第十八話 失踪?2
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読んで下さっている皆様のご期待に副えるよう、頑張っていこうと思います。
「工美が居なくなった、って言った?」
俺の声は、自覚出来る程震えていた。
「どうしよう、祐哉。お母さん、何すればいいの?」
母さんは、パニックになっている様で、いつもより早口になっていた。
「今どこ?」
俺の口が勝手に動いた。
「いつも行ってるデパートだけど。どうするつもり?」
母さんが怪訝そうに言う。
「今から行くから。入り口の所で待ってて」
「あ、ちょっと待っ……」
俺は、母さんが言い終わる前に、電話を切った。
あのデパートなら、なんとか歩いていける距離だ。急いで上着を羽織ると、ダッシュで母さんの待つデパートへと向かった。
「お待たせ……」
母さんは、デパートの入り口の所に居た。そこに俺が着いたのは、家を出てから五分も経たない時間。さすがに無理しすぎたのか、息は絶え絶え、汗はだらだらだった。
「祐哉! 本当に来てくれたのね」
母さんの顔が輝く。しかしそれは、一瞬の事で、すぐに不安げな表情に戻ってしまった。
「工美ちゃん、どうしちゃったのかしら。お母さんが『工美ちゃん、このお洋服どうかしら』って振り向いたら、もうそこには居なかったのよ。ほんの数秒前には、すぐ後ろに立ってたのに……」
「ちゃんと探したの?」
「探したわよ。数秒でそんなに遠くに行くとは考えられないから、立ってる位置から肉眼で見える程度でだけど」
確かに数秒で移動できる距離は限られている。いくら足が速い人でも数秒でフロアを移動する事は不可能だろう。
「どうしようか……」
俺たちは、呆然と立ち尽くすばかりだった。
一体、どれだけの時間が経っただろう。ふいに母さんが呟いた。
「こんな所で立ってたって、何の意味も無いわ。さあ、帰りましょ」
「え、でも……」
「工美ちゃんも家に帰ってて、すれ違いになったのかもしれないし。ね、だから帰りましょう」
母さんは、そんな事は絶対にありえないだろう、という顔をしていたが、俺は黙って頷いた。母さんが俺に気を使って言ってくれているような気がしたからだった。
「それじゃ、帰りましょうか」
母さんが歩き出す。俺もそれに合わせて足を踏み出した。
家に着くまでの時間、二人は何も話をしなかった。いや、出来なかったと言った方が正しいのかもしれない。
何気なく、空を仰ぐ。
夕方の色と夜の色が交じり合って、何とも言えない雰囲気を醸し出していた。
間があいてしまい、すみませんでした。
ストーリーというか、描写が上手に出来ませんでした……。なんとかまとまったのですが、表現がおかしいなどというご指摘、いつでもお待ちしております。