたのお賽銭(ご意見)をお待ちしていますよ~



 この頃は藍蓮花番外編を書こうかなと考えています。本編にあまり無い恋バナや、天子一行の動きを書けると思います。ただし本編には一切設定は持ち込まれません。

 いつかはやりますが、いつやるかまでは考えてません。おにぎりでも食べてお待ち下さい。





 では、今回はこの辺りでノシ

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