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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と賢者 逃亡は敵だ

 白玉楼は、紫が直してくれた。西行妖も結局被害は無く、全てが元通りとなった。


 しかし、新たな問題が浮上した。




 座布団に座りのんびりする藍色。

 藍色の右手側、顔を強ばらせながら笑うルーミア。

 藍色の左手側、もう少しで泡を吹き出しそうな小傘。





 藍色の真正面、笑顔に満ち溢れた紫。

 紫の右手側、欠き餅を絶えず口に運ぶ幽々子。

 紫の左手側、ただならぬ現状に硬直する妖夢。


 ……しっかり紫に捕まりましたとさ。


「あぁ、あなたを見つけるまで何日歩き回った事か……」


「むぅ」


 上機嫌な紫と、不機嫌な藍色。小傘がなんとか藍色を抑えている。


「さて、と。私があなた達を捕まえた事には理由があ」


「理由も無しに捕まえる馬鹿は居ない」


 いきなり喧嘩腰な藍色。ルーミアも抑えにかかる。


「分かった分かった。早く話を済ませたらまた旅にでも何でも出られるから」


 藍色の雰囲気が和らいだので、話を続ける。同時に場の雰囲気も和らいだのが幸いだ。小傘が気絶せずに済んだ。


「実は、最近霊夢が呆けててね、前みたいにいに異変解決に熱心じゃないのよ」


 最近の霊夢のだらけっぷりと言えば、宴会をしない天人とさほど変わらない程。お賽銭が入るのを良いことに、そのお金を使い込んで霊夢にとっての贅沢三昧。一般人からしてみれば標準だが。


「ってなわけで、ちょっと渇を入れ」


「異変を起こせって事?」


 小傘がフライング質問。


「ま、まぁそうね」


 藍色達は顔を見合わせ、同時に言った。


「嫌」

「却下」

「ごめん」


 幽々子がちょっと笑った。


「何で」


「面倒だから」


 他の意見を全てねじ伏せる答えだ。


「それに、異変解決って大体弾幕ごっこでしょ? 鬱陶しくて仕方無いわ」


 そこにルーミアが追撃し、


「目的も曖昧過ぎるよね」


 小傘がとどめを刺した。


「そ、そうね……」


「紫、気を確かに〜」


 幽々子が背中を撫でる。妖夢は何故か黙って席を立った。


「ま、巫女が格闘も出来るならちょっとは考えるわ」


 紫が目を光らせた。


「それなら出来」

「生死を賭けた、ね」


 紫の目が光を失った。


「どうせ藍色が言うから殺しはしない。けど、私はその戦いしか認めないわ」


「ルーミアさんを納得させるなら、守矢の神が良い感じかな?」


 藍色は……


「同じく」


「……あなた達、幻想郷から追い出すわよ?」


 幽々子が紫を抑えてくれた。


「ま、弾幕関連は全部小傘に任せるわ」


「私!?」


「お願い」


「ご、ご主人様の頼みなら……」


 可哀想に。だが仕方無いだろう。


「だから、異変は却下。終わり」


 相当旅に戻りたいのか、藍色が立ち上がろうとする。


「藍色!」


 紫が止めたので、不機嫌になりながらも紫を見る。紫の手には…………お札? 模様の描かれた長方形の紙だ。


「流石に、もうあなたを見失うのは遠慮したいからね……」


「あ、それ式ね」


 幽々子がとんでもない事実を言う。これには、流石に小傘とルーミアがゲッと言う。


「私の式になる? それとも、異変を起こす?」


「…………脅迫」


「じゃないとあなた逃げるじゃない!」


 うん。


「どっちもヤダ」


 もうちょっと真剣に考えて!


「ふ、ふふふ……」


 紫が笑顔をひきつらせる。


「藍! 橙! 手伝いなさい!」


「仰せのままに!」


 紫の真後ろの襖を勢い良く開いて出て来たのは両手に大量の式を持つ橙と藍。いつから待機してた。

 どうせ藍色は逃げ回るだろうし、ならば実力行使だ。と、言った感じだ。


「ルーミア、どうする?」


「私は小傘の防衛に回るわ。絶対にバラまくでしょうし」


「滅茶苦茶だよもう!」


「む……」


 幽々子も部屋の隅に退散。欠き餅は諦めた。


「覚悟は良いわね!?」


「むう」


 藍色が少し後ろに下がる。


「嫌なの」


 急に真後ろの襖を能力で開け、バックステップする。


「ま、待ちなさい!」


 紫達が追う。部屋は静かになった。


「……あ、もう大丈夫?」


 幽々子が中央に戻り、かきもちに手を伸ばす。が、ルーミアが声をかける。


「動かない方が良いわよ。絶対戻ってくるから」


「…………はぁい」


 幽々子が渋々戻った瞬間、藍色達が部屋を通り過ぎる。ばらまかれた式をルーミアが爪で切り裂いた。


「みゃぁぁぁぁ〜……」


 当分落ち着かなさそうなので、変化があるまで放置する事にします。







「つ、疲れた……」


 藍、橙は手持ちの式が無くなり、脱落。紫は未だに藍色につきまとう。反対の藍色は疲れた様子には見えない。いや、見えないだけで疲れてるが。


「も、もう諦め」


「ヤダ」


 やはり拒否。しかし、藍色も走り疲れてもう動けないようだ。


「ま、どうせ動けないでしょうし、観念なさいな」


 式を指に挟み、疲れの見える顔で笑う。正直な話怖い。


「……はい」


 手首のスナップを利かせ、藍色の額に向けて投げる。発言は渡す感じなのに、行動がぶつける感じな矛盾が……


「む」


 藍色が式を右手で掴んだ。同時に、水色の雷が手の中から溢れる。

 藍色が手を開くと、模様の変化した式が……


「し、式の構造を書き換えたの!?」


 え?


「否定証明「絶対確率」」


 あ。


「ちょ、待……」







 数分後、そこには額に式を貼り付けられた紫の姿が! 貼る場所をもうちょっと考えてやっても良かったのでは?

 幽々子とルーミアは柄にもなく大笑い、小傘は転げ回る始末である。


「ぎゃ、逆に式にされてるし……あはははは……」


「良かったわね、橙。はれて式の式の式よ」


「よ、良くないです!」


「紫様、気を確かに」


「く、屈辱よ……」


 藍色は妖夢と一緒にお茶を飲みながらくつろいでいる。ちなみに、藍色が淹れた。


「剥がしなさいよ!」


「抵抗しないなら」


 ルーミアと小傘もどうにか復活し、既に用意されていたお茶に手を伸ばす。


「懐かしいですねぇ。私も式になったばかりの時は凄く反抗した物です」


「勝手に式認定しないでくれない!? 私はまだ」


「うるさい」


 藍色の一言で、紫の口は紡がれた。式は主人の嫌がる事は出来ないのである。


「藍色、どうするつもりなの?」


 ルーミアが藍色に聞く。確かに、紫をこのまま放置するのは気が引けるというかなんというか。


「幽々子なら剥がせるから」


「あら、私?」


「うん。そういう仕組みにした」


 藍色はルーミアと小傘を手招きする。


「行くよ」


「もう? まだゆっくりしてたら良いじゃない」


「逃げるの」


「ああ、はいはい。小傘、行くわよ〜」


「はぁい」


 三人が立ち上がり、白玉楼から出ていった。妖夢は藍色達が見えなくなるまで、頭を深々と下げていた。


「……幽々子」


 藍色が居なくなったので、どうにか話せるようになったらしい。


「分かってるわよ。でも……」


 剥がせ、と言いたいらしいが、幽々子は……


「夜までそのままよ。見てて楽しいもの。そうよね? 妖夢」


「仰る通りです」


「…………あああぁぁぁっ! もう!」


 紫の叫びは、笑い声によって終わらされた。







 と、その日の夜の話だが……


「藍色、あれ……」


「うん」


「も、もしかしなくても……」





 翌日の号外の見出し。


 『スカーレット妹、またも脱走!』

 藍色なんだから、逃げるに決まってるじゃないか。まだ藍色を捕まえさせない空椿です。今回ちょっと短いですね。



 さて、意見場所がリニューアルしました、結局。私ですもの。

 すると、早速不知火さんがコメントをくれましたので、要望に応じてフランが登場しとります。不知火さんありがとう。


 紫が主人公を式にするのはよく見ます。が、主人公が紫を式に仕返すのは見ませんね。というわけで、一時的ながら式を貼り付けてみました。ゆかりん人生最大の汚点ですな。


 紫ファンに夜道で襲われそうな章でしたね。すいません。



 意見もどしどし待ってます。要望があったら気軽に活動報告にどうぞ。


 じゃ、小説書くので失礼しますノシ

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