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東方藍蓮花  作者: 空椿
23/114

藍色と洩矢 退屈は敵だ

「成る程ねぇ」


 諏訪子がルーミアの膝に座りながら言う。


「大変だったんだよ〜?」


 その諏訪子を突き落とし、場所を奪いながら小傘が言う。


「大変なのは分かったけどさっ」


 そんな小傘を転かして場所を略奪する諏訪子。


「なら諦めて譲ってよっ」


 そして、諏訪子を押しのける小傘。


「ぐぬぬぬぬ……」

「むむむむむ……」


「あのね、じゃれあうのは良いけど、人の膝で争わないで頂戴。私の膝って居心地良いの?」


「そうみたい」


 最終的には藍色が膝に収まった。喧嘩するよりはこうするほうが……


「あ、そうだ藍色。またお茶淹れてくれないかな?」


 諏訪子が藍色に頼み事。藍色が歩き出したので、ルーミアの膝が空いた。

 ま、また喧嘩?


「じゃ、私も行くわ」


 しかし、予想はしていたルーミアは藍色についていった。小傘と諏訪子はうなだれたが、諏訪子は後で来た神奈子の膝に座った。神奈子は迷惑している。

 結局小傘は座布団に座り、藍色とルーミアを待つ事になった。





 早苗と神奈子を含めた人数分の茶を用意してきた藍色。藍色の茶といえば……


「どうぞ」


「どうも〜」


 自然な動きで茶を受け取る諏訪子。だが、そのまま飲み干す事はせずに少量ずつ飲む。

 そんな飲み方を疑問に思うルーミアと小傘だが、よく見れば早苗と神奈子もそうしている。


「何でそんな飲み方?」


「ショックが強いからよ……」


 神奈子の謎な返答。小傘はわけが分からず、一人一気に飲み干した。ルーミアも座布団に正座し、藍色もその上に座る。


「ま、私はそれに従うわよ」


 石像になった小傘は放っておき、ちびちびと飲むルーミア。その味に驚きを隠せない様子。でも藍色がいるから飲みにくそうだ。


「やっぱりそうなりますよね」


 早苗がルーミアの反応を見て言う。一体どれだけ美味いのか。


「小傘、いつまでそうしてるのさ」


 藍色が小傘の肩を揉んでいる。硬い。


「相変わらず凄いねぇ、この茶は」


「ルーミアさん、感想は?」


「神の茶だわ……」


 また出た言葉。もう認めるべきなのか?


「まあ、あなた達の事は諏訪子を通して聞いたから、次は私の番かね?」


 神奈子が場を仕切るように言うが……


「私達も諏訪子を通して聞いたから大丈夫よ、八坂さん」


「神奈子でいい」


 お許しを貰ったので、遠慮無くタメ口にするルーミアだった。小傘もようやく復帰した。意識がログアウトでもしてたようだ……


「最近どう?」


 藍色が早苗達に聞く。


「最近天狗が犬を飼ってるって噂があるんだよね。それがちょっと気になるかな」


 ……一瞬、怒号のような物で空気が揺れた気がする。


「多分、というか十中八九犬神よ、それ」


「犬神!? あの祟り神の!?」


「わーわー! 待った待った!」


 退治しに行きそうな早苗を小傘が止める。


「いや、多分犬の神様よ。あれが祟れるとは思わないもの」


「恨みから呪う事はしそう」


 藍色の言うこともありそうだ。


「じゃあ、安全なんですね?」


「うん」


 早苗が落ち着いたので、小傘も疲れた様子で藍色とルーミアの隣に。


「さて、次はあんた達の事を聞こうかねぇ。藍色が出て行った後、何があったのかね……」


 それを聞いて藍色が口を開き、ルーミアと出会うまでの事を説明した。そこからはルーミアが説明し、小傘と出会った辺りから小傘が説明した。


「へぇ、花妖怪とデスマッチか」


 そこに反応するな洩矢の祟り神。


「昔が懐かしいねぇ」


 駄目だ、この神様達……


「もしかして諏訪大戦? 聞いた事があるわね。三日三晩続いたとか」


 ルーミア、お前もか!


「え、諏訪大戦って弾幕ごっこじゃないんですか?」


「スペカが出来たのは結構最近って紫が言ってたねぇ。たしか紅魔郷以前だったか?」


「つまり、諏訪大戦は全力全壊の殺し合いだったんだね」


 小傘、怖い。


「まあそうなっちゃうねぇ」


「す、凄いですね……」


「そうね、お互い最強と言っても不思議の無い神だったからね。そんな二人のデスマッチは凄いでしょうね……」


 やはりデスマッチが大好きなルーミア。どこかうっとりしている。


「神様同士の殺し合い……見てみたいわぁ〜」


「それを言えば、私は藍色と花妖怪の戦いに興味が湧くよ」


「早苗だっけ、向こう行こうよ」


「異存はありません」


 異常な雰囲気を察し、小傘と早苗は隣の部屋に逃げた。


「……なぁ、宵闇の」


「何かしら? 八坂の神様」


「……藍色」


「う?」





「「「殺り合わない?」」」


「うぇっ」


 藍色だけ反対したが、多数決では負けは決定していた。









 まさか、こうなるとは誰も予想出来なかっただろう。二対二のスペルカードルール無用のデスマッチ。

 ルールは太陽の畑の時と大差ない。が、藍色の能力制限が緩和されている。試合結果を大きく左右する物以外は大体オッケーになっている。審判は小傘と早苗。

 藍色以外は気絶したら脱落。藍色のみ小傘と早苗が指示を出す。


 と、いった所か。しかし、何故か観客が集まって来ているのは何故なのか。河童や天狗、神までいる。ほんの少々だが外来人も見える。

 あ、椛とにとりだ。射命丸も見える。


 そんな観客を、全員大して気にしていない。早苗だけは布教のチャンスと考えているが……





 神奈子、諏訪子は準備運動をしている。目の鋭さを見るに、諏訪大戦を思い出しているのだろう。

 藍色、ルーミアは考え事。藍色は戦闘中の作戦、ルーミアは今の姿に合うスペルカードを思案中だ。


 これから始まるのは死合いだというのに、呑気に見える皆。幻想郷の皆はいつもこうなのか?





「ルールの確認をします」


 早苗が河童のメガホンを使って四人に声を届ける。


「制限時間無し、二対二のデスマッチです。スペルカードルールは含まれません」


 群集にどよめきが走るが、すぐに収まった。


「守矢の二柱、宵闇の妖怪は気絶、藍色さんは審判の判断で脱落とします。スペルカードの使用制限は無し。連続使用、二枚同時使用も可とします」


 博麗の巫女が聞くと卒倒しそうだ。


「藍色さんには緩い能力制限を設け、違反と判断した場合は強制的に脱落とします。宜しいでしょうか?」


 神社の参道で、オンバシラの上や空中など、思い思いの場所に待機する四人は早苗の声に頷いた。

 それを確認した早苗はメガホンを構える。


「最後に! この戦闘は決してスペルカードルールの批判、及び殺し合いの助長をする物ではありません! 誤解の無いようお願いします!」


 この発言は地味に見えて大切だろうな……


「では、合図をします! 観客の皆さん、流れ弾にピチュらないようにご注意下さい!」


 早苗が十からカウントダウンを始めるが、七で……


「ああっ我慢出来ません! 零です!」


 しろ!


「さあ、第二次諏訪大戦の開始だよっ!」


 諏訪子の楽しそうな声が響き渡り、守矢神社に轟音が響き渡った……









 ちなみに……


「……あら、何かしら?」


 藍色を探して幻想郷一周の旅。紫は妖怪の山に来ていた……


 今回短めでした。

 さて、次は盛大に戦います。盛大に。観客は何人ピチュるでしょうか?

 数を椛達を含めて百人とします。是非予想してみて下さい。予想だけで良いです。


 ちなみに、守矢神社後の行き先に困っています。本格的に意見場所に頼る事になりそうです。お頼み申します……



 最近、意見場所を賽銭箱に名を変えようかと思い始めた偽博麗霊夢がここに居ます。どうしよう……

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