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第十五話 河田家の夕食

 トントントン。

 小気味良い音が、この部屋まで聞こえてくる。

「今日の夕飯は何なんだろうなあ」

 誰にとも無しに俺は呟いた。


 ここは、数分前の悲惨な状態から一転した俺の部屋。簡単に言ってしまうと、母さんはわずか数分という時間であの汚い部屋を片付けてしまった、という事だ。

 そして母さんは今、彼女と一緒に台所に立っている。

 恐るべし主婦パワー。俺は母さんという存在を少し見直した。


「ご飯出来たわよ」

 下から母さんの声が聞こえる。

「うん。今行く」

 返事をしながら時計を見ると、まもなく七時という頃だった。

 俺は読みかけの本にしおりを挟むと、二人が待っているであろう居間へと降りていった。


「今日は工美ちゃんも手伝ってくれたのよ」

 母さんが笑顔で言う。

「お待たせ」

 そう言って鍋を抱える彼女は、俺と一つ違いとは思えないほど大人びて見えた。

「あ、すぐ盛るからね」

 母さんが皿を出し、彼女が鍋の中の物を盛る。

 俺の居ない間に何があったのだろうか。二人の打ち解け具合に戸惑いを感じつつも、俺は盛られていく液体に、何気なく目をやった。

 それを見た俺は、目を見開いた。何なんだこれは。

 一見、カレーの様に見えるがそれにしては妙な物が入りすぎている。カレー色の液体に浮かぶ物体は、どうやら俺が今日買ってきた物らしい。もっとも、切ってある上に色まで付いているので断言は出来ないが。

「はい。母さんと工美ちゃんが作った、特製シチューよ」

 目の前にドーンと置かれる皿。角度を変えて見てみるが、どう見てもシチューには見えない。

「母さん。どっからどう見たらシチューになるの? カレーって言われたら、まあ納得出来ないことも無いけどさ」

 俺は疑問を口にする。

「あのね、祐哉。シチューはシチューでも、ビーフシチューってもんがあるのよ」

 母さんは溜め息をついた。

「でも、見た感じ牛肉入ってないよね。しかも、カレーの匂いするし」

「……」

 沈黙。重い空気に堪えきれなくなったのか、彼女がわざとらしい明るい声で言った。

「さ、早く食べようよ。早くしないと冷めちゃう」

「うん、そうね。早く食べましょ」

 おい。さっきの俺の突っ込みは無視かよ。

「祐哉もゴチャゴチャ言ってないで、食べなさい。ま、食べたくないんなら別にいいけど」

 ……食べたい訳じゃないが、さっきからお腹がグルグル鳴っている。食べ物にありつける、絶好のチャンスだ。空腹を満たさない訳にはいかない。

「いただきます」

 意を決し、カレー色の液体を口に運ぶ。そして一言。

「まずい」

 一体何が入ってるんだよ。この液体(シチュー)には。

 さっきの一口の中にも、シチューには入るはずが無い、バナナだとか、きゅうりがあったぞ。

「まずいのかあ。残念だなあ」

 母さんが、自分の皿の中身を鍋に戻しながら言った。そういえば、その隣にも同じ事をしている彼女が居るな……。

 って事は、俺って――

「毒味役かよっ!」




 結局、この日の夕食は、ご飯に納豆をかけた、シンプルかつ安全な納豆ご飯でした……。

どうも、話が進まないですね。。。十五話目にしてやっと、工美ちゃんが来てから二日目の夜です(遅っ


更新スピードを上げたいのですが、脊髄反射で書いてるもんで、最近どうも調子が悪くて……。要するに、ネタ切れなんですが(苦笑


どうかorangeを応援してください。コメントだけでも良いので、よろしくお願いします。


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