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異世界転移?無双?チート? 好きに生きる為に必要みたいなので喜んで⁉︎  作者: ゆるゆる
<アルバア>

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アマルの眷属のお仕事

アマルの眷属が小さな集落を見つけたのは数日後だった。その集落は<アルバア>の北東方向の山の向こう側、大きな滝の少し下流にある人族の集落だ。今までは<アルバア>からベオグルリンドス帝国の領地内方向である西側ばかりに警戒の重点をおいていたが、幾つか山を越えて攻めて来なければならない東側に脅威を感じていなかった、という点から魔獣のみの警戒しかしていなかった。だが、メヒモンテスが来てから<アルバア>を中心に周囲を隈なく警戒する事になり、魔力感知、結界だけでなくアマルの眷属に警戒、監視を任せた事により詳細がより把握できる様になった。

アマルの眷属達は手足の長い白い毛並みで、大きさは2メートル超えの大型から手に乗るほどの小型の猿系の者達と、白と灰色の縞の模様でホワイトタイガーのような見た目の大型四足獣たちである。大量の魔力とアマルの爆発した思いから生まれた割には、真面(まとも)な眷属達であった。


「アマル。君の眷属達は意外に理性的でとても役に立つな。君の事だからロイのように師匠への気持ちが眷属にも出るかと思ったのだが、そこは違った様だな。」

『それは違うデショ!アチシはアチシの魔力だけで頑張ったデスけど、ロイは父上様の魔力も大分借りてるからロイの眷属っていうか、半分父上様の眷属っていうか、デショ?』

「?いやいや、鍾乳洞のあの湖から生まれたんだから、ロイの眷属で間違いはないだろう?」

『??地下都市も鍾乳洞も父上様の魔力で作られて、父上様の魔力がたっくさんある湖の底にずっとあった卵だし、勿論ロイが頑張ったデスけど、父上様の魔力はまだまだあるですデスから、半分くらいは父上様の魔力で生まれたデショ?』


いやいや、それだと半分以上師匠の魔力で生まれた眷属じゃないのか?そんな細かいことはじっくり調べないと私にはわからないが、アマルの言う半分だけ師匠の魔力が使われてるのか?本当はそれ以上じゃないのか?そうメヒモンテスには思えるのだったが、彼らは地下都市と鍾乳洞などの方にしかいない、こちらの拠点側にはほぼ来ることがないのだ。その為あまりメヒモンテスと接点がない。メヒモンテスにしてみれば師匠であるジェフィティールのミニチュア版というか、子供時代のような見た目の眷属とそうそう会いたいとも思っていない。


「(…師匠の子供時代のような見てくれでは、私はきっと、きっと、虐めたくなるに違いない…)」


メヒモンテスは自身が子供の頃にジェフィティールから受けたイジメとも言える魔術の勉強、仕事の多さ、無茶振り、尻拭い等々を思い出しては、ふつふつと仕返ししたくなり、そして、それとは別に受けた数々の優しさも思い出しては懐かしく、甘い気持ちが湧き上がるのを感じていた。


「まぁ、彼らのことは置いておいて。今回見つかった集落だが、どういった内容かは報告にあるのか?」

『勿論。数は36人の人族の集落で、家屋は8軒木造。農地などは無し、狩りで食料を確保していて森の果物、川の魚も食料としてしているようですデス。』

「成る程、よく調べている様だが、他には?」


情報はそれだけではないだろう?と、メヒモンテスはアマルの方を目を細めながら見る。


『そこの集落は、人数からしてどこからか逃れてきた者達と判断、より調査範囲を広げてみたら以前領都、若しくはそれに準ずる都市の跡が一箇所見つかったデス。』


ちょっとだけムッとしたアマルが答えた。当然眷属に調べさせてあるが、さも当然の様に言われると、よく出来ましたと、褒められたいアマルには何故だか素直に教えたくなくなる様な気になるのだ。なので、もう一つ、報告すべき内容を話さないでいた。が、メヒモンテスはドロドロとした思惑が渦巻く宮中で宮仕をしていた経験から、アマルがまだ何か隠していることに気づいていた。話さない理由を考えてみてもアマルの性格から言って忘れているか、必要ないと思っているか、メヒモンテスに対する対抗心かのどれかだろうと思っていた。


「(問題は、大した事ないと思っていることが後々大問題に発展することだ。アマルはまだその判断が未熟だからな…。)」


何も言わず、目だけで問いかけるメヒモンテスの視線に耐えきれずアマルは言葉を発する。


『も、もうあとはないですデス、よ。』

「(あ、明らかに聞かないと不味そうな気がする)よし!話せ。」


明らかに隠し事があると自白しているようなアマルに、有無を言わさずメヒモンテスが押し切る。それでも隠そうとしたアマルだが、メヒモンテスに口で勝てるわけがないので結局は全て報告したのだった。


「初めから全て報告していれば、この様に時間を無駄にしなかったものを。そうすれば私とて君を素直に褒めていただろうに、全く。この情報は非常に重要なものだ。わかっていただろう?」

『…はいデス…。』

「この事については師匠に判断を仰いだ方が良い。正直私はあまり関わりたくないからな…。」

『…はいデス…。』


ズビっと鼻を啜りながら目には沢山涙を溜めているアマルに対して、メヒモンテスは罪悪感を覚える。叱ったわけでもないのに何で泣くんだ?といつも思う。その度に宥め賺してアマルの機嫌をとっている自分こそ、泣きたいものだ。だが、自分の口調が優しくない事は自覚している。口調を改善しなければとも、思わなくもない。


「…私の言い方も良くなかったな。反省している。だが、重要だとわかっている情報を報告しないことは、最悪の事態を招く恐れもあるのだから、決して隠す事ではないぞ。わかったな。」

『はいデス。』


アマルの頭を撫でながらフォローするのも、今ではいつもの事になっていた。アマルも実はこれを狙っているのか?と思えるほど毎回している気がする。それでもアマルの機嫌が直ったのなら良しとしようと、甘いメヒモンテスは思うのだった。 


「さぁ。師匠に報告せねばな。即刻報告せねばならない訳でもなさそうな件だが、師匠も知らずにいるよりは、マシだろうからな。」

『…アチシは、無視したいデスけど…。(スィフィルから、要注意だって言われてるデスからね。でも、メヒモンにとっては、仲間、デスから…。)』

「…私もだ…。」

『…え…?』


結局、その報告をジェフィティールが聞いたのは随分経ってからだった。


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