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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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122/187

第122話「天より降りし光」

東京湾――


白銀の光はなおも海上へ降り注いでいた。

しかし、その光は攻撃ではなかった。

まるで何かを伝えようとしているかのように、静かに脈動を繰り返している。

デウスは、その光から目を離さなかった。

「……。」

アメスが静かに尋ねる。

「この結晶は何なのですか。」

デウスは少しの沈黙の後、口を開く。

「能力を生んだものではない。」

「……?」

「能力が生まれた"証"だ。」


その頃。


名取家

地下祭壇。

石板に新たな文字が浮かび上がる。

惣一は息を呑んだ。

「これは……。」

夢幻と刹那も石板へ駆け寄る。

そこには、これまで誰も読めなかった一節が刻まれていた。

『遥か昔。』

『天は世界を白き光で覆った。』

『その光は、人を滅ぼさず、人を変えた。』

惣一は静かに読み進める。

『子へ。孫へ。』

『その力は血と共に受け継がれる。』

刹那が呟く。

「血と共に……。」

夢幻も石板を見つめる。

「能力は遺伝だったのか。」

さらに文字は続く。

『後の世、人々はそれを神の奇跡と呼ぶ。』

『だが、それは神ではない。』

『天より降りし光である。』

惣一は静かに目を閉じた。

「神話ではなかった。」

「実際に起きた出来事だったのか。」


東京湾

デウスは同じように結晶を見つめていた。

「遥か大昔。」

「史上最大の太陽異常現象が起きた。」

その一言に、アメスが目を見開く。

「太陽……。」

デウスは静かに答える。

「世界中へ降り注いだ未知の粒子。」

「それが能力因子となった。」

グランは腕を組む。

「つまり。」

「能力は神から与えられた力じゃねぇってことか。」

「そうだ。」

デウスは静かに答える。

「人類は。」

「偶然、生き残った。」

マランも結晶を見つめる。

「じゃあ……。」

「これは。」


「その現象を記録し続けてきた媒体だ。」

「能力そのものではない。」

「その後、人類は古代のロストテクノロジーを使用し能力を圧倒的なものに進化させた。それこそが、古代遺跡や石版に残されている何よりの証拠だ。」


その頃。

GENESIS内部

「ハァ……ハァ……。」

レイと一仁。

二人とも満身創痍だった。

施設は崩壊寸前。

一仁が笑う。

「まだ終わらねぇぞ。」

レイも拳を握る。

「終わらせる。」

ソウヤの意識が重なる。

『レイ。』

(分かっている。)

(あと一撃だ。)

二人は最後の構えを取る。


ハルシオン艦橋

ベルトがレーダーを見る。

「艦長。」

「白銀の光が弱まっています。」

フランは静かに頷く。

「役目を終えたんだ。」

「役目?」

「大昔の出来事を。」

「現代へ伝えるために。」

ベルソルトは驚いた表情で光を見つめる。


その時だった。


結晶の内部から、一筋の光が空へ放たれる。

夜空いっぱいに映し出されたのは――

遥か昔の地球。

文明のない大地。

その空を覆い尽くすほど巨大な光。

世界全体を包み込む眩い閃光。

誰も言葉を発しない。


アメスも。

グランも。

マランも。

ネリクマも。

フランも。

ベルソルトも。


ただ、その光景を見つめていた。

デウスだけが静かに呟く。


「これが。」

「すべての始まり。」


映像はそこで途切れる。


そして白銀の結晶は、静かに輝きを失っていった。


しかし――


地下ではなお、レイと一仁の最後の激突が始まろうとしていた。


二つの戦いは、ついに同時に終局を迎える。


第122話 完

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