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「復讐」第5話
準備といっても
大したことはしない。
ボクの学校には
東、西、南、北と
4つの玄関がある。
一番人通りの少ない
南玄関のガラスを割り
行き慣れた学校へ
足を踏み入れた。
ほぼ毎日通っている
この学校が、何か
違う建物に思えた。
真っ先に「あいつ」が
いっつもいる
教室へ向かった。
お前のせいで…
あいつの机を
蹴り飛ばしたかった。
そんなことしている
場合じゃない。
自分に言い聞かせて
体育館へ向かった。
彼はもう準備を
終えていた。
全ての準備が終わり、
学校の外に出て
卒業式を待つ。
「いよいよ…だね」
彼がボクに言った。
「ああ」ボクは答えた。
しばらく無言が続くと
ついに学校の門が
正式に開いた。
「じゃ、行くか」
拳を合わせた後、
お互いの教室に
向かっていった。