表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/25

プロローグ

 誰かの視線を感じた。

 けれども振り返っても誰もいない。

「ねえ、どうしたの?」

 キョロキョロとする隣にいた彼女が僕の心配をする。

「いや、何でもない」

 そう、何でもないはずだ。

 そうやって心に言い聞かせて僕らは街中を行く。

 ふいにカアッと鳴き声が聞こえた。

 カラスだ。

 何処にでもいるようなカラス。

 けれども僕はその鳴き声に背筋に寒いものが走る。

 僕は体を抱え、震えていた。

「ねえ、本当に大丈夫?体調悪いの?」

「ああ、もしかしたら少し風邪をひいたかもね」

 そんな僕の嘘を彼女は真に受けて、今日の献立の提案をしてくれている。

 奴らの視線に気づかずに。

 街路樹に止まっている黒い塊は確かな意思をもってそこにいる。

 僕達を監視している。

 それは被害妄想じみているのかもしれない。

 けれど、そう思わずにはいられないだけの経験を僕はしている。

「ねえ、鍋とかよくない?栄養がいっぱい取れて、風邪によさそうな気がするし」

「そうだね」

 僕は木の上のカラスを睨みつける。

 その視線に気付いたのか、

「何?カラス見てるの?昂司って鳥好きだったけ?」

「いや、大っ嫌いだ」

 僕はカラスに投げつけるように言い放つ。

 そんな様子がおかしいのか、彼女はくすりと笑うのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ