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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と再戦 観客は敵だ

 昼の太陽の畑で、ひまわりに囲まれながら優雅なお茶会。地べただが、草が生えているので問題なし。

 夜の妖怪なのに平然としてるのは周りのサポートと本人のスペックが大きく関係していたりする。

 と、話題はそんな感じである。つまりはルーミアとフランの話題だ。つまり、前者がフランで後者がルーミアとなる。


「仮にも夜の妖怪が真昼からお茶会なんてね」


「そもそも妖怪自体が夜の生き物だよ?」


「夜の妖怪が言うと説得力が鰻登りになるね〜」


「……私は?」


 あれ、藍色は昼夜どっち?


「……う〜ん?」


 困らされた皆さん。まあ仕方無いよね、寝ないから。


「常時活動型?」

「満月型?」

「藍色型?」


 ルーミア、小傘、フランの順である。おいおい……

 本当は長期活動型が適当かもしれないが、事情を知ってりルーミアは他に無闇に情報をバラすわけにもいかないので黙る。同じく知っている藍色は今は理解すらするつもりが無いようで……


「別に気にする必要は無い」


 しかし、それを藍色が言うか……


「まあそれで良いじゃない。考えすぎても体に毒よ」


「考えるのを毒と感じないルーミアとフランは考えを変えるべき、と」


「は〜い」


 考えるといえば……


「能力の応用は進んだの?」


 全員、藍色を注目した。


「一度、皆の情報をまとめたい」


「あら、どうせなら私も混ざっていいかしら?」


「うん」


 幽香参加。まずはルーミアからだ。


「そうね、私は考えは沢山浮かんでるけど試した覚えが無いわ」


 ルーミアの考えは、闇を基本として主に逆の光を考えてるそうな。

 理論的には案が浮かんでるが、戦闘などで試した事が無いとか。


「また試してから」


「私は結構進んだよ? 相手を驚かせる能力を基本にして、相手を強制的に驚かせるという事に転じて、それを相手を驚かせるような行動をする事に直せたよ」


「つまり、非常に曖昧な『相手を超える程度の能力』ね」


 幽香が上手くまとめてくれた。曖昧すぎて、相手によっては本人すら予想外な事になりかねないがな。しかし上手く決まると……


「小傘凄いね!」


「それほどでもないよ〜」


 順番的にはフランとなる。


「私は元々範囲が広いから、壊せる物を広げたよ」


 知識を蓄えたのがその為だからな。現在、その範囲は生物から無機物、概念的な物から記憶まで可能。彼女に破壊出来ない物は無いのだー!


「相変わらず規格外よね」


「ここまで強いのが揃うと八雲が霞むわね〜」


 紫涙目。たまには必死に強さを求めてみなさい。


「私も天狗と度々話してるから進んでるわよ。花を見て情報を読みとったり、高速で進化成長させたり。多分範囲も広いんじゃなくて?」


 例えば、人体などに様々な効果をもたらす花粉を撒く花を咲かせたり、硬度や形状を変化させて武器や盾にしたり出来るとか。

 能力の範囲が限定的だから大したことはないと思いきやこれだった。


「全く、藍色の話は私の固定概念を木っ端微塵にしちゃったわよ」


「ま、お陰で思考回路を柔軟にせざるを得なくなったから良いんじゃないかしら」


「それもそうね」


 と、そこへ……


「新聞で〜す」


 ちょっと話題に出た文が来た。


「あら、今日もお疲れ様」


「あやややや? 何やら面白い団体ね」


 新聞を藍色に渡して近くに座る。

 見出しは『人里で剣術大会開催決定!』となっている。詳しく見ると、剣に関しては最強とも言える魂魄妖夢と、一部外来人は残念ながら参加禁止らしい。


「ふぅん」


 幽香に渡し、お茶を飲み干す。


「何かお話を?」


「えぇ、能力の応用の話をね。一旦皆にさらそうと思ったのよ」


「ほう。それなら私も混ざろうかしら」


「「「どうぞどうぞ」」」


 文が会話に急遽参戦。まあ構わないか。


「私は辞書を漁って風の字のつく物を徹底的に調べ上げたわ。櫛風沐雨など興味深い物が沢山発掘出来ましたよ」


 しっぷうもくうと読みます。


「櫛風沐雨?」


「風雨にさらされて辛苦奔走する事。風に櫛り雨に沐う……ってね」


「難しいわね」


「まあそうでしょ。わざわざ八雲紫に頼んで外の世界の辞書を持ってきてもらった位だから」


 ちなみになんて辞書? 小傘が聞いてみた。


「広辞苑」


 じょ、冗談キツいぜ……


「それと、風雨から雨を降らせる事が出来たわ。雨と風の比率も多少変えられるみたい」


「あなたも結構進んだのね」


「だけど、この知識を戦闘に使うのは難しいから、戦いとかの場合は大人しく能力の使い方を変えてるわ」


 あくまでスペルカードルールに則ってやるみたいだが。藍色達のような死合いは頭には入れていないようだ。


「ま、私の知識が参考になったら幸いね」


「そうね、ありがとう」


 ここで幽香がとんでもない事を言ってしまう。


「じゃあ、全員の手の内をさらした事だし…………死合いでもやらない?」


「えっ」


 戦闘狂な部分が頭を出しました。やっぱり強者とは戦いたいようです!


「ちょ、やだ!」


「じゃあ多数決ね」


 どうしてもやりたいようで、一番早く決まる手軽な方法を提案。結果は……


「やる」

「やるわ」

「やらない……」

「やる!」

「勿論やるわ」

「やりましょうか」


 五対一で死合い決定です本当にありがとう御座いましアッー!







 文がクジを用意してきた。


「天狗仲間でたまに使うクジ。壱から参まで用意してあるから、組になった者同士で順番にね」


 わざわざ難しい字なのは何故だか……


「なんか必然的に一行同士の戦いが決定してるんだけど」


 唯一反対意見を述べた小傘が言う。確かに、半数以上を一行が占めているので仕方無いが。


「迷っても仕方無いので、やりましょう」


 クジの箱を地面に置き、飛び出ている棒を掴む。


「……フラン、やっぱり代わって……」


「やだ〜」


 完全に弱腰だが小傘、場合によっては最強の能力者が何を言うか……


「一気に行くわよ〜」


 ルーミアが声をかけ、全員タイミングをはかる。


「せーのっ」


 結果は……





 壱 フラン、文

 弐 小傘、ルーミア

 参 藍色、幽香


「嫌な予感って何故かよく当たるよね……」

「そーなのかー、と言うべきかしら」


「あやややや!? 私もドボンよ!?」

「えへへ、文だ〜!」


「あら、まさかの再戦ねぇ」

「うん」


 いやあ、これはどうなるのやら……


「小傘だったら平和的な弾幕勝負が出来そうだったのに……」


「まあ、フランに対抗するならまず非殺傷設定を変更するのをオススメするわ」


「そうしないと相手にもならないんじゃないかしら?」


 うなだれる文にルーミアと幽香が順に声をかける。

 まあ今更考えても仕方無い。細かいルールを全員で決めてやる事になった。







「じゃ、ルールの確認は私が読み上げるわ」


 幽香が紙を数枚持っている。


「まず、これは弾幕勝負を無視した死合いではあるが、殺し合いでは無いので相手を殺すのは禁止。致命傷になりかねない場合は寸止めやワザとずらす等を行う事。万一の場合は外野から終了宣言を行う。事故の場合は不問となるが、その際の責任は自己で取る事」


「ルーミアさん、骨は残してね……」


「殺さないわよ」


 おいおい。


「次。正確な時間は決まってないが、頃合いの判断した場合私かルーミアが終了宣言を行う。降参は外野と対戦相手の計五人が判断し、承認した場合相手の勝利となる。この時一度戦闘は中断される」


 無論多数決です。便利だよね。


「尚、今回の死合いは互いの力を見せ合い、新たな能力の模索の意味合いが強い為、全員永琳による無味の妙薬を服用してからの戦闘になります。撮影は禁止です」


 数は丁度二十になるだろう。ちなみに、提案者はルーミアだ。


「……無味? 水と一緒じゃないの?」


 読み上げていた幽香の質問。


「……いや、無味よ。味の概念が無いくらい無味」


「……興味は出るけど、ねぇ…………効果は?」


「今の所判明しているのは……」


 壱 身体年齢十程度増加

 蓬莱人だろうが妖怪だろうがお構い無し。正し精神年齢の変化は無し。

 弐 壱に伴い思考回路の増強

 古明地妹が短時間で能力の新たな使い方を編み出してしまう辺り、相当強化されているようだ。


 参 記憶、経験の引き継ぎ

 効果時間中の身体的成長、記憶は効果終了後も引き継がれる。経験値システムと考えればわかりやすい。


 肆 効果変化

 蜂蜜などの物を混ぜると効果が大きく変わるのが判明している。まだ蜂蜜しか混ぜた事はないが、絶対に何かある……


「……蜂蜜混ぜたの?」


「見事にルーミアさんがちっちゃくなったよ」


「何故か蜂蜜の味も消えて無味になったらしいよ」


 一体蜂蜜に何があったのだろうか。


「……ま、それはいいわ。とっとと始めましょうか」

 ルーミアは後ろを振り向く。


「ちょうど観客も増えたみたいだし」


「あやや?」


 文が後ろを振り向くと、まさかのメンバーが揃っていた。


 八雲紫、藍。命蓮寺の寅丸星。そして魔界から夢子だ。


「何か用? 今から忙しいの」


 藍色が軽く振り向いて言う。


「いえ、そろそろ頃合いと感じて襲撃をかけてみたんだけどね」


 無論、当初の目的を忘れているわけでは無い。今、藍色が異変を起こすのは寝ぼけた幻想郷の住人達を目覚めさせるには十分だから。


「後にしてね。そしたら相手してあげるわ」


 ルーミアがウインクをして文の背中を叩く。ゆっくり薬を飲んでいた文が一気に飲み干してしまう。


「ッ!? ゲホッゴホッ」


「ゆっくり飲むと辛いわよ?」


「い、今の方が苦しいです!」


 良い子は真似すんなよな! 危ないから!

 とまあそれを余所に、フランも飲み干す。やっぱり美味しくない様子。

 すぐさまポンと音がなり、紫がパルパルするようなプロポーションを得たフランと、髪が伸びて出るとこが更に出た文がいた。


「あ、あやややや……?」


「う〜ん、やっぱり美味しくないな」


 初めての体験に驚く文を見てクスクス笑う幽香が居たりする……


「フィールドは夜にするわ。全員妖怪だからデメリットは発生しないし」


 ルーミアが右手を地につけると、そこから闇が溢れ、辺りを包んだ。昼は夜に逆転し、空には満月が映された。


「じゃあフランちゃん、行きましょうか」


「は〜い!」


 文とフランが空中に移動したのを確認し、藍色が乱入してきた観客を見る。


「見るのは構わない。見て研究するのも構わない」


 やはり輝く藍の瞳を細め、睨む。


「ただし、勝負の邪魔になる行動は許さない」


「安心しなさい。そんな命を捨てる行動はしません」


 星が臆することなく答えた。


「そう」


 藍色は言うだけ言って表情を戻した。


「ならいいの」


「じゃあ、大人しく見てるから」


 紫の言葉を確認し、背を向けた。


「……夢子、あなた何でいるの?」


 代わりにルーミアが振り向く。


「後で話します」


「そ」


 さて、ようやく向こうの二人が準備を終わらせたようなので……


「え〜、開始の合図は私唐傘の」


「前置きはいい」


「は〜い」


 藍色に止められた。


「では、用意!」


 唐傘を高く振り上げる。


「お手柔らかに〜」


「行くよ!」


 葉扇と歪んだ時計の針を構え、お互いの羽をバサリと広げる。


「開始!」





「藍、一秒たりとも見逃さないようにね」


「承知」







 一方のこちら……


「……あの黒い球体は何かしら?」


「ルーミアさんではないかと。彼女の噂を総合した場合その確率が高いだけですが」


「何やってるのかしら?」


「いやいや、そんなの知らな……」


「……萃香さん?」


「喧嘩の匂いだ! 行くよ二人とも!」


「「え」」


 天子一行友達百人の旅。一行は太陽の畑に向かっていた。


 おっとと、次回は連戦の予感。弾幕より死合いが好きな空椿です。



 文と幽香はまだまだ成長の余地を残しておりました。大きくなれば出るとこは出ますし、伸びるところは伸びます。

 身長高いと便利ですよね。でも大きすぎるとあちこちぶつけちゃうよね、と百六十ちょっとの空椿がほざいてますよ~



 成長という単語で思い出しましたが、吸血鬼は、成長すると異性を誘う為に魅力的に育つそうですよ?

 つまり吸血鬼であるフランは例の薬を飲むと……後は分かるな?


 そういえば、何気に一切妙薬を飲んだ事が無い藍色。読み返してみましたが、本当に飲んでません。あらら……?

 ルーミアも成長した状態からだと飲んでませんね。今はお姉様なルーミアですが、更に成長すればお母様ですね分かります。

 次回の連戦は全員飲みますのでお楽しみに。



 ひまわり達には無論防護結界のような物を張ります。じゃないとあの人が暴走しますよ? 敵に回したくないし。

 紫達もそれぞれが防御をします。やり方は違いますが。


 っと……そろそろ連戦を書きますかね。

ではノシ



 次回の見所? すいません、自分には分からないです。

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