第五章 表裏一体、そうでありたい。
こんちは。もはや存在してるかわからない人、牡蠣原です。今回もネタがなくなりかけたり、突発的にネタが思いついたりして遅れ遅れで投稿です。こんな僕の作品を見てくれている人がいると思うとなんか嬉しいです。感謝の気持ちを乗せます。あざっす。今回はすこーし危険な橋渡るかもしれません。楽しみにしてください。それではどうぞ。
それからもどんどん面接を行っていき、定員であった15人までに人数を絞り込み、面接を終えた。
「いやー、終わりましたね!」とけのびをしながらフリットが言った。
「疲れたー。ところでバードさん」とガーベラが質問をする。
「ん?なんだ?」
「この会社って主に何するんですか?」
「ああ、言い忘れていたな。この会社は…」
「はい」
「街金だ」
「「え?」」と2人が驚いた。
「ま、街金ですか?」
「ああそうだ。一定金額までの融資を行い、期限までに貸した額の大体2%〜3%を利子としてプラスで返してもらって自分たちの売上金とする。これが街金のシステムだ」とバードが丁寧に説明した。
「いやいや、大体システムはわかるんですが、え?本当に街金やるんですか?」とガーベラが慌ただしく言うがバードにはなんの問題もない。なぜなら...
「大丈夫ではある。なんせ、金はいくらでもあるからね」と軽く流した。
「そして、前フリットからもらったプランシートの中に、似たような内容が書かれてあったからね、丁度いいと思って」と言った。
フリットは以前、バードに言われた「夢を具体的に表現しろ」ということを実践し、実際に紙に書き出してそれをバードに提出していた。その中の一つに「困っている人にお金を行き渡らせたい」という内容があったことを見て、この案が思いついた。
「いやいや、お金を行き渡らせたいとは書きましたが、いくらなんでもこんなやり方じゃあ…」とフリットが言葉を濁すが、そんなこと今更言われても、みたいな顔でバードは受け流した。
「まぁ、見とけって。自分たちはしんどいかも知れないけど、仕事ってちょっと苦労するぐらいがいいんだよ」と宥めるバードにガーベラが質問した。
「まぁ金輪際やることはもうどうでもいいです。ですが僕らはどうやって身を守ればいいんですか?ほらだってここって悪の根城って言っても過言じゃないウェリンストン通りの中心じゃないっスカ。いくらなんでも僕はまだしもフリットみたいな馬鹿にはきついっスよ?」
「おい、ガーベラコラァ、ここでも地面に手つきたいか?」
「なんか武器あった方がいいと思うんですよね」とガーベラが流して話した。
「そうだな…俺は全然平気だけど、お前らはきついよな…わかった。それも準備しておく」とバードが答えた。
「ありがとうございます」
とまじめな顔をして答えるガーベラにネチネチくっつくフリット。そこにアシュリーが合流した。
「お疲れ様。疲れたでしょ?はいこれ、今日北野さんのところでお弁当もらってきたから、みんなで食べましょ!」
「あ!北野さんのところのやつだ!美味そ〜」
「北野?バードさん、ご友人ですか?」
「ああ、古い友だよ。町のちょっと外れたとこで割烹店やってる奴だ」
とバードが言うと、ガーベラが驚いた顔でバードを見た。
「え、北野ってあの伝説の何でも屋『北野智弘』でスカ⁉︎」
「何でも屋かどうかは知らないが…まぁ、名前はそうだ」
「北野さんが何でも屋やってる時代を知らない人の方が多いぐらいですよ!」
「ほぅ…?というと?」とバードが疑問を持ったので、ガーベラは北野が作った弁当のだし巻き卵を口に放り込んで話した。
「北野智弘、何でも屋であって、エアコンの修理や家事の手伝いなどの雑用はもちろん、ある一定のお金を払えば人殺しもやってくれるとんでもない人ですよ。今は何でも屋を引退してどこかで隠居してるらしいですけど、割烹なんてしてるんですね」
「ふむ、北野が何でも屋ねぇ…俺が本当に小さい時からあいつとは知り合いで、唯一の古い友なんだが、そんなことしてる時あったかな…」とどこか引っかかるバード。
「え?それはどう言うことですか?」とフリットが話に割り込む。
「と言うのも、あいつ俺と一緒にこっちに来てすぐに店をやるって言い出したんだ。その時から俺はお金には余裕があったから融資してやって、今もやってるその店に行ったんだよ。しかも味がいいからって、三年は予約が取れない人気店に一瞬でなったから、そんなことやる暇あるかなって思って」
「はぁ…なるほど、確かに不思議ですね」とフリット。
「まぁ、別に今そうじゃないんだったら俺はどうでもいいけどな。よし、再開するぞ」とバードがみんなに呼びかけた。そして北野の真偽が晴れないまま、その日は書類をまとめて家に帰った。
家に帰った日の夜、バードはベッドの上に転がり、考え事をしていた。
(ここから新事業が始まるが、それはいいとして、ガベが言ってたあれは本当なのか?ただの噂話ならいいが…)と深く考え事をしていると、部屋に誰かが入ってきた。
「誰だ」 「うち」 「そうか」 「どうしたの?」 「少しな。考え事だ」 「そう。張り詰めすぎないでね」 「わかってる。適度に発散するよ」 「発散…」 「どうした?不満げな顔で」 「今日…だめ?」
「何がだ」 「…そのくらいわかってよ」 「あぁ…そういうことか」 「だめ?」 「あれは自分の理性がなくなる」 「なくなっててもいい。そうだとしてもそっちイきたい」 「…知らんぞ」 「うん」
「自己責任だぞ」 「いいよ」 「…来いよ」 「うん。大好き」 「俺もだ」
ここからは、読んでいる人たちの想像にお任せしたい。お任せしないと色々まずいかもしれないから。
ージガドタウン某所ー
「ターゲット確認。目標時刻に討伐予定」
男は電話で相手と通話していた。
「OK、じゃーあ、3、2、1…どっかーん!」
と相手が言った瞬間、大きな銃声が『バン!』と狭い路地に鳴り響いた。狭い路地裏にいた男が1人倒れた。
「ターゲット討伐。任務完了だ」
「あっりがとー!あとで報酬は受け渡すねー。いやー、何でも屋は仕事が早くて本当に助かるよー。さすが凄腕スナイパー」
「どうも」
「そうだ!今度飯でも行く?美味しいとこ見つけたんだよねー」
「そんなことしてる暇も無ければ、別に他の人と深く関わる必要もない」
「相変わらず薄情だねー、このクラッピ様がお金出して指示してやってんのに、ねぇ
ー ーグリンガムこと、北野くん。ー」
「金があればそれで良い」
「ふーん、つまらんやつじゃの。じゃあ次言ってた人殺してくれる?名前は…花組ってとこの総長だとか言ってる…誰だっけ?」
「ガーベラ」
「そうそうガーベラ!そいつ殺してくれる?」
「…何のために」
「あんたが心の内明かさないならいーわない」
「…了解。また後日連絡する」
「はいよー、生きてろよー」
とクラッピと北野の会話が終わった。北野は隠れ家に戻り、ガーベラの情報について再度確認し直した。一方のクラッピは自宅の宮殿にある玉座に深々と座り込んで、赤ワイン片手に高笑いをしていた。
「クラッピ・イグニー」バードと並ぶ世界四大権力者の1人で、「斡旋舎」という会社で累計百人以上もの部下を抱える。彼女の家系は代々、邪魔者はどんな手を使っても排除することから「蹴落としのイグニー」という名をもち、彼女はそれを受け継いだ。
「北野智弘」本職は料理人、裏の顔はどんな案件でも早急に解決してくれる何でも屋。裏の名を「グリンガム」という。その北野に一本電話がかかってきた。クラッピとは違う番号のだが、やけに見たことある番号だ。
「もしもし、こちら何でも屋の…」
「こんにちは、北野さん」
「…なんで今やってるってわかったんですか?」
「えー?『今あなたたちが狙ってる子』って言えばわかるかな?」
「…!」
「えへへ、こう見えて情報通なのよ?舐めないでちょうだいね?」
「だが、こちらも仕事であって…」
「うるさいわね。こっちも可愛い"仲間"が殺されそうになってるのに、黙って見てる訳じゃないのよ」
「!?」
「あの人よりももっと色んなこと考えてるのよ」
「…また作戦練り直してみます」
「よろしくね、話せてよかった。」
「また割烹で会いましょう。 ーアシュリーさんー」
「ああ、あと無いと思うけどさ」
「?」
「うちの旦那とかその周りの可愛い仲間殺したら、あんたを追っかけ回して苦痛魔法で殺すから。絶対」
「!!そ、それはないと思います…」
「ならいいや、じゃあね」
「は、はい…」
と北野は少しの嘘をついて電話を切った。北野は冷や汗を流しながら考えた
(ガーベラはバードの部下になったのか…しかし、この仕事を引き受けてしまった以上、どうにかして完了したように動かさなければ。あの屑イグニーをどう騙すか…)
北野は深い考え事をしながら本職の職場に足を向けた。