「復讐」最終話
いよいよ卒業式。
長ったらしい
卒業証書授与が終わり、
次は卒業生徒による
合唱である。
指揮・伴奏が位置に着き、伴奏が最初の
1音を弾いた瞬間
「今だ!!」
スイッチを押した瞬間
準備した通り体育館の
電気は消えカーテンは
閉まり体育館は
暗闇に包まれた。
こんな仕掛けを
作れるなんて彼は
どれほどすごいんだ
本気でそう思った。
予想外の事に体育館中が
ざわついていた。
ボクは体育館ステージに
向かい、立った。
ステージの光が
ボクを照らした。
ざわつきは収まり
全校生徒の目が
ボクに向けられた。
「お前のせいで…
お前のせいで、
ボクたちの人生は
めちゃくちゃに
なったんだ!!!」
自分でも分からない
くらい大きな声が
出た気がした。
「お前さえ………
お前さえいなかったら
良かったんだ
お前なんか………
消えちまえー!!」
そう言った瞬間だった。
先生2人に
取り押さえられた。
必死に拘束を
振りほどこうとした。
だけど無理だった。
大人2人の力に
太刀打ち出来る訳が
無かったのだ。
無理矢理体育館の外へ
連れていかれながらも
ボクは叫んだ。
「お前なんか…
死んでしまえー!!」
その声が体育館中に
響くと同時に
ボクは意識を失った。
その後は
何があったか
全く覚えてない。
気がついたら
家にいた。
何か、虚しい…
不完全燃焼、
とでも言っておこうか。
しばらくボーッと
していると唯一の
友達が家に来た。
「大丈夫!?」
チャイムも鳴らさず
大声で近寄る彼。
礼儀のかけらも無いと
言ってやりたかったが
空気を呼んで
「ああ。大丈夫さ」
と答えた。
「ん?」
よく見ると彼の顔に
大きなアザが見えた。
「これ…どうしたの?」
恐る恐る聞いた。
「え…?
あぁ、何でも無いよ
ちょっと転んじゃって」
嘘だ。
すぐに嘘だと分かった。
「あいつに………
やられたのか!?」
聞いてみた。
感情が高ぶった。
「うん…
『今日の卒業式の
件にお前は関係してる』
っていきなり…」
予想通りだ。
いっそあいつを
殺してしまおうかと
思ってしまうほどの
怒りに襲われた。
「あいつはどこだ」
「え?」
「あいつはどこだと
聞いているんだ!」
「た、多分まだ
学校だと…」
学校と聞いた瞬間
走り出していた。
学校に着くと、
やはりあいつはいた。
また、気の弱そうな
やつをいじめていた。
「てめぇ…………
まだそんなくだらない
ことやってんのかぁ!」
あいつの元に
全速力で向かった。
そこからは
何も覚えていない。
気がついたら
あいつを含め
20人ほどの人間が
倒れていた。
「俺が…やったのか?」
まぁ良いや。
これで、
ボクたちの復讐が
終わると思うなよ
今日も、
ボクたちは復讐する。
人生を変えるために。