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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と別荘 早口は敵だ

 翌日である。

 紫達とも自分達とも戦ったので流石に疲れた皆は、そのまま幽香の家で休息をとる事になった。藍色もこんな状態で歩くのは億劫だったらしく、ウズウズしたりもせずに大人しく幽香の家に居る。

 怪我は紫に治させたが、疲れは取らせ忘れた。藍色の能力も運命の悪戯の如く外しました。ちぇ。


「そういえば、なんで式剥がさせるの? つけたままの方が楽しそうなのに」


「つけたままだと面白みも何もない」


「何事も楽しみが重要だからね」


 幽香の問いにちゃんと答える。ちなみに文は新聞執筆の為に帰ってしまったが、きっと集落で大騒ぎになっている。まだ薬は切れてないし。

 いや、隠れながらなら問題無いかな? 見つかっても文なら隠せそうだし。


「……あれ、天人は?」


「どっかいったよ?」


 フランが気になって聞いてきたが、小傘が見ていたらしく答えた。確かにいつの間にか消えていたが……


「まあ良いじゃないの。私にとっては、あの八雲紫の無様な姿を見れる方が重要よ」


「そうね、あれは滑稽よ〜? 柄にもなくポカーンとしててね」


 不気味に笑う幽香とルーミア。お前ら……


「そういえば、文が撮影してたね!」


「あはは……次の新聞が怖いよ……」


 きっと八雲紫が本気でキレますよ。


「今からでも匿う準備しましょうか?」


 幽香がちょっとばかり提案をする。


「幽香関連で匿う場所なんてあった?」


 気になったようなので、小傘が聞く。


「あるわよ?」


 ちょっとばかり自慢するように言う。


「夢幻館って言っ」

「「「「行く」」」」


「あんた達、すっかり藍色に似てきたわね……」


 そうだね。全員完璧なタイミングで合わせてきたし……


「……ま、構わないわ。今すぐ行くの?」


「モチのロン!」

「行くに決まってるよ!」


 小傘とフランは元気よく答える。ルーミアは藍色に確認を取り、藍色は勿論……


「行く」


 ですよね!


「はいはい、準備してくるから待っててね」


 もうすっかり慣れた幽香。その内一行と旅をしだすかもしれない。


「待ってるよ!」


「早く来ないと藍色が勝手に行っちゃうわよ」


「置いてけぼりは止めてよ……」


 とにかく、日傘を持って一緒に出掛ける。藍色達は後を追った。

 心配事もあるので、一応手作りの服を持って……







「……凄い面子ね」


「それ程でも無いわよ?」


 博麗神社をのんびり通り過ぎていく一行。何故わざわざここを通る必要があるのかは謎だが。


「何より、幽香が一緒に居るのが驚きよ」


「あ、巫女の驚き頂きました!」


「返しなさいよ」


「無理!」


 胸を張って答える小傘。おいおい。


「藍色、能力で何とかならないかしら」


「やらないよ」


「チッ!」


 霊夢は強烈な舌打ちをした! おい……


「でも何で? 驚きなんて貴方にはいらないでしょうに」


「この唐傘に行った驚きは何かを食べたと同じなんでしょ? 今日のご飯食べなくてすむかなと」


「無理でしょ……」


 ルーミアからツッコミを貰ったが、全く気にしない霊夢だった。


「で、あんた達はどこ行くのよ」


「私の別荘」


「あんた別荘なんてあったんだ」


「まあね〜」


 幽香は結構面白い経歴の持ち主だったりするのか? まあ本人に聞いても教えてはくれなさそうだが。


「神社の裏の方だから通り道なだけ。じゃ、さっさと行くわ」


「はいはい。じゃあね」


 もう巫女はお呼びでないのでサヨナラします。あっさりしてるな皆……





「あ、嫌な予感するからお祓いでもしときましょうか」


 意味があるのかは謎である。







「湖だね」


「そりゃあどうみても湖よね。というか間違い無く湖なのだけど」


 妙に大きな湖の前に到着した。しかし、こんな場所誰も知らなかったような……


「基本的に誰も知らない場所よ。一部を除いて」


 先代とかね〜と呟く幽香だが、先代が誰なのか知る物は居なかった。

 ルーミアは何だか記憶の端にあるようなないような、曖昧な感覚を感じていた。


「くるみ〜」


 幽香が名前のような言葉を湖にかける。すると、自分の身長よりも大きな翼を持つ女性が現れた。何故か大きなローブを羽織っている。


「何ですか? 湖の周りを私が吸血鬼と知りながら警備させられ(省略)そのような私を真昼に呼び出した夢幻館のご主人様?」


「アンタ、いつの間に早口言葉で話すようになったの? 一割も聞き取れないわ」


 有している時間は少ないけど、あまりに長いので略しました。略の中身は恨み妬みの類と考えて良いだろう。


「え? え? 何て言ったの?」


「……take2をお願いしたいわ」


「無理」


「全くしょうがない人達ですね。ではどうしようもないあなた達の為に脚色をつけながら説明しなおして差し上げますから一字一句聞き逃さないように」


「ああ、つまり何か用ですか? って事だよね?」


 これはビックリ。能力の恩恵が小傘は聞き取れたようだ。


「言葉が分かるお方が居て助かりましたよええ本当。どうも私の主人は最近耳が遠くなったようなので話が通じないようです。本当に残念な方ですよ性格が悪いのも相まって(以下省略)」


「……小傘、要約して」


 藍色は素直に小傘を頼る。能力については残念賞と言うべきか。


「つまり幽香はもう駄目だって事かな?」


「上等よくるみ。湖に沈めてあげるわ」


「いやいや別にそう言った事は陰口云々を除けば一日二十三時間しかガボガボガボ……」


 沈められた。そして通訳をしてみる小傘。その反応は……


「一日二十三時間……」


「陰口云々を入れたら一日中になるね!」


「フランは陰口は言っちゃ駄目だよ〜」


 こうなった。そこはまあ閑話休題で済ます。

 幽香が何やら合図をすると湖の水が退いて行き、湖の奥から巨大な館が姿を現し


「のりこめ〜!」


「わーい!」


「ちょっと、せめて幽香を先頭にしなさいよ」


 行動が速いなお前ら。藍色なんか既に門の前だし。


「流石の行動速度ね。らしいっちゃあらしいけど……じゃ、警備の続き宜しくね」


 大した手当てもせずに日向に放置。せっかくなのでローブは剥いでいく。

 幽香が門を開け、全員を入れた後にゆっくり閉める。流水の音と悲鳴が聞こえた。


「さ〜て、案内しましょうか」


「……あれ、放置?」


「うるさい小鳥は黙らせるべきなのよ」


「納得」


 藍色! 納得しちゃ駄目!


「さぁて、どこから行こうかしら!」


「ま、適当にぶらつくから大丈夫よ」


「そう? ならいいわ。エリーに会ったら私の連れと言っといてね。警戒は解くだろうし」


 物騒な人だな。まあ大丈夫だろう。


「逆刃の鎌を持ってるから分かりやすいでしょうね」


「じゃあ、適当に回ろうか!」


「あ、あと注意」


 幽香が余裕が感じられない顔をする。何だよ?


「万が一夢月ってメイド服に出会ったら、強さに関連する話題には絶対に持ち込まないようにしなさい。もし振られても逸らすのよ? 幻月って奴を呼ばれるから」


「その幻月って人がヤバいんだ」


「そ。で、万が一幻月に出会ったら……」





「死ぬ前に逃げなさいよ。私は親友を失いたくは無いから」


「……心得たわ」


「いい? 間違っても喧嘩売ったり勝負を受けたりしないようにね? 絶対よ?」


 ただならぬ人物だとは理解した一行。幽香が念を推す位だから相当ヤバいんだろう。


「……もし危険と判断したらエリーか私を呼びなさい。全力でね」


「「は〜い」」


 子供っぽい二人が返事をした。藍色とルーミアは無言の承諾。そして一行と幽香は別れ、館の奥に消えた。


「…………もう」


 大きな大きな溜め息を廊下にこぼし、しばらく歩く幽香。嫌な予感は胸から消えない。


「幻月だけには当たって欲しくないのよね……」


「姉がどうかした?」


「……うぐ。な、何でもないから回れ右しなさい」


「あらそう」


 ……寿命が減った気がした。







 その頃、八雲邸。


「……なんか、不味いことになる気がするわ」


「紫様、良いから藍色に対するスキマの問題を改善するなり何なりして下さいよ」


「そうね、急がないと」


「……ん?」


「藍さん、終わりましたよ」


「あ、はい」







 一方のこちら。


「……衣玖? なんか怖いよ?」


「そうよ、なんか今にも静電気で感電しちゃいそう」


「……いえ、遠くの空気が張りつめていますので……」



「お? 喧嘩の空気か?」


「喧嘩……なんて優しい物なら良いのですが」


「具体的には?」


「……………………殺意ですね」


 天子一行友達百人の旅。一行は異様な空気を遠くから感じていた。


 オリハルコン製のフラグを立てておきます。おおこわいこわい。

 フラグは潰さず受けず、立てるタイプの天空か空色か分からない空の空椿です


 旧作キャラは基本的に原作に忠実な訳ではないので、キャラ崩壊には気をつけて下さい。



 ……え? 夢幻世界とかはどうなってんのかって? …………別に良いっしょ←

 すいません、こんな作者で。



 藍蓮花では今の所旧作の巫女は先代巫女とイコールになってます。でも先代巫女は打撃巫女との話を聞きますが、一体どこからそんな話が流れて来たんでしょうね~?




 そういえば、バトンの出所分かりました。どうやら様々な作者様が作ってるそうです。専門の人が居るとかは無いんですね。私も作ろうかな?

 まあそれは神社を改装する時に考えます。


 さて、次回は……

 それではノシ

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