第九話 散々な朝
俺はぼんやりと目を開けた。
何か、背中の方に大きな衝撃を受けたような……。
それに、いつもより、天井が高い気がする。下もなんだか固くてゴツゴツしてるし。
痛い、のか? 寝ぼけていてよく分からない。
まあいいか。まだ暗いし。明日起きてから考えよう。
――俺はまた、夢の世界に逆戻りしていった。
「ジリリリリ……」
目覚まし時計が鳴っている。止めなくちゃ。
そう思い、起き上がろうとすると、身体中に激痛が走った。
「いったあああああああああ!」
「んもう。朝からうるさいなあ。せっかく熟睡してたのに」
上から彼女の声が降ってきた。
ん? 上から?
「お前どうしてベッドに寝てるんだよ」
「だってさあ。乙女が床で寝るなんてありえないじゃん。何回揺すっても起きないからさあ、床に突き落としちゃった。てへっ」
夜中に感じた衝撃は、それだったのか。
しかも、人の事突き落としておいて、『てへっ』は無いだろ『てへっ』は。
「突き落とすんじゃねえよ、馬鹿ぁ! おかげで、えらい目に遭った。このまんま一生動けなかったらどうしてくれるんだよ」
俺が怒っているのに対し、彼女は涼しい顔で、
「大丈夫、大丈夫。だって、二年後のお兄ちゃん、今以上に元気だから」
と言う。
「いや。そういう問題じゃないから」
「え? じゃあ、どういう問題なのさ」
お願いだから、それは聞かないでくれ。朝から、子供に付き合ってる暇はねぇんだよ。
そう答える代わりに、俺は言った。
「おい。お前、湿布取って来い。ついでに、朝ごはんもくすねて来い」
「はあ? 何であたしが?」
「当ったり前だろ。お前のせいでこうなったんだ。その代償はきっちり払ってもらうからな」
「はいはい。取ってくりゃいいんでしょ。取ってくりゃ」
彼女が小声でブツブツ文句を言う。
「お前さ。調子に乗ってると、家から追い出すからな」
そこまでされるのはさすがに嫌なのか、彼女は、へいへい、と部屋から出て行った。
あぁ。また今日も散々な一日になりそうだぜ。
でも、今日が休みの日でよかった。学校がある日だったら、どうなっていた事か。
俺は、深い溜め息をついた。
やっぱり、彼女が居ないなんて事はありえなかったなあ。
大分、更新が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
書くうちに、コメディーでは無くなっているし、書けないしで、散々です。
アドバイスお願いします(泣)