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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と蓮華 侵入は敵だ

「ん〜……おはよ〜」


「はいはいおはよう。まだ夜だけどね」


「え?」


 フラン起床。起き上がって周りを見渡すとまだ次が空にあった。といっても、もうすぐ沈むが。


「そっか。藍色は?」


「ここ」


 やや遠めの所にいた。


「なんか随分気に入ったみたいでね。私が起きた時はピクリとも動かなかったわ」


「ふ〜ん」


 とりあえず小傘を起こしてみた。


「う〜……ん。頭が痛い……」


 半日も立ってないのに二日酔いってどうなんだろう。


「大丈夫?」


「アルコールを破壊すれば……」


「あ、なるほど!」


 フランが右手を広げ、ぐっと握る。それと同時に小傘が驚いて飛び上がり、目を見開く。


「び、びっくりした……」


「おはよう」


 いや、小傘はもう起きてたよ藍色?


「……ここどこ?」


「酔ってたあなた達には分からないかもね。幽香を呼んでくるから大人しくしてなさい」


 ルーミアが立ち上がり、黒鳥を出して飛んでいった。


「ん〜……」


 その間退屈な二人は藍色の隣に移動した。藍色は座って藍の蓮華を見ている。


「この花、図鑑には無かったよ?」


「私も見たこと無いな〜」


「私も知らない」


 全員知らないらしい。この様子だとルーミアも知らないだろうし、昨日居た文も多分だが知らないだろうな。

 幽香か紫なら知ってるかな? と考えるフランだが、残念ながら紫は知らない。で、残ったのは……


「ただいま」


「……もうちょっと寝たかったわね」


 幽香。ご存知花の妖怪だ。


「ねぇねぇ幽香! この花は何なの?」


 好奇心で行動を決定したフラン。幽香に飛びかかって質問を体ごとぶつける。


「私も気になるし、教えて?」


 小傘もフランの隣に。何故か藍色まで黒鳥に乗ってきたが、全然余裕で乗れるのが素晴らしい。


「残念だけど、この花は蓮華の種類だって事以外私は知らないのよ」


「え〜……」


 残念。


「知識のある奴にでも聞きなさいな。あ、紫は知らないから気をつけてね」


「分かっ…………藍色、何してるの」


 また黒鳥を降り、一本の蓮華を見つめる藍色。


「この中の誰かがこの花に関して知っている確率を上げる」


「便利ね」


 さて、どうなる?


「幽香、フラン」


 該当者はおめでとう。早速フランが現れた知識を読み上げる。


「えっとね、誰も名付けた事が無いから名称は無し。種類は蓮華で、一年中咲いてるみたい」


「で、夜に月が空にある間咲いてるそうよ」


「ふぅん」


 出来れば自分が該当者になりたかったのか、妙に悔しそうに見える藍色。確率は上がってるハズなのに、何故こうも成功し難いのか……


「じゃあ、名前つけないとね!」


「あら、今ここで決めちゃうの?」


 小傘が提案。


「そうね……名も無き花のままは少し寂しいからね。でもどうするのよ」


「藍の蓮華だからそのまま藍蓮華で良いんじゃないかな?」


 小傘がパッと出た言葉を出す。


「確かにそのままねぇ。もう少し捻らない?」


「ねぇ小傘、そのままだとつまらないわ」


 ルーミアと幽香の両方からダメ出しを食らった。小傘は落胆する。


「でもそれが一番適切だよね〜」


 う〜んと皆が悩んでる時に、藍色が……


「……藍蓮花」


 蓮華の『華』を同じ『ハナ』と読む『花』に変えた単純な言葉。蓮花を『レンゲ』とは読まないので、この場合は『アイレンカ』となるが。


「…………ま、とりあえずそれを仮名にしましょ」


 ひとまずこれに決まり、正式名はおいおい決める事にした。


「さて、出かけましょうか」


「うん」


 黒鳥を上空に出し、全員で乗り込む。


「幽香! またね〜!」


「こらこら、落ちるわよ」


「小傘も飛べるから平気だよ?」


「私飛べない……」


 騒がしくしながら、飛び去った。


「全く、賑やかね。もっと賑やかになりそうな気がするけど……」


 そう呟きながら、下の藍蓮花を見つめる。


「能力か何か使ったわね、この様子だと……」


 先程まで藍色達が寝転がっていた所を見るが、潰れていた花は例外なくまた空に向かって立ち上がっていた。


「……ま、良いわ。あの子達なんだから」


 東の空から顔を出した太陽を見、また足元を見る。まるで早送りのように、花々がその実を閉じていった。

 見届けた後、幽香は日傘を差して自身の畑に戻った。後に残ったのは閉じた花畑だけである。







 さて、こちらは命蓮寺である。紫は聖と星の前に座っていた。


「死合い、ですか」


「そう。スペルカードルールの無い完全な肉弾戦闘」


 三人以外は例外なく退出しており、会話はスムーズに進む。


「藍色達にスペルカードルールを使って決闘するのは難しいわ。それを力ずくで捕まえるには相手の土俵に立って立ち向かうしかない」


 穏便に解決するに越したことはないのだが、あの我の強い藍色を相手にそれをするのは残念ながら難しい。

 だから力ずくという手段を取るしかない。それも、一人も残さず無力化しなければ絶対に逃げられる。


「でも、現在の状況は四対二。少しでも戦力が欲しいのよ」


「で、何故家の星がそれに該当したんですか?」


「弾幕無しでも十分な戦闘力を買ったのよ。あなたなら少し戦い方を学べば対抗出来そうだ、と。それに……」


 星を横目で見つめ、笑う。


「あなた、藍色達の事を良くは思ってないじゃない」


「……それは、どういう事で?」


 星本人が紫に問う。返事は早かった。


「藍色達を良く思う人にこれを頼むのはいくら私でも気が引けるわ。だから、中立または敵視している人に厳選したの」


「…………成る程、だから私ですか」


「察しが良くて助かるわ。あなた以外は完璧なダメ元で、大いに悩む事になるのだけど……」


 そんな紫の言葉を半分ほど聞き流したが、しっかり考えている星。

 聖が紫に質問した。


「星以外の宛はいるんですよね?」


「ええ、竹林の不死人とか地底の鬼とかね。藍色の事を悪く思ってるわけじゃないから賭けだけど」


「はぁ……そうですか」


 星の反応を待つ紫と、少し考える聖。星は……





「わかりました。引き受けましょう」


「ああ、良かった……」


 それを聞き、聖が言った。


「ナズーリンはどうします?」


「彼女は私の部下です。命令する事も出来ますが、今回は本人の意志を尊重します」


「じゃあ、今から聞きましょう」


 おいィ!?

 スキマが開き、ナズーリンが落ちてくる。


「ふぎゅっ!?」


「ナズーリン!」


 すぐさま介抱し、怪我が無いかを確かめた。


「部下思いねぇ」


「あなたが乱暴なだけですよ」


 キツい一言を貰い、よよよと口で言いながらわざとらしく悲しがる紫は無視。星はナズーリンに説明をしていた。


「どうですか?」


「ふむ」


 ナズーリンは特に考えた素振りも見せず、淡々と言った。


「非常に残念だが、遠慮しよう」


 ……おう? まさか拒否するとは。


「正直、私は藍色達の噂は聞くが、嫌な感情は持った事は無い」


 ダウジングロッドを肩に乗せ、溜め息を吐く。


「それに、無断進入を許さないと言うなら、幻想郷のパワーバランスに関わる人物を軒並み捕まえねばならんだろうが」


 紫に睨みを利かせる。聖も釣られた。


「ご主人には悪いが、私は藍色達に味方する。あの自由さは一緒に旅をしていない私にも夢をくれるからな」


「そう、ですか」


「なに、だからといってご主人が嫌いなわけじゃないさ。頼られたら今まで通り手伝うよ」


 ナズーリンは紫に向き直り、言う。


「ではな、賢者殿。無断進入も大概にするようにな」


 そして一礼し、立ち去った。


「あらあら、残念でしたね、星」


「いいえ、ナズーリンがああ言うなら無理強いはしたくありません」


 星は聖に向き直り、ナズーリンと同じように一礼した。


「では、行って参ります」


「気をつけてね」


 そして、スキマの中に消えた。

 誰も居なくなり、聖は一人溜め息を小さくこぼす。


「ナズーリンには、少し話すべき事がありますね」


 そう呟き、聖も退出した。







 一方のこちら。


「……頭が痛い」


「飲みすぎです」


 天子一行友達百人の旅。一行は二日酔いに苦しんでいた。

 味方がいるなら敵もいるだろう。しかしあくまで原作キャラから。そして出来るだけ違和感の無いように。

 と考えつつ執筆した今回の章。なんていうか、うん。



 そ れ が こ の ざ ま で あ る 。



 違和感に悩む天か色か未だに決まらない空の空椿です。



 さて、星との戦闘はもう少しです。そして、ナズーリンに妙なフラグが……?


 空椿にも参るストーリー展開ですが、頑張って参ります!



 所で、一度藍色達と接触した旧作のあの人はどうしましょうか。悩みます。

 魔界にも行きたいし……




 ま、どうにかして行きますノシ







 あたしゃここにいるよ。

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