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AとB 〜裏社会と始まり編〜  作者: 牡蠣原 蒼(かきはら あおい)
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第一話 自由の守護者

この物語を読んでくださりありがとうございます、牡蠣原 蒼です。ただの牡蠣が大好物なだけの作者です。小説を書いているので文系だと思われる方もいらっしゃると思いますが、実はバリバリの理系です。数学大好き。自分は元から物語系の小説を書くことが好きで、初めて長文小説を書いたのは小学校4年生の時です。その時にいろんな友達に自慢して回った記憶があります。文法は崩壊していましたが。怠け者なので投稿する頻度は激遅です。まぁ、無駄話はここまでにしておいて、本題に戻りましょう。このストーリーは元々最強である男主人公と、何か秘密を抱えている女主人公のタッグが織りなす、「絶対に何かが起こる」ストーリーです。サクセスストーリー嫌いの自分が作る、「最強」vs「最強」の戦い、ぜひじっくり堪能ください!

セルコート民主主義共和国に存在する大きな街「ジガドタウン」。人口約2億人を抱えるこの街は、交通のアクセスもよく、商業施設も充実、さらに託児場・こども園から大学院まで国が整備している。さらに繁華街の発展しており、その大きさは国内随一の大きさと言われている。しかし、この街にはどうしても切り捨てれない問題がある。それは「就業者問題」だ。人口はいるのにも関わらず、会社側や政府が「最低学歴は大学」「〇〇の資格所有者限定」という条件を取ることで雇用が限定され、その条件から漏れた人が、無職として裏社会を右往左往しているという問題だ。そんな表の顔と裏の顔をもつ街の一角にある森の近くにある屋敷に、2人の男と女が住んでいた。名は「バード・ヘルタイン」年齢不詳、鮮やかな赤の髪の毛をしており、右目は隠れている。普段はネルシャツに黒縁メガネ、濃いめのジーンズに黒のハイカットシューズを履いているが、修行をするときは全身道着を着て修行をする、謎だらけの男だ。そしてもう1人、名は「アリーナ・レッド・コプライン」通称「アシュリー」年齢は28、深緑の色をした長い髪の毛で、全身黒のパーカーで身を包んでいる。黒のパーカーの下は何も着ていない。とても小柄で、見習い魔導士であるが…

「アシュリー、そこにあるペンを取ってくれるか?」

「はいは〜い、どうぞ」

「ありがとう」

バードは何かを計画していた。その紙には

「・新事業計画 人員の募集 会社名 企業の方針」

と書かれていた。

「何しているの?そんな難しい顔して」

とアシュリーが尋ねる。

「いや、今自分がやりたいことを新たな事業として開発できないかなって思って」

とバードが答えると、

「あんた、まだ稼ぐ気⁉︎しかも危ない事じゃないのそれ⁉︎今でも十分お金あるでしょ!」とアシュリーが驚いた。

「いや、"アレ"は金稼ぎじゃない、ただこの世からいなくなればいい奴と消しただけだ。」とバードは答えた。実はバード、裏社会での地位はかなりトップ層で、「世界四大権力者」の1人と言われるぐらい力がある。

「自分がしたいのは、今恵まれていない人を助けることだ。そんな会社を作りたい」

「でもそんなことを一緒にやってくれる人なんているの?あんた、顔も知られているし、勧誘したとしても、ほぼおどしに見えるんじゃないの?」

「そ、そうかな...」とバードは弱い返事を返した。しかし、バードには当てがあった。

「まあ、あんたのことだし、あんたがしたいことやれば良いんじゃないの?」とアシュリーは否定せず、応援をした。アシュリーは基本的にバードの事業には首を突っ込まず、遠くから見守っているだけだが、、、

「でも、今回限りは私もその事業に入れてもらうよ」と強気だった。

「え、嘘でしょ?ただでさえ何があるかわからないんだぞ?そんなところにアシュリーを連れて行けるわけないじゃないか!」

「ほうら、ボロが出た。やっぱり危ないことね。大丈夫、私よ?こう見えて、数々の修羅場潜り抜けてきたんだからね」とアシュリーは語る。実はアシュリーもとてつもないのだ。

 ある地方で有名な一家「コプライン家」の下に生まれたアシュリー。日本でいう「皇族」のような存在で、由緒正しい一家であった。そんな一家で生まれ育ったアシュリーは、他の家族と同じように幼少期から高等教育を受けていた。ある日、アシュリーは(なぜ自分はこんなにも家族との距離を感じるのだろう?)と思い、実の母親に

「お母さん、どうしてこんなにも私と家族との間には隙間があるように感じるの?」と疑問を問いかけると、

「お母さんではなくお母様。あとその幼稚な疑問をするのはやめてちょうだい」と冷酷な回答が帰ってきた。その時アシュリーの琴線がプツンと切れた音がした。自分が悩んでいたものがわかったと同時にとてつもない怒りの感情が込み上げてきたのだ。

「そうよ!それ!その言い方!なんなの⁉︎そんな公私を分ける事のできない家族は嫌!」と言い出したことで家族と大喧嘩。それにより家族からの嫌がらせを受け、ついには家から飛び出してしまった。もちろん唐突に家を出て行ったため、お金も、服もない。あるのは自分の裸姿を見られないようにするためのパーカーのみ。行く当てもないアシュリーは何ヶ月か漂流した後、裏社会にどっぷりハマり、そこで自分の身体を売って生活をしていた。ある時は巨体に自分の体を押し潰されたり、ある時はネット上に自分を晒されたりした。とても嫌だったが「自分が生きていくにはこれしかない」、と自分に言い聞かせて日々を過ごしていた。家出して何年かたったある日のこと、体も心もボロボロになったそんな時に救ってくれたのがバードだ。バードは

「お前を7000シル(日本円で約7000万円)で買う。だからもうこんなこと二度とするな。この7000シルは護身用に取っておけ。」と話しかけたところから始まった。安い金で買われていたアシュリーは、最初は戸惑ったものの(どうせまた金で買われた)と思い、バードに仕方なくついていった。しかし、バードはアシュリーと2人きりになっても何もすることはなく、自分の仕事をし始めた。次第に本当に自分のことを救ってくれたと分かると、彼女の目から大粒の熱い涙がボロボロと流れ出した。自分のことを大事にしてくれる初めての人だったのだ。そこからアシュリーはバードのことを好きになり、度々バードが働いているところにも顔を出すようになった。

出会って1年がたったある日、アシュリーが

「あのさ、私たち結婚しない?今後からはさ、一生私のこと守ってよ」と勇気を出して言うと

「ああ、いいぞ」と軽い返事で返された。女の心がわからないバードの行動は少しアシュリーの癪に触ったが、その後はいい感じに話が進み、結婚することになった。しかし、まだ式は挙げてないとのこと。

 そして現在、2人はこのようにして仲睦まじくやっていると言うわけである。

「危ないこと潜り抜けてきたとは言うものの、人材確保は本当に危ないから俺1人で行くよ。絶対についてくんなよ?」

「それフリ?」

「違うわ!」

と会話が続いた後、バードは街に出かけた。

「もう、本当に危ない人ね。でもそれでも死なないのがあの人のすごいところ。はぁ〜、一回でいいから思いっきり激しく抱いてほしいわ」とアシュリーが独り言を言った。


 〜バードは当てがあると言っていたが、それはもちろん裏社会の溜まり場だ。バードは彼が"裏社会の仲間"を集める時のお決まりのスポット「ウェリンストン通り」を訪れた。ウェリンストン通りは、昔は活気があった大きな商店街通りだったらしいが、ここ数年「闇の取引が行われている」と元も子もない事を噂されるようになったことや、チンピラの増加によって人がどんどん消え、今では政府も存在をもみ消した廃れた通りになった。「かわいそうだよな、お前も。こうなりたくてこうなったわけでもないのにな」

とバードが慰めの言葉をかけてやると、バードの後ろからそれはまるでバードを後押しするかのような後ろ風がビューッと吹いた。バードは深く一礼し、一回強く手を叩くと、通りの中に入って行った。

中はネオンの電飾が所々にチカチカしており、ゴミが散乱している。もともと店だった場所は、新たなホームレスの住居になっていたり、出店が構えられていたりしている。その売っている内容はあまり大きな声で言えるものではないものばかりだ。通りの端っこの至る所でホームレスが薄い布団をかぶって寝ている姿は、まるでミノムシのようだ。

(うげっ、毎回来てもこの臭いはすごいな…よく人が生きていけるものだよ…)とバードは思った。

バードはこの通りを訪れる際に一つ注意していることがある。それは後ろを気をつけることだ。バードは闇社会で名が広がっている分、命も狙われやすい。なので後ろを気をつけないと、恨みを買った人たちから刺されるのである。だが「誰かの恨みを買うようなことは一切していない」と本人が言うように、実はバードは誰かに逆恨みを買われるようなことは一切していないのだ。なのにも関わらず、この通りを一回訪れることに1人は必ず刺してくる人が来るのだ。しかし今回は最後まで誰も来なかった。(今回は大丈夫だったか)と思い気を抜いたそのとき、何かの気配を感じた。

(………!)と反応した瞬間、その気配の正体がすぐにわかった。灰色のパーカーを深く被った青年で、身長はバードより高い人物がバードの背中を刺そうと思って突っ込んできたのだ。咄嗟の判断で避けたバードだが、少し腕に傷を負った。「誰だ。どうして刺そうと思った」とバードが話しかけるも、反応はない。

(あんまりしたくないが…!)と思い、バードは持ち前の力で青年を呆気なく沈めた。「なぜこんなことをした。金か?」とバードが冷酷な声で話すと、「死にたかった」と話す青年。

「死にたかった?この社会が嫌だからか?」と話すと、青年は力で勝てないと思ったのか、力を抜いて全て話し出した。

「この社会が嫌と言うより、自分が嫌なんだよ。仕事を見つけ、最愛の人も見つけ、なんなら自分の居場所さえも見つけたよ。だけど、政府が「雇用制限」なんかをかけたせいで、俺は仕事も失って、最愛の人も俺から離れていって、挙げ句の果てには自分の居場所さえなくなった!こんな俺を見て惨めだとは思わないか⁉︎死にたいよ…」

そう青年が言うと、バードは立ち上がって

「仕事が欲しいんだな?」と静かに言った。青年は

「え?ま、まぁ仕事は欲しいが、それより生きる理由が欲しい」と言う。

「ならさ、俺新たなビジネス立ち上げる予定だから、それの仲間になってくれよ。ちゃんと雇用料も出す、飯も負担する、その代わり、それ相応の仕事をする。これでどうだ?」と提案した。青年は(こいつの下につくのか…)とか(ていうか、コイツ俺に殺されかけてるはずなのによく雇用とか考えるな)とか色々考えたが、最終的に悪くない提案だと思いその条件を飲み込んだ。

「俺はバード。まぁ、知ってるな。なんかここ一帯のトップになっているらしい。お前の名前は?」とバードが聞くと、青年は「名前…?………?わからない」というのでバードは「なるほど。珍しくはないが久しぶりにこういうの会ったな…」という。実際、裏社会に堕ちてしまった人は名前を覚えていないケースが多い(「アシュリー」という名も裏社会で名乗っていた名前らしい)バードは深く考えて「わかった。なら新しい名前やるよ。そうだな…自由…フリー…決めた、お前の名前は『フリット』だ。自由を守護する物『フリット・ヤヌス』それが新たなお前の名前だ。」と言った

「フリット…いい名前…ですね」とぎこちない敬語で褒めた。(少しイマイチな名前だっただけかもしれないが、それはほっとこう)

「よし、ならフリット、もう何人か新たな仲間を探しに行こう」

「わ、わかりました…でもどこで?」

「当たり前よ、この通りで探すんだ。その方が手っ取り早いだろ?今一番勢いがある奴ら、特に自己中の塊みたいな奴らがいいな」

「マジで言ってます?よくそんな奴らと仲間になりたいって思えますね…」

「まぁ、お前もさっき俺の背中刺してきたから自己中みたいなもんだろ」

「それは…何も言えません」

ーー

ーーーー

ーーーーーー

3時間以上ウェリンストン通りを歩きながら色々と会話していると、フリットはバードとすっかり打ち解けることができた。フリットは以外と社交的で、まだ希望があった時代にはいろんな人とすぐに打ち解けていたらしい。そんな話をしていると、バードは後ろから誰かに叩かれ、「い"っ!」と鈍い声を出した。「大丈夫ですか!?」とフリットが言うと、叩いた人が声を出した。

「あんた、やっぱりここにいたのね。ここに何度来たら気が済むの?」

「………アシュリー。何故来た」

「え、バードさんお知り合いですか?」

「俺の妻だ。なんでこんなこと…」

「え?バードさん奥さんいたんですか⁉︎」

「あら、お仲間さん?初めまして。バードの妻のアリーナ・レッド・コプラインです。よろしくね」

「あ…どうも…バードさんの部下になりましたフリット・ヤヌスと言います…(この奥さんめっちゃ綺麗で可愛いんだけど何これ天使?)」とフリットが顔を赤らめると、

「おーいフリット、人妻だぞー」とバードが言って我に返った。

「あら〜私をそういう目で見ちゃった?ふふ」

「?」

「(フリットの耳元で)別にいいのよ?私で発散しても」

「⁉︎♡え、あ、えぇ??」

「ふふ、可愛いねぇ」

「バードさん!これを抱くのは違法ですか⁉︎」とフリットが興奮して聞くが

「フリット、気持ちはわかるが、それがアシュリーの手段だ。乗るな」

とバードは当然、静かに促した。バードはこの手口を何回もされてるし、見ているので冷静に判断できる。フリットは黒色のボサっとした髪の毛を激しく掻いた。

その後、目星のつく人物は出てこず、その日仲間になったのはフリットのみだった。

「今日はしがない僕を拾っていただきありがとうございました。なんとお礼を言った良いのかわかりませんが、この恩は必ず返します!それでは」とフリットは威勢よく帰ろうとした。しかし、バードはフリットのフードを掴んで引き留めた。

「おい待て。お前行くあてあるのか?」

「え?行く当てですか?……ないです!」

「おい大丈夫か?そんなんだから失業してしまったんじゃないのか?……まぁいい、何日かはうちにいろ。アシュリー、空き部屋あったよな?そこにいったんフリット住ますから布団準備してくれねえか?」

「はいはーい、いいよー」とアシュリーが軽く返事をした。

「や、屋根のある家で、しかも布団もついて寝れるなんて…バードさん、何から何まで有難うございます!」と半分泣きかけている声でフリットは言った。

「いいんだよ。人はいたほうが楽しいからな」とバードは照れくさそうに言った。


ウェリンストン通りの一角でちょっとした暴動が起こっていた。

「おいなんじゃコラ!なにぶつかってきとんねん⁉︎おお?」とチンピラがある青年に喧嘩を売っていた。

「……おい臭いの、早くそこどいてくれよ」と返したとき、

「ダン!」と大きい音がなり、チンピラが倒れた。

「な、なんだ、テメェ…何者だ!名を言え!」とチンピラが消えかけている意識の中でそう言うと、青年は馬鹿にするような口調で

「フッ、名前?ああいいよ教えてやろう、俺の名は、『ガーベラ』だ。花組総長、『金色のガーベラ』って知らねえか?この通りで最強の男、それが俺。そんなことも知らずに俺に喧嘩売っていたのか?え?」とチンピラをあしらった。その後、ガーベラは笑いながらそのまま闇の中に消えていった。

さていかがだったでしょうか。新たな仲間「フリット」を迎え入れて始まった裏社会と始まり編、ここからどんなストーリーが生まれるのでしょうか。ここからは作者による長い余談なので、観るも見ないも自由にしてください。実はバード君、身長が176cmなんですが、フリット君は186cmなんですよね。10cmも差が離れている人間を呆気なくひれ伏すことができるバード君、どんな力を持っているのでしょうか。(ちなみにアシュリーは156cmです)あと説明し忘れていましたが「世界四大権力者」は、バード以外に、もちろんですが3人います。今後のストーリーに大きく関わるので、どんなやつか予想してみてくださいね。関係ない話ですが、自分はお鍋が好きでしてね、大体食器棚から小さい土鍋を引っ張り出して、カセットコンロに火をかけて毎回豚骨スープに白菜、ねぎ、うどん、水菜(時々豚肉)をぶち込んでキンキンに冷えたジンジャーエールを飲みながら食べています。(自分は酒に弱いのでソフトドリンクです)意外とキンキンに冷えたジンジャーエールは格別でしてね、頭の先まで「ガツン」と来るんですよね。最高。自分はものすごく辛党でして、その豚骨スープにこれでもかっていうぐらい汁なし担々麺の元をかけて食べるのが至福です。流石に一人暮らしで牡蠣は食えないので、そこは我慢していますが。まぁこのくらい書いていれば、丁度いいくらいだと思うので唐突ですがこの辺で終わりにします。最後に、この物語はあと5シーズン、20話程度続くと思っててください。ここまでご覧いただきありがとうございました。 牡蠣原 蒼

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