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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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120/182

第120話「核、覚醒」

ドクン――。

ドクン――。


東京湾を包み込む白銀の光は、ついに夜空を昼のように照らした。


オールドマンは息絶えた。


しかし、誰一人として勝利を喜ぶ者はいない。

デウスは静かに倒れたオールドマンへ視線を向ける。

「……終わったな。」

アメスも小さく目を閉じる。

「彼もまた、真実を追い求めた者でした。」

グランは鼻を鳴らす。

「くだらねぇ。」

「真実なんざ知る前に死んだ。」

マランだけは地下から伝わる異様な気配を見つめていた。

「……来る。」


その瞬間。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


崩壊したGENESISが大きく沈み始めた。

「何ッ!?」

フランが立ち上がる。

ベルトはレーダーを確認する。

「地下構造が完全に崩壊しています!」

「施設全体が沈みます!」

フランは即座に命令を下した。

「ハルシオン、後退!」

「イーゼルも距離を取れ!」

「護衛艦隊を巻き込むな!」

「了解!」

巨大戦艦ハルシオンとイーゼルは同時に後退を開始する。


その直後だった。

ズォォォォォン!!!

海面を突き破り、白銀の光柱が天へと突き抜けた。

巨大な水柱が東京湾一帯を覆い尽くす。


GENESIS内部

「崩れる!」

タジが叫ぶ。

「全員脱出だ!」

イレイダは結衣たちを先へ押し出す。

「走れ!」

しかし。

ソウヤは一仁から目を離さない。

一仁も笑みを浮かべる。

「逃げるか?」

「いや。」

レイは静かに拳を構えた。

「お前を倒してからだ。」

「ハハハッ!」

一仁も拳を握る。

「最後まで付き合ってやる!」

崩れ落ちる施設の中。

二人の戦いはなお続いていた。


東京湾

デウスは白銀の光柱を見上げていた。

「……。」

アメスが静かに尋ねる。

「知っているのですか。」

「少しだけだ。」

デウスは短く答えた。

「だが。」

「あれは、人類が扱っていいものではない。」

その言葉を聞いたグランが笑う。

「だから面白ぇんだろ。」

「……。」

デウスは何も返さない。


上空

異空間の裂け目。

そこから戦場を見下ろす覇者の集い。

七人は依然として動かない。

ゼゥテルが静かに目を閉じる。

「核が目覚めた。」

ネフィが小さく息を吐く。

「ついに、この時が来ましたか。」

マオンも呟く。

「まだ我々の出る幕ではない。」

誰一人として戦場へ降りない。

彼らは傍観者。

ただ、世界の行く末を見届けるだけだった。


その頃。


名取家

地下祭壇。

石板の文字が、ついに最後の一文を刻む。

惣一は静かに読み上げた。


「……『天の光により目覚めし力。その源が再び目覚める時、世界は新たな時代へ踏み出す。』」


刹那が息を呑む。

「能力の起源……。」

夢幻は石板へ手を添えた。

「まさか本当に存在したなんて。」

惣一は静かに振り返る。

「東京湾へ向かう。」

「ここから先は、俺たちも傍観しているだけでは済まない。」

刹那と夢幻は力強く頷いた。


そして。


東京湾

光柱の中心。

白銀の核は完全に殻を失っていた。

その中心に浮かんでいたのは――

人でもない。

機械でもない。

ただ、白く輝く一つの結晶。

デウスは、その結晶を見た瞬間だけ表情を変えた。

「……そういうことか。」

アメスが問いかける。

「何なのですか。」

デウスはゆっくりと答える。

「能力は。」

「ここから始まった。」


東京湾に静寂が訪れる。


能力者たちが追い求めた真実。


その"始まり"が、ついに姿を現した。


第120話 完

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