表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移?無双?チート? 好きに生きる為に必要みたいなので喜んで⁉︎  作者: ゆるゆる
<ヤクシェム>

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/91

子供達の幼稚園

暫くの間、不定期の更新になってしまうかもしれません。

ジェフィティールは悩んでいた。

10人の眷属達に名を与えたら、全員が幼稚園児のサイズになってしまったからだ。


「(おかしいな…エラの時は鳥の姿になったのに今回は全員が人の姿とは…。どんな要因によるものかはわからないけど、連れて歩く訳じゃないから問題ないって言えば問題ないな。)」


これ以上眷属を生み出すつもりも予定もない。この子達がすくすく育って、この子達が満足いく世界をこの子達自身が作り上げてもらいたいと思う。あぁ、だから幼稚園児ほどのサイズになったのかも知れないと感じたジェフィティールだった。


『父様、父様。僕がみんなのお兄さんになります。だから、沢山色んなこと教えてあげますね。』

「うん?アムルタートが教えてくれるの?(大丈夫かな、眷属たちは俺が直に生み出したし、魔力抑えて知識は抑えなかったからな。多分知識量だけで言えばアムルタートより上だろう…。)」

『はい!僕はシュナイツに聞いた事とか<ヤクシェム>の事を教えてあげます。』

「あぁ、成る程そうだね。アムルタートにしか教えられない事を教えてあげてね。」


アムルタートは自分の弟妹分ができたことが嬉しいのかずいぶん張り切っている。正直10人が住む部屋がないし、いっその事幼稚園みたいなものを作ってしまえと、ジェフィティールはログハウスから少し離れた場所に学校のような勉強部屋と遊技場など複数作り、宿泊施設も作った。勿論、景観を損なわないように色合いも、外観も高さも注意した。満足した仕上がりでスィフィルにも文句は言われないだろうと思っていたら、スーッと後ろにスィフィル現れた。


『父上。こういう大掛かりなものを作る時にはご相談いただきたかったのですが?』

「うわぁ!!びっくりした!もう、驚かすなよスィフィル。」

『驚いてもらえて嬉しいです、父上。ですが、私も驚きましたよ?こんな大々的に、急に、何か、を作られたんですから。』

「…まぁ、何というか、緊急を要したというか、ねぇ…。ほら、10人も増えちゃったし、ログハウスを増築したくなかったし…。」

『そうでしたか、では仕方ありませんね。私が仕上げてもよろしいですか?』

「?ありがと、お願いしようと思ってたんだよね。」


あれ?何で急にご機嫌で協力的になったんだろ?最初は不機嫌オーラ出してたのに。まぁ、細かいとこ仕上げてくれるだけで助かるけど。あとは保母さん、教師?とか寮母さんとか、子供たちの面倒を見てくれる人が……って誰がいるだろ?俺もスィフィルも3人娘もダメだし、拠点の守護者には頼めないし…。え?これって、また生み出さないとダメなパターンか?いやいや、ここはスィフィルに相談すべきだな、なんか良い案でも思い浮かぶかもしれないし。勝手にまた増やしちゃうと後々…だもんね…。


外にわらわらといた子供達が遊技場で遊び始め、アムルタートも混ざって激しく遊んでいるが、この遊技場は自動再生が掛かっているので遊具が壊れようが土が抉れようが全く問題ない。子供たちにはできるだけ我慢をさせないようにしたかったのだ。成長過程で力の使い方や、道徳、倫理、理念なんかを身につけていってくれれば良いと考えている。

ベオグルリンドス帝国や近隣諸国には教育機関などないが、裕福なものが家庭教師を雇い次世代を育てているのは確かだ。正直まだまだ発展途上の国々ばかりで<リーヴェル>や<ヤクシェム>の生活水準にも届かない。知識でも魔力、魔法、魔術でもジェフィティールが創った世界には遠く及ばないが、現状では交流を持つつもりは一切ないので全く問題ない。だが、もしこの先何かの拍子に…。不吉な考えが浮かんではそれを否定するジェフィティールだった。

そう、万が一、交流が開始されても対して問題ないくらいの差、程度に<リーヴェル>も<ヤクシェム>も創っていた。黒船来航、その後日本が相手の技術や知識を得て進歩を熱望する程度に。だが、それにはまだガルドエスタニア大陸の諸国の人間は未熟過ぎる。今のレベルでは“学ぶ”のでは無く“奪う”という思考に陥るだけだろう。それに引き換えバラルエルトニー大陸ではそれぞれの種族達が互いをある程度尊重できているお陰で、大きな争いはないが劇的な進化を特に求めていない種族達な分<リーヴェル>の存在も“そういうもの”として受け入れているからこそ、現状でも共存ができているのである。


日本で生きた時代の生活を、そのまま<ヤクシェム>に持ち込んだログハウス。子供達の新たな場所もそうだけど、ここにはウッショロケシの者も進化獣人達も来れないから全く問題ない。でもここで育った彼らがウッショロケシに行ったら田舎だなどと馬鹿にしないだろうか?いや、ここに店やレストランがある訳じゃないしきっと問題ない。でも、ちゃんと彼らと仲良く出来るだろうか?それとも…やばい、心配しかない。


『父上。また何か悩んでおられる様ですが、考え過ぎないでくださいね。』

「(!やさしい…スィフィルはやっぱり優しいな…。)」

『父上が1人で悩んで悩んで悩んで…結論を出すと、大概とんでもない事になりそうですので。』

「あ、そっちね…。」

『例え、些細なことでも把握しておかないとフォローが間に合いませんからね。』

「そ、だ、ね。」


癪に触ったから思わず意地悪な返事をしてしまった。苦笑いしてるスィフィルを見れば揶揄っただけなのはすぐにわかる。あぁ、なんだかホッとするな、この距離感が心地良い。俺の事を本当は心配してくれてるのがわかるから、こんな会話も小気味良いのだろう。それから俺は懸念事項をスィフィルに話した。


『そうですねぇ…。確かに彼らには面倒を見てくれる、教育してくれる者が必要ですね。』


わちゃわちゃと走り回り遊び回る子供達を見ながらスィフィルが答えた。元気でわんぱくな幼稚園児たち、遊具を使う者、砂場で遊ぶ者、魔法を試している者など興味がある事もバラバラの様だし、自由すぎてアムルタートも自分に纏わりついてる子しか相手にしていない。


「……でしょ?もう、これ以上眷属は増やさないようにと思ってたんだけど、ちょっと完璧な教師が必要かなって…今は、追い詰められてる感じ…。」

『…完璧な教師…。良いですね、彼らが完璧に父上の補助ができる様になる事を望みます。』

「えぇ?そんなの必要?スィフィルだけで十分じゃない?俺は俺の補助とかじゃなくて、どっちかと言えばスィフィルの補助になってくれた方がいいと思うんだけど…。」

『ふむ…。私の補助と言うのであれば、人工生命体人型(ヴェノデオキシ)人工生命体不定型(ヴェノデオライド)を私専用に何体か頂きたいですね。彼らは本当に有用性が高いので使い勝手が良いのです。』

「なんだ、それならいつでも言ってくれれば作るよ。足りなければ追加もすぐできるからいつでも言って。」

『ありがとうございます、父上。では後ほどお願いにあがりますね。』


少し話が横に逸れながらも、結局は教師に当てる人材を1人生み出すことにした。寮母に当たるものなどは人工生命体人型(ヴェノデオキシ)で対応できると判断したからだ。教師に求めるのはバランスの良い知識量と倫理道徳観念、子供たちに対する適切な対応、などと並べ立てたらまぁすごい、そんな人間いる訳ないだろう、って思ったけど、人間じゃないんだから詰め込めた。その分愛情などの感情が希薄になったが、そこは寮母にあたる人工生命体人型(ヴェノデオキシ)に感情をたっぷり詰め込んだ。まぁ、おいおい不都合が出てきたら対応しようと思っているから、今はこんなものだろう。


『それにしても、この方はモデルがいるのでしょうね、まさかこの様にお年を召した方とは…想像もしませんでした…』

「あれ?本当だ。何だか日本の俺のお婆ちゃんに似てる…。確かに色んなこと教えてくれたな。波乱の人生を少しだけ聞いた事もあったっけ。戦時中には母としても子供を2人連れて生きて行く事がどれだけ大変かも…。ま、尊敬してたよな。」


服装まで着物着てるし、元気な頃の祖母に似た女性がいた。晩年の祖母は車椅子だったし立って歩いている姿でさえ、凛とはしていたが右足を引きずっていた記憶しかない。母方の祖母は確か戦時中、教師だった。とても礼儀に厳しい人だったな…。


生まれたての彼女はゆっくりと視線をジェフィティールと合わせ、お辞儀をする。美しい顔と礼儀正しさは無表情も相まってロボットのような印象を与えた。ジェフィティールはすぐに名を与えた。


「フラウレス。貴女の名はフラウレスだ。子供達を、正しく…いや…彼らにあった、彼らの希望に沿うように導いてほしい。」

『畏まりました。創造神様の御心のままに。』


名を得た彼女は顔を上げ、にこりと微笑んで子供達が遊んでいる方へ歩いていく。劇的な変化は見受けられないが、表情は優しげになったと感じた。後ろ姿を見つめるジェフィティールは少し寂しげだった、厳しくも優しい祖母を思い出し、その背中に駆け寄りたくなっていたのかも知れない。


「さて、と。人工生命体人型(ヴェノデオキシ)人工生命体不定型(ヴェノデオライド)を作るか!」

『…えぇ、お願いします。そうですね、私の補助に人型3体と不定型6体。フラウレスの補助に人型4体と不定型10体。寮母役に人型3体、補助に不定型5体でお願いします。』

「えぇ?結構多いね…。」

『大変でしたか?』

「いや、作るのは問題ないんだけど、個性は…要らないの?」

『父上が作られる時に、能力に個性を持たせず万能型で能力的にアマル達守護者よりは下に作って頂ければ問題ないと思います。』

「…それだとアムルタートより上になると思うんだけど…?」

『えぇ、問題ありません。普段からその力を振るう訳ではありませんから。必要事に能力が足りないと困るのでお願いしているだけですよ。』

「そ?なら良いんだけどさ、万能型にすると、下手したら守護者達より能力は上になっちゃうかも知れないぞ〜。」

『全く、問題ありません。』


ちょっと意地悪く言ってみたのに、スィフィルは全く気にしてなくて、むしろもっと能力高くてもいいぞ!くらいの感じで返事してた。俺の方が引いちゃうくらいに、そんなに強い万能型を補助に使いたいのか?俺、無理させすぎ?もうちょっとやりたい事自重した方がいいかな?


『…父上。変な勘ぐりしないで下さいね?私は私のしたい様にするだけですから。全て私の野望を成し遂げる為に、私の我儘で父上にお願いして作っていただくので、父上が罪悪感を持つ必要はありませんよ?』

「そ、そう?(野望って何?なんか響きが怖い…)それなら良いんだけど…。」


いつもの様に優しい笑顔が、なぜかとても怖い顔に見えるジェフィティールだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ