藍色、後を染める
「へえ、月ではそんな事があったのかい」
「そーよ。面倒の極みみたいな異変だったけど、結果的に私が生きてるから問題無しよ」
「私が、と言う辺りは博霊の巫女らしいかね」
「私だからね。でも死にかける程度には大変だったのよ? 今ですら薬師の所に通い続ける必要があるんだから」
「霊夢も酷かったもんな」
「あんたがスペルカード忘れるなんてポカをやらかさなければねぇ」
「そ、それはもう良いだろ!?」
「良くない」
「どうどう」
守矢神社。図々しい態度を崩さない来客二人を相手する二柱は、買い足すのを忘れて残り少ない茶葉を心配しながら応対していた。
折角、ゆっくりゆっくり楽しみたかった玉露なのに。嗚呼。
そもそも来客二人とは言ったものの主に話してるのは霊夢だけで、魔理沙は「面白そう」と言う理由だけでくっついてきただけ。そんな魔理沙の行動を押さえるのは諏訪子に任せ、神奈子が基本的に話を進めている状況だ。
「そう言えば、早苗はどうした? 帰ってきてるだろ?」
「早苗なら奥に寝かせてるよ。ほっとくと何でもやりたがるから気絶させてるけど」
「酷いな」
「薬師の許可は出てるがね」
生活能力に関しては、この二柱はそれほど高くは無い。家事全般を率先してやってしまう早苗のおかげで、普段は何かと動く必要すら無いからだ。
今回早苗が倒れてしまった事で、その辺りが浮き彫りになってしまっている。そんな状況を早苗が耐えられるとは、彼女をよく知っている二柱は全く思わない。
だからと言って気絶はどうか、と霊夢は思った。思っただけであるが。
「それで、早苗に何か用かい?」
「いや、早苗の安否確認だけよ。後はあんた達への諸々の説明だけ」
「あー、今回の件はすまなかった。戦力として加わりたい気持ちはあったけど、外せない用事があったからね」
「いーのよ、皆理解してるし」
「お茶まだあるか?」
「遠慮しろよ」
「しないぜ」
その外せない用事というのも、文に頼まれて幻想郷の警備をしていた訳だから、月への突撃と併せて大切な事。責める所か、感謝すら必要な対応をしている。
実力派が悉く居なくなった幻想郷の秩序に関しては、常日頃様々な所を飛び回る文が気にしていた。白玉楼で手伝いを止めたのも方々への根回しなどの為、ちょっとわざとらしくも退場したと言う訳。
「それで、薬師の所はどうなのさ? まだ野戦病院?」
「いや? 重傷は多かったけど、紫以外はもう帰ったわよ。永琳の経過観察を必要としてるのは、私達人間と聖、レミリア……あと幻月辺りかしら」
「随分早いね」
「うちの居候が便利な兎を拾ってきたからね」
……ああ、あいつか。隣で煎餅をかじる魔理沙は直ぐ様、一人の玉兎を思い浮かべる。
「そうだな。私が使い魔みたいに雇おうか」
「給料は出ないんだろ」
「そんな事無い。毎日三食、昼寝付きだ」
尚、流通通貨は出ない模様。
「……ところで、少し気になったんだけど」
「何かしら?」
神奈子が右手を上げ、霊夢に質問を繰り出す。
「後始末はどうなったんだい?」
「ああ、その事ね。何から聞きたい?」
「んー、ボロボロになった月の都からかね」
「あー、あそこは今……」
「さーさ皆の衆~、やり遂げたら好きなだけ月で餅つき出来るからね~? それまで働いて~」
「労働力としては優秀よね、妖怪兎」
「年がら年中餅ばっかりついてたら、そりゃあ腕っぷしも強くなるさ」
「そうかもね。で、月はどう?」
「思ったより快適だとは思ったよ。これなら気が済むまで跳ね回れそうだ」
大騒ぎの後の月の都。その壊れた建物の修復の為の労働力として、幻想郷の妖怪兎が大勢駆り出されている。月での餅つきの権利は、対価としては充分だった模様。
妖怪兎の纏め役はてゐ、その付き添いとして鈴仙が派遣されている。意外にもハキハキと働く面々とは別に、妙にハッスルしている人影もあった。
「おおお、これが月の科学力! 右も左も未知、未知、未知だ!」
「気持ちは分かるが、少し落ち着け。私達の仕事は月の機械を直す事だ」
「そりゃあ分かってるけど、終わったらすぐに帰る約束じゃないか」
「作業しながら見て盗めば良いじゃないか」
この河童の姉妹も、月の機械の修理に連れてこられた。未知の技術に触れていると言うのに、原理を素早く理解して作業を進める辺りは技術屋の意地が垣間見える。
そんな集団に玉兎達も加わり、大勢で復興作業中。様々な場所で大暴れしたせいで、住まいがボロボロになった玉兎の為に、出来るだけ急いで直したい案件だ。
ちなみに、その復興作業の指揮を任されたのは……
「レイセンだったか。これで良いか?」
みとりの声に反応した玉兎、レイセン。豊姫がこの大役に推薦し、物凄く慌てながらも何とか切り盛りして作業を上手く進めている。
最初は慣れない事もあってバタバタしていたが、その内コツを掴んだのか落ち着いて指揮を進めている。まだ効率が良いとは言えないが、基本的に自由奔放な兎達を相手によく頑張っている……と言うのが、河童両名の見立て。
「はい、有り難う御座います。次は向こうの周辺をお任せして良いですか?」
「任せて貰おうか。しかし、お前もあちこち走って頑張るな。少しは手を抜けばどうだ」
「いえ、豊姫様直々の御命令ですから手を抜く事は出来ません」
生真面目な性格だな、とは誰もが思っているようだ。豊姫はこう言う所を推したのか? いや、単に『見えた』だけだろうか。
「まあ、体調は崩さんように」
「依姫様の訓練に比べたらこの程度、全く問題ありません」
「ほう、具体的な内容が気になるな」
「日によっては変わりますけど……」
少し前の訓練を思い起こすレイセン。思考時間にして十数秒と言った所だろうか、その口が結論を叩き出した。
「種族人間がやると生きて帰れないとだけ……」
「……博麗の巫女も?」
「あれは規格外と呼ばれる存在ですよ? 勿論の事、論外です」
「ですよねー」
聞くだけ聞いて、作業再開。レイセンも周囲の玉兎への指示を再開した。
向こうのやり取りをチラ見していた兎の二人も、向けていた耳を戻して仕事に戻る。
「さって、餅の為にもう一頑張りしますかぁ……」
「こんなに意気込むなんて珍しい。良い事でもあった?」
「鈴仙と一緒に月に来れたからね」
「うぇ!?」
あまりにも唐突なその返事に、顔を真っ赤にする鈴仙。
「なな、なななな何を言ってるのよ!? 冗談は止めなさい!」
「は~い」
そんなてゐの顔はニヤケ顔。イタズラが大成功した時の子供と全く同じ顔をしている事だろう。
「さって、良い餅作って売り捌くかね! 月でついたからご利益あるって言えばホイホイ釣れるだろうし!」
ちょっと別な所に気合いを入れつつ、復興作業は進んで行く……
「って藍から聞いたけど」
「へぇ、あの悪戯者がねぇ」
「腹の中が黒いのは相変わらずみたいだけど」
「煎餅貰うぜ」
「それは駄目」
魔理沙はさておき、話し終わった霊夢はお茶を飲んで一息。
「で、次は?」
「聖住職みたいな大怪我人かねぇ」
「あー、ちなみに私達は大丈夫よ」
「この通り、ピンピンしてるぜ」
「今一度死の淵に突き落としてやろうか」
結局煎餅を美味しく頂かれた諏訪子。怒りのボルテージがグイグイ上がっているのは魔理沙の自業自得なのでさておき、霊夢は大怪我した妖怪の事を思い出し始めた。
「で、確かあいつらは……」
永遠亭の数ある部屋の一室、永琳の診察室で対面する、部屋の主と怪我人レミリア=スカーレット。いや、元怪我人だろうか?
「……もう治ったの? 流石吸血鬼ね」
「そんじょそこらの妖怪と比べられるのは少し困るわね。夜の帝王を殺しきる事は難しいのよ?」
「そうね、今度は木の杭でも用意しておくわ」
「殺そうとしないで頂戴。本調子じゃないから全くもって洒落にならない」
その再生能力は伊達ではなかったようで、結構強烈だった怪我も寝て起きたら塞がっていたそうな。それでも修復に力を割いた分、多少調子は悪いと本人はぼやいている。
実際、診察に来る際の飛行速度は普段と比べると数段緩やかな物であった上、何気無い歩行も多少遅く、永琳の歩くスピードに遅れて何度か早歩きになったりしていた。身体の不調その物にあまり慣れていない様子だと永琳は感じたらしい。今まで大怪我した事が無かったのだろうか。
ちなみに蛇足となるが、月での戦闘の後は後始末を一抜けして療養を取っていたレミリア。思わず藍色との契約を忘れそうになったが、それに関しては珍しく契約を吹っ掛けてきた本人が律儀に戻ってきた。
『血をあげるから協力しろ』の契約は、試験管に入った少量の藍色の血でしっかり果たされた。試験管については、例のあの薬の物を丹念に洗った後の物を再利用した。らしい。
……念を押しておくが、別に血が藍色な訳ではない。
「まぁ、その様子ならもう大丈夫でしょう。安静にしてゆっくり力を回復させると良いわ」
「貴女の血を飲めば手っ取り早いかしら」
「良薬口に苦しって知ってるかしら?」
「その台詞、何処かの巫女が言ってたらしいけど?」
「あらそう?」
そんな冗談を交わしながら診察は終了。しかし、レミリアはすぐに退出せずに質問を飛ばした。
「そう言えば、あの住職は大丈夫なのかしら。私みたいな怪我だったけど、人間でしょう?」
「正確には『元』だけどね。どうしたの? 他人の心配なんて珍しい」
「他人じゃなくて『戦友』よ。間違えないで」
「成程」
存外早く納得した永琳は、早速質問の答えを返した。
「自宅療養。暫くは動かず安静にして、身の回りの事も出来る限り仲間に任せる事。そう本人に言い付けてあるわね」
「無事なのね」
「完全復活には時間がかかるでしょう。日常生活を送る程度なら一月も必要は無いと見たけど」
妖怪と違って自然治癒には時間がかかる。頭に『元』が付くとはいえ人間、怪我だけ治してハイおしまいとは行かないのだ。
「流石、ガンガンぶつかっていく僧侶ね。ただの人間より頑丈だわ~」
「ただの人間が空を飛べてたまるものですか」
ごもっとも。聞くだけ聞いたのか、レミリアは満足げに立ち上がり、扉に向かう。それに対する永琳はと言えば、適当に手をひらひらさせふざけたのみ。その内容とは、
「ちゃんと歯磨いて寝なさいよ」
「子供じゃないのよ。当然でしょう」
これ。ちょっとした洒落のつもりだろうか? そんな感じの事を呟いて見送る永琳は、それでも何処か安心した様子であった。
そんな永琳を背に退室したレミリアは長ったらしい廊下を歩き、やっと玄関付近に到達した辺りで、何処か見覚えのあるセーラー服を発見する。ついでにその背にある翼を見て、誰だか即座に察した。
「幻月……だったかしら」
「あァん?」
実に柄の悪い返事と共に、不機嫌そうな顔が目に入る。最近霊夢にこき使われているのは知っていたが、レミリア自身はあまり幻月の事を知らない。自然と両者は距離を開いたまま対話を始める事となる。
「……真っ赤な館のオジョウサマか。どうした? 迷子にでもなったのかァ?」
「そうね、この屋敷は無駄に広くて迷いそうになる」
「そォだな」
幻月の喧嘩腰に少し空気が張るが、共感する話題が出たことで直ぐ様鳴りを潜めた。一応、永遠亭がだだっ広いのは輝夜の能力による物だ。と言うことは二人とも知っているようだが……
「で、お付きのメイドはドコ行ったンだよ」
「咲夜はお留守番よ。忙しいからね」
「そォかよ。一人だとアブねェ大人に絡まれても知らねェぞ」
「何なら代わりのメイドでもやる?」
「舐めてンのかよアァ!?」
「貴女口は弱いのね……」
堪忍袋がいつも口を開けているような気性の荒さを目の当たりにしたレミリアは、目の前のセーラー悪魔に悟られぬように小さく溜め息を吐いた。
しかし幻月も長く生きた身。相手が何を考えているのかは分かっているので、変に食って掛かるのはやめて普通の会話を試みる事に。
「……で、怪我はどォなんだ?」
「え?」
「テメェのだよ。お姫様にヤられたンだろ?」
「ああ、まぁ。傷は塞がったけど」
本調子では無い。と伝えるまでもなく、幻月はレミリアの体調を既に感付いていた。多分、居候させてもらっている霊夢が体調管理に無頓着なせいで、幻月のみがどんどん知識を付けていったのだろう。
尚、夢月の方は健康の知識は多く持っているものの、それが向けられるのは姉の幻月のみ。霊夢に関しては気遣う素振りすら見せないので論外。
「そう言えば」
忘れていたとばかりにレミリアが口を開く。
「貴女は何でここに?」
「ん~、あァ」
幻月すら忘れていた。自分の事だろうに。
「怪我してンのはこっちもだからなァ。薬師が「診せろ」って脅すもんでな」
「随分物騒な薬師ねあいつ」
「実際、月でも中々の実力持ちだとサ。面倒臭ェから戦おうとは思わねェが」
「あら、霊夢から『喧嘩バカ』って聞いたけど」
「情報どォ~も。今日のメシは肉無しにしてやる」
今日の食事当番によって、献立が炒め物から野菜スープに変更された。霊夢は自業自得と言うべきなのだろうか。
蛇足だが、幻月の料理のレパートリーはかなり広い。これは夢幻館で一緒に住んでいた幽香が、海外に居た経験から様々な料理を会得していたのを間近で見ていた事から来ている。
何故海外に行ったのかは、太陽の畑で向日葵をこれでもかと咲かせているのが理由。結局花が大好きなのだ。
「ま、応急手当した奴が便利だったからなァ、問題無ェよ」
「……誰なの? 玉兎?」
「オゥ」
「へえ。会いたいものね」
「そうかそうか、なら神社に来てみろ」
「えっ?」
幻月はニヤニヤと笑いながらレミリアに教えた。
「連れて帰ってきたンだよ」
「……はは」
その言葉を聞いて、レミリアは柄にもなく神様とやらに祈った。
『どうか、その誰かさんが非常食になりませんように』と。
「……って幻月から聞いたけど」
「ほー、」
ちなみにだが、喧嘩バカの下りは当然聞かされていない。今日の献立を知った霊夢の反応が気になる所だが、それを知れるのは夢幻姉妹とどこぞの鬼。あと、あわれな非常食が一匹のみ。
そして魔理沙だが、ここで当然のリタイア。やはり諏訪子の逆鱗に触れてただでは済まなかったらしく、今は洗濯物と一緒に引っ掛けられている。魔理沙のへるぷみーを聞こえないふりしつつ、実に平和な会話を霊夢は堪能する。
「で、他は?」
「……んー、やっぱり藍色かねぇ」
「やっぱり聞く?」
「当たり前だろう、月の話聞いてる途中から気になってたよ。明らかに様子がおかしいじゃないか」
それに関しては神奈子に限らず、誰しもが気になっていた事だ。
「実は藍色に関しては、私もちょっと分からないのよ」
「ん? そうなのかい?」
「ただ紫から聞いた所によれば、なんかまだ月に居るらしいって事?」
「なんだい。帰ってきたんじゃなかったのか」
「正確には、帰ってきてすぐにとんぼ返り……って感じだけど」
腕を組み、ふうとため息。博霊の巫女にもまだ伝えられてないとなると、幻想郷全体にもまだ情報が来ていないのだろう。
「何かあったのかねぇ」
「確実にあるわよ。勘じゃなくて」
霊夢が断言する材料は、既に揃っている。目の前の神二柱は次の言葉を待つべく、柄にもなく正座をしてみる。足が痛い。
「多分皆知ってるけど、藍色は『眠らない妖怪』よ。朝から晩まで起きてるし気絶もしない、しても仮死状態になるだけ。それすら意識を保つ程に徹底してね」
ある程度は霊夢も目撃しているし、どこぞの文屋は特に藍色の情報をよく回してくれた。様々な所を回って、とんでもない出来事に出くわして、最後に嵐みたいに去ってゆくその一行の話は実に退屈しなかった。
そして、退屈しなかったからこそよく覚えている。そこから必要な情報を抜き取り、彼女は続ける。
「妖怪ってのはその生きざまをとにかく貫く物よ。天の邪鬼は反対の事をして、覚は心を読んで、鬼は戦い人をさらう。藍色も妖怪と言う枠に入るから、眠らないのが生きざまとしたらそれはもう、何がなんでも眠らないのが当然」
そう言う生きざまに反した生き方をするのは実に困難で、仮にそうした場合何かしらの不都合、欠陥は現れやすい。これに関してはさとりとこいしの関係が当てはまるかもしれない。
覚であるこいしが第三の目を閉じた結果、その存在は限り無く希薄になり、姉のさとりにすらも理解されぬ孤独な妖怪となってしまった。妖怪にとってはそれほどまでに、自らの生きざまを否定するのは問題の多い事なのだ。
「でも、ここ最近からあり得もしない行動が増えてきた。眼を擦る、ボーッとする、突然倒れる……」
「ああ、確かに聞いたよ」
「……あと、明確なのは欠伸よね」
欠伸。これをする理由なんぞ、退屈な時か眠い時の二択しかない。しかし藍色が欠伸をした場面は、言伝ての限りではそう退屈な場面ではない。
「詰まる所、藍色と言う妖怪の生きざまに変化が来ているのは間違い無いのよ」
「じゃあ、それは一体何だろう? 神奈子分かる?」
「分かる訳が無いじゃないか」
「その辺りは、月の姫様と紫のお話待ちね」
「ほう、あの二人が」
「あ、訂正するわ。豊姫と、紫と、ルーミア」
「……あいつも居るのか」
さも当然のように、賢者の会話に混ざる宵闇に思わず苦笑い。三人寄れば文殊の知恵と言うが、果たして文殊が三人寄ればどうなるのか。
「後は紫の帰り待ちかしらね」
「呼んだかしら」
「ひゃあああっ!?」
突然開いたスキマから伸びた扇子が、霊夢の背中をつつつとなぞる。思えば、こうやって普通にスキマを使っているのは久し振りに見たかもしれない。
「い、いきなり何するのよ!? ってかどーやって結界越えてスキマ開いてるのよ!」
「豊姫の本来の能力を使って、月と幻想郷を繋げたのよ。もう争う理由も無いし、同盟結んでちょちょいとね」
「やけに軽いね」
「これくらい軽い方が世渡りは楽よ」
さておき、と紫はスキマから身体を引っ張り出した。尚、霊夢は無理矢理どかしてしまう。
「で、話し合いの結果は?」
「あら、聞きたいのね」
「とーぜん」
「良いけど、面白くは無いからね」
やけに暗い顔をしながら、紫は言った。一体どのような話が展開されるのか、二柱と一人プラス一人は多少身構える。体勢はどうしても身構えられないのが一人居るが、まあ良いかと紫は口を開いた。
「あの子が、ついに……」
皮肉、と言うべきなのだろうか。
かつて、あれほど異変を起こすと追いかけ回した相手を巡って。
正史とは外れた幻想郷に、大きな異変が迫っていた。
どうも、空椿です。
明けましておめでとう御座います。
2015年、どのような年になるでしょうか? 皆様にとって良い年になるように願います。私自身は健康であればとりあえず生きれます()
さて、年越し投稿に当たって突っ込み所のある私。
月面戦争の際に出てきたスペルカードのまとめは、まだ出来ていません。なんと言う体たらく。
言い訳としては、それらの説明を上手いこと纏められずにズルズル来てしまった事ですね。私は文章を綺麗に出来ない人間のようです。今更ですね。
前年は本当に投稿が少なく、未熟な部分のある小説とは言え皆様をお待たせしてしまい、大変申し訳無く思いました。今年からは執筆速度の上昇が出来るよう、あまりやらなかった事に手をつけて行きたいと思っています。
例えば、クリスマス番外編のような番外編の執筆。気分転換と言う理由ですね。今の今まで触りもしませんでしたが、これからは時々書きたいと思ってます。こっちの作中には上げず、活動報告で書きますけど。もし要望などあれば纏めるページを作りますけど。
と言うわけで、コレにて。良いお年をノシ