藍色と霧雨 借りパクは敵だ
博麗神社の一室に集まる人だかり。容姿は様々だが、全員がトンでもない人物である。
豪華キャストはこちら。
「これだけ揃うと流石に緊張するわ……」
博麗大結界管理者にして、異変解決のプロ。博麗霊夢。
「血を狙う気にもなれないわ……」
紅魔館の主にして、最強の吸血鬼。レミリア・スカーレット。
「暢気になんかしてられないわね」
白玉楼の亡霊にして、冥界の管理者。西行寺幽々子。
「集めるの、苦労したわ……」
幻想郷の最高管理者にして、妖怪の賢者。八雲紫。
「初めてみる光景よ」
「素晴らしいメンバーですね」
永遠亭の主にして、不死のかぐや姫。蓬莱山輝夜。
同じく永遠亭の従者にして、月の頭脳。八意永琳。
「これは敵に回したくない……」
「あーうー……」
守矢神社の神にして、諏訪大戦の二柱。八坂神奈子と洩矢諏訪子。
「……あらあら、大変ですね」
命蓮寺のガンガン行く僧侶にして、大魔法使い。聖白蓮。
あまりにもとんでもないメンバーの為、力が漏れないよう紫が四重結界を張る程。あとは力と力のぶつかり合いでポルターガイストが発生しないのを祈るばかりである。
ここに、これから話題に出る藍色はいない。彼女は今、どこぞの魔法使いの看病中である。
「さて、集まって貰った理由は他でもないわ」
紫が声を上げた。彼女も僅かに緊張しているらしく、声に柔らかさが無い。
「大体の人は知ってるけど、最近幻想郷に来た妖怪、藍色についてなんだけど」
聖以外は知っている。
「情報を出来る限り集めたのに、不思議な矛盾があるのよね……」
「矛盾?」
諏訪子が聞いたが、すかさず紫が返答をする。
「彼女の年齢よ。本人から聞いた年齢は百。情報には億単位の物があるの」
「それなら普通は藍色の嘘で済むけど、違うの?」
これは輝夜の声だ。
「嘘を言っていたようには見えなくてねぇ」
「私もそう思うわ〜」
紫の発言を支援するように、幽々子が声を繋げる。ここで聖が口を開いた。
「藍色さんとは、どんな方なのですか?」
「はい、これが資料らしいわよ」
レミリアが数枚の紙を渡す。腕の長さがやや足りず、聖の目の前に差し出すのは叶わなかった。そこは聖が手で受け取って事なきを得たが……
「へぇ、あの子がねぇ……」
神奈子は驚いたような、しかしどこか納得したような顔をする。諏訪子も藍色の顔を思い出していた。
「聖さん、読み終わったらこっちに寄越して頂戴」
「はい、もう構いませんよ」
永琳が資料を受け取る。隣の輝夜も覗き込み、二人で書かれた字を睨む。
「だから、知恵を借りたくてね」
「過去にでも飛べたら楽なのに……」
霊夢が呟く。確かにそれが一番楽だが、方法が無い。
「確かに楽ねぇ、それ」
レミリアの同意。時を操る従者も時を戻す事は出来ないので……
「紫の能力で出来ないのかい?」
「そーそー」
守矢の二柱が聞いてきたが、紫は黙って首を横に振る。
「私の能力も、止めたり戻したりは出来ないからね」
輝夜も残念がっている。
その後も案や考察が飛び交うが、納得の行く答えは全く出なかった。が、
「閻魔なら浄玻璃の鏡で見れそうよね〜」
さらりと紡がれた幽々子の言葉に、数人が反応した。
浄玻璃の鏡。人のプライベートを無き物にしてしまう物である。詳しくは自分で調べて下さい。
「なる程、面白い案じゃない」
「いいですね!」
「あら、じゃあ今すぐ行ってみる?」
…………これが、満場一致で可決されてしまうから困った物である。
「終わった」
一方、こちらはご存知藍色。今現在、霧雨魔理沙と呼ばれる人物の家にて掃除をしていた。
木の下敷きになったものの、気絶はしていなかった魔理沙。藍色は詫びをしたかったが、必要無いと言って聞かなかった。
それでも食い下がる藍色に魔理沙が言った事は……
「じゃあ、家の掃除を頼むよ」
これが結構きつかったが、藍色は文句一つ言わずに終わらせた。
「本当に終わらせちまったな……」
踏み場所に困る程の本、本、本。たまにキノコ。いざ片付けてみたら本棚が足りなかったので、部屋の壁に寄せるという応急処置を施した。
「うん」
現在魔理沙は椅子に座ってくつろいでいる。平気そうにしていたが、流石にダメージがあったらしい。
「ありがとな、やってくれて」
「別に」
と言いながら、その場にあった急須などを手にとり、お茶を淹れ始めた。
「くつろぐ気か?」
「うん」
やはり堂々としていた。
「……成る程、理解しました」
四季映姫は、目の前の人物達にややたじろぎながらも話を整理する。
「つまり、浄玻璃の鏡で藍色という妖怪を見ればいいのですね?」
数人が頷く。
「構いませんよ。その妖怪が白か黒かもこの場で判別してしまいましょうか」
大きめの鏡を用意し、その前に立つ紫含む全員。藍色を知らない聖はどこかワクワクしている。
「出ます」
映姫達を映していた鏡が色を変え、映ったのは魔女とお茶を飲む全身藍色の妖怪。
「あら? こっちの黒いのは魔理沙じゃない」
「そうね」
諏訪子が指をさし、輝夜が反応。
「で、こっちが藍色よ」
藍色は幽々子が指をさした。
「お茶、ね。咲夜とどっちがいいのかしら……」
少々ズレているレミリア。神奈子が耳打ちをしている。
「時間を戻して頂戴」
紫の声に映姫は頷き、また鏡が別の場面を映した。
「あ、これは私と萃香ね」
話に参加せずにのんびりしていた霊夢が声を上げた。
「ここでスペルカードを知ったのよね」
永琳の確認。紫が頷いた。
更に場面は変わり、映したのは……
「……映姫、変えて」
泥まみれの紫が見えたが、無視した。
「そろそろ幻想入り直前のはずだけど」
「ふむ」
映姫は鏡を操作し、時を戻す。映ったものに……
「「「……ん?」」」
一同は、疑問を覚えた。
「お前……」
「ん?」
「どうやって淹れたんだ? これ」
「能力」
いつの間にか仲良くなっている二人。名だたる大妖怪達に先程まで覗かれていたなんて気付いていない。いや、藍色はなんだか違和感を覚えていたようだ。
「お茶を淹れる能力か?」
「それはそれで面白い」
藍色の用意したお茶を飲み、本を片手に優雅な会話をしている。
「この量の本、よく集めたね」
「んあ? これは借り物だぜ?」
「いつ返すの?」
「私が死んだら」
それ、持ち逃げと大差ない。と藍色が言うと、魔理沙は少し笑った。
「貰うと借りるは別物だぜ? 私は一応返すつもりだから、出来る限り傷はつけないし誰にも渡さないさ」
「屁理屈だし、扱いは乱雑だし……」
「別に」
「よくない」
言葉を被せてきた藍色。魔理沙は怯んだ。
「って言われてもな…………あだっ!? 謝るから止めいだだだっ!?」
治療をしていない背中に指を当てただけだが、これだ。
「治せば?」
「私は回復魔法は使わないんだよ……いててて」
軽く頷いた藍色は早速能力を……使う前に魔理沙が止めた。
「出来れば自然に治したいんだ。勘弁してくれ」
「うん」
その後、魔理沙が動けるようになるまで藍色は魔理沙の面倒を見ていた。魔理沙は既に恩返しの内容を考えていた。
「幽々子……」
「ええ、これってどう見ても……」
「「「寝てる……?」」」
いつもの⑨倍グダグダしてます。もう物語がどう進行していくのか既に私には分かりません……
聖さん、命蓮寺メンバーの中でただ一人早めに出演です。他の皆も早く出したいのう。神子達神霊廟メンバーに関してはやはり響子以外は保留。
理由は私が勉強不足な為で、詳しい性格や能力を把握しきれていない為です。
ちなみに、私は東方原作の一切を所持しておりません。欲しい。
と、こんなにダラダラ続けるのもアレなので、終わります。
感想お待ちしてますね~