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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と厄神 集合は敵だ

「ここなら試し撃ちも出来るわね」


「落ちたら洒落にならないけどね!」


 妖怪の山の端にある、高い崖に四人で集まっていた。大まかな理由はスペルの御披露目である。


「じゃあフランからね〜」


「わかった!」


 小傘と仲良く相合い傘をするフランが元気に返事をした。


「ルーミアは何か聞いた?」


「今まで『禁忌』『禁弾』としていた物は、修正いらずの物を残して全て『大罪』と名を変えたそうだけど、それ以上は全く」


「ふぅん」


 名を変えた理由は、以前の物と混同しないようにする為だそうだ。


「行くよ!」


 小傘がフランに日を当てないように苦労している。仕方ないか…… 


「大罪「スターボウストライク」!」


 スターボウブレイクを改変し、現れた弓を本格化したらしい。以前偶然発生した弓を構築したフラン。


「あ、前のあれね?」


「うん。あれは不安定すぎたから、ちゃんと直したよ!」


 グイッと弦を引くと、なかなかの速度で矢が発生する。


「こ、怖い~……」


 すぐ隣のフランに怯える小傘だが、テンションの上がっているフランは矢を思いっきり空に放った。どうか、どこにも被害が出ませんように。


「こんな事も出来るよ?」

 先程より強く引くと、矢が三本同時に……おいおい?


「フラン、こっちに向けないで頂戴。危ないわ」


「は〜い」


 弓の向きを変え、大空に一斉射撃。その後も何度も弦を引いては矢を発射し、空に何度も赤い線を飛ばす。


「フラン、次はいいの?」


「あ、そうだった」


 忘れてた!

 とにかく弓は消し、次を宣言した。


「大罪「カタディオプトリック」!」


 宣言した瞬間に右手の平を前に出す。すると、以前のカタディオプトリックで発射していた大玉が単発になり、連射が利くようになっていた。

 修正前と同じ大玉を任意で発射出来るようにしたようだ。小さな弾も完璧に再現されている。


「面白いわね。フォーオブアカインドを使って、レーヴァテイン、カタディオプトリック、スターボウストライク、能力の四種類に分けて戦うとか……」


「ルーミア……」


「あらごめんなさい、余計だったかしら」


「ううん? 全然大丈夫だよ?」


 ルーミアの想像がもし実現されてしまったら悪夢に違いない。とまあそれはさておき。


「次は私だ!」


「れっつご〜」


 藍色のやる気の感じられない掛け声を受けながら宣言した。


「雨符「涙雨車軸の如し」!」


 宣言した瞬間に、空から大量の小粒弾が降り始めた。しかもかなりの広範囲に。


「ルーミア、レイヴン」


「はいはい。闇夜「ダークネスレイヴン」」

 盾代わりだ。弾幕が現れた黒鳥に当たると更に小さい弾幕に分かれて跳ね、それに当たると破裂していく。


「地形が変わりやすいスペル……」


 崖の形が既に変わっている。

 そんな雨のど真ん中にいる小傘とフランだが、小傘が差している傘に弾幕が当たると滑るように端に行き、やがて落ちていった。

 丁度雨の中で傘を差している時の様子に似ている。


「解除!」


 辺り全体から破裂音が響き、弾幕が消えた。


「御披露目終了ね。お疲れ様」


「「は〜い!」」


 なんともまあ、皆藍色に感化されてるんだな……

 フランのは攻撃力特化だし、小傘のは回避不能だし……


「……じゃ、行きましょ」


「行きましょうか、じゃなくてね……」


 第三者の声が聞こえた。一斉に声の方向を見ると、崩れた崖に座るゴスロリの女性がいた。


「あ、雛」


「藍色の妖怪さん、久し振りね」


 厄神の鍵山雛がそこに居た。何だか迷惑そうな顔をしている。


「この辺り、私の住処があったのだけど……」


「……当たっちゃった?」


「少しだけどね」


 それは……





「「「「ごめんなさい」」」」


「はい、もう許したわよ」


 優しくて嬉しい。







 小さな洞窟の奥に部屋があり、その一番奥に祠のような物が一つ。それ以外何もない。

 弾幕の被害を受けたのは主に入り口で、崩れて埋まりかけていた。


「お? また会ったねぇ」


 フランを除いて、全員転けた。


「し、死神さん……?」

「あ、アンタねぇ……」

「仕事はどうしたのさ!?」


「分かるだろ? 抜けてきたのさ」





「「阿呆」」


 藍色、ルーミアが拳骨を食らわせた。







「仕事が面倒でね、たまたま通りかかった白玉楼の庭師に全部投げて逃げて来たんだよ。普通に逃げたら捕まるし、適当に歩いた証拠を残しながら移動してダミー代わりにして、最後にここに隠れたってわけさ。四季様もこんな所には探しにこないだろうと思って来たんだけど…………まさか厄神の住処だったなんてね」


「その溢れる悪知恵を仕事に使いなさいよあなたは」


「面倒臭いねぇ……」


 結局居座る死神に呆れる皆だった。特に雛。


「良いの? 私の近くにいると不幸になるわよ?」


 皆の反応はそれぞれだが、結局全員気にしていなかった。


「多少の不幸なんて跳ね返せるわよ」


「元々不幸だから」


「……なんだか複雑ねぇ」


 そんなもんだ。


「それにね、私達は藍色と一緒が良いの」


「そうそう。ご主人様が動かないなら私達も動かない」


「あたいはここに隠れてたいだけだけどね」

「私は理由なんて無い」


「私も別に、ね」


「私もそんな感じ」


 頭が痛くなるような理由だが、いつも一人な雛にとっては騒がしくもすこし嬉しい。

 厄神なんて立場なのだから、厄を恐れて誰も寄ってこないから。


「面白い人達ねぇ」


「妖怪」


「あらら、そうね」


 さて、初めて会う相手なども居るので、せっかくなので自己紹介をしようとの小傘の提案。皆の自己紹介が始まった。


「藍色」


「それが名ま」


「うん」


 やはり藍色は藍色だった。


「厄神は何回か見てるから私は知ってるけど、ルーミアよ。宵闇の」


「ああ、あの子ね」


「そーなのよ」


 そーなのかー。


「私はフランドール・スカーレット! フランでいいよ!」


「へぇ、あの吸血鬼の所の?」


「ちょっと諸事情があってね〜」


 フランの噂はまだ広まってないようだ。幸か不幸か。


「多々良小傘。唐傘の付喪神で、ご主人様の傘だよ」


「そういえばあんた、忘れ物だったねぇ。そっちが持ち主だったのか」


「うん」


 次からは忘れないように。


「じゃああたいかね? 死神で三途の川の船頭をしてる小野塚小町だ。サボって」


「働け」


「い」


「働け」


 拳骨一人前入ります。


「厄神の鍵山雛よ。よろしくね」


「「は~い!」」


「元気だね」


 子供は風の子元気な子ってか?


「私古明地こいし~」


「待ちなさい。なんで居るのよあなたは」


「あ、またバレた」


「少し前にも話してたじゃない」

「嘘!? いつの間に!?」


 こいしぇ……


「またフラフラしてたらこんな所に来ちゃって、退屈だな〜って思ってたら藍色達がいたから、混ざってみた…………って所かなぁ?」


「無意識な分タチが悪いわね」


「うん」


 今の所こいしを捕まえられるのはルーミアだけだ。ルーミアが居なかったら一体どうなるやら。


「まあ良いじゃないか。賑やかになっただけだし……」


「それはそうだけど、なんだかまだ来そう……」


 小傘が入り口を見つめる。と……


「お邪魔しまっす!」


 鴉登場。


「あら、文さんこんにちは」


「はいはいこんにちは。いつも贔屓にして頂いてありがとう御座います。」


 ……あれ? 今はオンですか?


「なんだか数人が一斉にここに集まってるとの事を聞き、調査の為に先回りしてみたんですが…………もう沢山いますね」


「まだ来るの?」


「そうですよ〜藍色さん。主に幻想郷を気ままに移動してたり、普段から自由に行動してる方々が此方に。あと……」


 思い出したように笑顔になった文。


「そうそう! 閻魔も」


 勢い良く立つ小町。


「邪魔したね! あたいは仕事に戻る」


「失礼します」


「きゃん!?」


 タイムアップです。


「し、四季様……」


「やはりこちらに居ましたか。哨戒天狗を頼って正解でしたね」


「あやや、椛ですか?」


「確かそのような名だったかと」


 さぞかし驚いただろうに。


「う、閻魔」


「あら、藍色さん。お久しぶりで」


「帰る」


 藍色も退場。しかし うまくきまらなかった!


「はいはい、なんか騒がしいけどお邪魔し……閻魔ァ!?」


 何故ぬえが此処にいる!?


「……よろしい、全員纏め」


「お? 噂に聞いたがやっぱり藍色が…………げげぇ!?」


 魔理沙ァ!?


「…………全員、そこに直りなさい」


 強制正座である。









「まずあなたはスペルカードルールに反抗し……」


「春ですよ〜」


「更に八雲紫を超える危険な能力を使い幻想郷全体に……」


「春ですよ〜」


「次にあなたはその強大過ぎる力を……」


「春ですよ〜」


「そしてあなたは人権を物ともせず……」


「春ですよ〜」


「特にあなたは仕事を無視して……」


「春で」


「今は春ではないですよ」


「え」


 ……これも、厄の影響だろうか?







 一方のこちら……


「あはははは! まてまて〜!」


「きゃ〜!」


「わ〜い!」


「捕まえたわよ!」


「うわわわわ!?」





「馴染むの早くないかな〜」


「ですね。はい、これで先生の出来上がりです」


「いくさん凄い!」


「紙を折るだけで私を作ってしまうとは……」


「じゃあ衣玖、次は天子でも作ってやりなよ」


「はいはい」


 天子一行友達百人の旅。一行は寺子屋の子供達と遊んでいた。


 春ではないですよ~

 天か色か分からない空の空椿です。


 あの後映姫からちゃんと逃げ出しました。特に怒られてるわけではない雛を残して。


 映姫の登場は場を強制的に統制してしまいますね、おおこわいこわい。藍色が居なければあと二十時間は続いてます。


 お賽銭頂きました。ちょっと使わせて頂きますね。ケンターノさんありがとう御座います。



 そういえば、スペカの名前ですが……

 ひねりが足りないですよね? あれが私の限界です。ごめんなさい。


 小傘のは辞書から引っ張ってきた物をちょっと変えました。元々の意味としては『要するに土砂降り』です、はい。



 さて、この辺りで失礼します。

 ではノシ

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