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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と神社 休憩は敵だ

「あら、藍色じゃない」


「うん」


 博麗神社。別にくる理由は無かったが、ルーミアが……


「フランと小傘の事をゆっくり考える為にね」


 と言ってきたので、藍色が頷いたので黒鳥の進行方向を変えたのだ。

 取り敢えず、霊夢に土産話でも聞かせてあげようか。







 しかしそれだと退屈なので、話が終わるまで八雲を見てみよう。土産話の内容は藍蓮花を読み返せば十分だろう。


「取れました!」


 橙が効力を失った式を藍に渡す。


「ん〜……スッキリしたわ」


「お疲れ様です」


 紫は伸びをし、ゆっくりと立ち上がる。


「それにしても、とんだダークホースが居た物ね。まさか付喪神があんな能力を持ってるなんて……」


「普通じゃない考え方ですよね。相手を驚かせるという事から全く別の行動に結びつけてしまったんですから」


 藍の苦手分野だ。既存の事を考えるのは得意だが、新たに考えを生み出すのは得意ではないらしい。


「多分藍色が一枚噛んでるわね」


 一枚所か噛みついて離れませんが。


「そうなると、他の皆さんも能力を使って変わった事が出来るんじゃないですか?」


 橙が会話に参加してくる。


「そうでしょうね。対策を立てる必要が出て来たわね……」


 何が来るかを予測しておかないと、立てるべき対策も立てられないがな。


「取り敢えず、藍は小傘の能力の穴を探して頂戴。私は橙と一緒にフランやルーミアの能力を掘り下げて考えてみるから」


「分かりました」


 しばらく、八雲邸から出る事は無いだろう。







 場所を更に移そう。幽香である。

 いつもの太陽の畑から離れ、藍色一行くらいしか来たことが無いであろう名のない平原に来ていた。


「……気持ちいい場所ね、心が洗われるみたい」


 風もよく通り、居心地は中々良い。


「うん、ここにしましょう」


 幽香は服のポケットから花の種を出す。実は幽香も一度しか咲かせた事のない花で、その花の名は幽香も知らなかった。

 かなり前に紫を捕まえて聞いてみたが……


「知らないわ。突然変異種か何かじゃないかしら。というか早く離して頂戴。首が締まって……締まっ…………」


 その後動かなくなってしまったので、役に立たなかった。賢者ともあろう妖怪が……嘆かわしい。

 しかし、名は知らなくても種は分かる。これは蓮華だと。


「藍色に見せたら、喜んでくれるかしらね?」


 そんな事を考えながら、幽香はその花を畑にしていった。

 幻想郷に、三つ目の花畑が誕生した日だった。







「……で、今に至るわけよ」


「へ〜ぇ……」


 日が落ちた博麗神社で、ルーミアが霊夢に説明しながら月を見つめる。満月一方手前と言った所か……


「で、あの弾幕合戦はスペルカードの点検って事で間違い無い?」


「うん」


 藍色が返事をした。向こうではフランと小傘が弾幕決闘をしている。


「持ち手が成長し過ぎて、既存のスペルが合わなくなる。結構皮肉だけど、それが強いって事になるのよね」


「でも、そんな現象聞いた事無いわよ?」


「スペルカードルールが広まってから急激に強くなった奴が居ないんでしょ。だから知らなくても当然よ」


 少しの差ならこんな事は起きないだろうし。


「二人とも、大体分かった?」


「「うん!」」


「じゃあおいで」


 皆で集まり、二人のカードを整理する。

 フランのスペルカードで、修正や改変が必要なスペルは……


 禁忌「クランベリートラップ」禁忌「カゴメカゴメ」禁忌「恋の迷路」禁弾「スターボウブレイク」禁弾「カタディオプトリック」禁弾「過去を刻む時計」QED「495年の波紋」禁忌「フォービドゥンフルーツ」禁忌「禁じられた遊び」。


 以上、失敗暴発のオンパレードだった。

 残りの三つ、禁忌「レーヴァテイン」禁忌「フォーオブアカインド」秘弾「そして誰もいなくなるか?」。


 これらは正常に発動した。しかし、ラストスペルがまさかの大失敗を起こしたのには驚いた。あれは弾幕どころか爆発だ。

 大半は修正を諦め、手元に残ったのは成功の三枚と、面白い結果を残したスターボウブレイク、被害が少なかったカタディオプトリックの二枚を改変する事で収まった。


「随分被害が大きいわね」


「私もびっくりしたよ〜? 至近距離で爆発が起きたんだから」


 幸い二人は無傷で済んだが。


「で、小傘は?」


「あ〜……」





 小傘のスペルカード、

 全滅。





「予想はしてた。してたけど」


 藍色が珍しく溜め息を吐いた。


「ある意味で物凄いわね……」


 まさに失敗の赤字セール。一から全てを作る羽目になった。


「地力が底辺だったからじゃない?」


 そんな小傘の心を霊夢が深く深〜く抉る。小傘が泣き出した。


「小傘、ファイト〜」


「うん、うん……」


 ちなみに、ルーミアの以前のスペルも全滅である。既に何枚も作っているので気にする事は無いが……


「小傘のスペルカードは早急に作るべきかしら」


「うん」


 藍色とルーミアに言われ、取り敢えず名前だけでも先に考える小傘。内容は後でいいらしいが。


「フランも、例の二枚をどうするか決めなさいよ〜」


「は〜い」


 二人が考え始めたのを確認し、霊夢の方に向き直る藍色とルーミア。


「あんた達も結構苦労してるのね」


「うん」


 根っこの原因は藍色だが。


「……霊夢も一応点検してみれば? 案外似たような事になるかもね」


「面倒だし遠慮するわ」


「後悔するよ」


「しないわよ」


 謎の余裕をかましている霊夢。


「あ〜はいはい、あなたには何を言っても無駄ね〜」


「なんかムカつく」


「そう」


 そんなこんなで変な空気になってしまった。何故だろう……


「しっかしスペルカードがねぇ……魔理沙辺りは該当しそうね」


「カードのスペックとカードを作った時点の本人の力量に関係しているから、時間はかかるけどあり得る」


 藍色がペラペラと話す。霊夢も半分位は聞いている。


「もしそうなれば、スペルは強化されるか変化する。魔理沙があなたを追い越すのはそれこそ時間の問題」


 ピクリと反応。おや?


「……藍色、ちょっと稽古に付き合いなさい」


 何ィ!?


「何で私?」


「隣に居たからよ。はい駆け足!」


「みゃあ……」


 ……あらら、行っちゃった。


「「あ〜っ!」」


 おっと、こちらも限界になったらしい。


「思いつかないよぉっ!」


「う〜……」


 ルーミアがその様子をクスリと笑う。


「仕方ないわね、秘密兵器をあげるから頑張りなさい」


「秘密兵器?」


 鞄を開き、無味のあれを二つ出す。


「じゃん、美味しくない薬」


 二人は文句も言わず飲み干した。







「なんかでっかくなってない?」


「見間違いじゃないからね?」


「見間違いと思いたくもな」


「そう」


 霊夢が目を疑うのも分からない事は無いが……


「なんか紫がままごと遊びをしてるみたいね」


「もし本当にやってたら滑稽」


 誰か能力かなにかでやってくれないかな〜


「もれなく文屋にネタを授ける事になるわね……って藍色、あんたは何をソワソワしてんのよ」


 霊夢が藍色に聞く。確かにどこかウズウズしている。


「出かけたい」


「私達はしばらく動かないわよ?」


「…………う〜」


 自由気ままな藍色も、身内には甘いらしい。


「まあ、その内出かけるから」


「うん」


 取り敢えず、藍色を勝手に出掛けさせるのは止められた。


「じゃ、私はもう寝るわ〜」


「ごめんなさい、しばらく騒がしくしてるわよ」


「勝手になさい」


 慣れぬ修行の疲れか、はたまたちょうど頃合いの時間なのか、霊夢は奥に行ってしまった。


「……余計に静かになったわね」


 二人は一緒にあーだこーだ言ってるが、騒がしい程じゃないし、藍色は元々静かだし。


「来客」


「え?」


 軽く空を見ると、空から降りてくる影があった。


「誰?」


 フワリと二人の前に降り立ったのは……


「こんばんは。今日はオフの射命丸よ」


「こんばんは」


「あらあら、天狗が何か用?」


 文はいつかのメモ帳とペンを出す。


「個人的な興味で聞くけど、能力の応用の話を聞かせて貰えない?」


 天狗の情報網は伊達じゃない。


「何故?」


「あら、私は弱いより強いが好きなのよ」


「あんた一応幻想郷でもかなりの実力者でしょ……?」


 いつもは加減をしているだけで、文も随分と強い方だ。


「まあ、深い理由なんて無いわよ」


「……座って」


「感謝するわ」







 少女説明中……







「成る程ね。私なら何があるかしら」


「風圧をまず一番に出しても、風雲とか風評とか随分あるわよ」


 パッとしない物が多いのも特徴だが。


「ん〜、何かビビッとくる物は無いかしら?」


「そんなの……」


 藍色が手を上げた。


「風の噂……」


 その時、文に電流が走った。


「そ」


「静かに」


「あ、はい」


 しかし残念、ペースは乱された。


「しかし、それは良い。新聞のネタを探すのに使えそうよ」


「でも、後は自分で広げて頂戴。私達二人だけだと限界があるし」


「了解」


 文が新聞を渡す。


「お礼としては少し弱いかもしれないけど、これから定期的に新聞送ってあげる」


「いいの?」


「別に? 一部くらいなら問題無いわ」


「そう」


「なら遠慮無く貰うわ」


 その後、すぐに飛び去ってしまった文を見送り、小傘とフランの所に戻る。


「と、取り敢えず一枚出来たよ〜」


「私は終わった!」


 フランは終了、小傘は一応一枚出来たらしい。


「……じゃあ、それそろ行きましょうか。藍色が限界よ」


 というわけで、霊夢に置き土産を残して四人は去った。







 で、翌朝。


「あら、帰っちゃったんだ」


 誰も居ないのを確認し、いつもの机の前に座る。その上には湯気の立つ一杯のお茶が……


「……紙?」


 その手前に紙があり、適当に持って確認する。


『邪魔したから、お詫びのつもりで淹れた。能力で温かいままにしてあるから飲んで。藍色より』


「気がきくじゃないの。って裏にも何か……」


『ゆっくり飲みなさいよ。byルーミア』


「ゆっくり……ねぇ」


 霊夢は気にした素振りも見せず、喉が渇いていたのか一気に飲み干し……







 あとは、分かるな?







 一方のこちら……


「ほう、面白い旅だな」


「冗談じゃないわよ。百人近く友達作るなんて……」


「それならば、寺子屋の子供達と遊んでみればいかがでしょうか?」


「え?」


「それはいいな。なら、早速行ってみようか」


「う、うぇ!?」


 天子一行友達百人の旅。一行は人里で慧音と話していた。


 天か色が分からない空の空椿です。


 この章より、賽銭箱に小傘とフランのスペカも募集しましょうか。フランのスターボウブレイクとカタディオプトリックは既に纏まっていますのでご注意を。


 最近、一行のスタメン入りが決まった人物が居ます。参加はまだまだ先ですが、既に先のストーリーには混ざってます。お楽しみに。



 参加の仕方は自分の知ってる東方小説の中では今の所見かけてないパターンです。うふふふふ……私も楽しみです。





 これから、ランダムなタイミングで射命丸が登場します。主にオフで。新聞も持ってくるので、藍色一行の情報源になるでしょう。新聞の見出しも賽銭箱で募集しときましょうかね。くれたらほぼ必ず採用します。


 賽銭に頼り過ぎですかね? たまにしか来ないので、結局自分で考える事の方が多いですが……

 ま、どのみち待ってます。神社の行き先は空椿のマイページから活動報告に行けばすぐ見つかります。よろしくお願いします。



 では、これで失礼しますノシ

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