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異世界転移?無双?チート? 好きに生きる為に必要みたいなので喜んで⁉︎  作者: ゆるゆる
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シュナイツとアムルタート 

<リーヴェル>の別荘で休憩していると、<ヤクシェム>の“俺”から連絡が入る。心なしか疲れている様な?感じだ。


「どうした?まだ一日も経ってないけど何か異変が?」

「ーいえ、そうではないのですが…アムルタート様が…私ではダメな様です…。ー」

「え⁉︎もうバレちゃったの⁉︎」

「ーはい。暫くは違うとわかっても我慢されていたのですが、流石にもう限界のご様子です。結界内の魔力がアムルタート様に悪影響を与えそうで…。いつ頃お戻りになりますか?ー」


あっちゃぁ〜。それは不味いね。寝てたから結構時間が取れるかと思ってたけど、中々上手くいかないもんだな…。俺の分身っていうか人工生命体人型(ヴェノデオキシ)を俺そっくりに作ったんだけどバレちゃったか…。はぁ、しょうがないな〜、やっぱり俺じゃないとダメなのか。と言いつつ、結構嬉しかったりするんだよコレがね。参るよね、だって可愛いんだもん。


「あぁ、こっちでまだちょっとやりたい事あるんだよね。だからアムルタートを連れて来てくれないかな。」


待ってましたとばかりに瞬時に転移してきて俺にアムルタートを抱かせると、明らかにホッとしている人工生命体人型(ヴェノデオキシ)だが、俺そっくりに作った分正直言って変な気分だ。アムルタートが騙されないなら意味がないので、直ぐに通常の状態に戻したら彼は<リーヴェル>の先輩人工生命体人型(ヴェノデオキシ)のところへ行った。


「どうした?アムルタート。寂しかったか?」


ジェフィティールはアムルタートを抱えて優しく髪を撫でる。相当癇癪を起こしたのか、それとも相当な我慢をしたのか、聖獣を包んでいる結界内は魔力がそこら中で渦を巻いてぐちゃぐちゃになっている。これじゃあ身体に悪いとジェフィティールが結界を解いて魔力を整えて落ち着かせると、アムルタートも楽になったのかジェフィティールにしがみついたままスヤスヤとねいきをたてはじめた。


まぁ、<ヤクシェム>だと全域に魔力が豊富すぎてちょっと息苦しいのかな?あそこはまだまだこれから増え続ける段階だしね…。<リーヴェル>の方が災害もあって魔力が足りない分アムルタートが魔力を垂れ流してても問題ない。今のところ垂れ流してても状態が不安定にはなってないし、俺とくっついているせいか俺の魔力を取り込んでるみたいだからなぁ。まぁ、アムルタートが具合悪くならなきゃいいけどさ。


ジェフィティールはまだ幼い聖獣が生地を離れ問題ないのか少しだけ不安になる。彼が<リーヴェル>に与える影響と与えられる影響がどんなものか、どちらも良いものだと思いたいが世の中そうそう上手くいかない事は理解している。デメリットでさえ許容範囲内ならば万々歳というところだろう。


「…どこにいようと、アムルタートが幸せであるように願うよ…。」

『そうですね。(私も父上が幸せである様に願います。)』


翌日、朝食後に<リーヴェル>を見て回る事にした。修復箇所などを再度チェックする為もあるがアムルタートがここでどういう反応をするか、どう影響を与えるか先ずは確認しないと安心できない。何せこんなに小さいのに病気になんかなったらと思うと、少しも気が休まらないのだ。昨日まではどちらにも影響ができるだけない様にと、当たり障りがないことを願っていたのに、こうやってアムルタートを抱いていると彼を一番に考えてしまう。彼が害を被らなければ、他に何が起こっても些細な事のように考えてしまうなんて、どうしてしまったのやら。いや、わかっているよ勿論。


「アムルタートの魔法、“魅了“にっかかってしまったな…。これはきっと永遠に解けないだろう、恐ろしい魔法だ…。」


ホントこの可愛さは魅了するだけの力があるでしょ!


『…父上。おふざけはそこまででよろしいですか?この辺りは土砂崩れ、土石流が起きたあたりです。今はもう父上のお陰で元のように樹々も法面も問題ないですね。まぁ、魔力が減少しているのは一度は大きく削れているので仕方ありません。徐々に回復していく事でしょう。』

「そうだね、特に問題はなさそうだ。アムルタートはどうかな?」


相変わらず魔力が漏れているが、大量ではなくちょろちょろとしてるだけなので本人には問題なさそうだが、この<リーヴェル>はどうだろう。“宇宙樹の島の聖獣の魔力”をどう受け取るのか。反発かそれとも…。


アムルタートがジェフィティールの腕から降りて、トコトコと歩き回る。小さな白い花を見つけてはしゃがみ込みじっと見つめたり、蝶のような虫が飛んでいれば追いかけたりと、小さな子供と同じく興味が湧くものにつられてどんどん移動する。その都度魔力をあちこちに振り撒いてしまっているが、特に枯れたり、急成長したりなどの現象は起きていない。スポンジが水を吸うように、スーッと魔力が染み込み、馴染んでいっているようだ。アムルタートに至っても問題なく遊んでいる。魔力の循環も綺麗に回っているようだ。今のところ問題ない。


「<リーヴェル>にいるのは今のところ問題なさそうだな、俺が張ってる結界内っていうこともあるかも知れないけど、まだまだ他に行く予定はないから暫くは大丈夫かな。」

『父上。シュナイツが定期的に訪れる事についてはいかが致しますか?結界も強度が増してしまいましたが、もしや自由に入れないのではありませんか?そうなると約束を違えることとなってしまいますが。』

「うぅわっ!それがあったね。ん〜仕方ないからシュナイツだけは通れるようにしないとね。ありがと、忘れてたよシュナイツの存在を。」

『いえ、忘れたままでも良かったかも知れません。そろそろ来る頃ですから。』

「え、マジ?」


俺はヤバいと、さっさと大外の結界だけ条件を書き換える。シュナイツの通過許可を加えたのだ。危ない危ない、いちいち文句を言われるのは面倒だからこういうのはきちっとやっとかないとね。そうじゃないと余計な仕事が増えていくもんなんだよ。うんうん。


ジェフィティールはアムルタートが楽しそうに走ったり花を積んだりしながらウロウロと歩き回るのについて行く。ここは別荘区域外だから大外の結界の内側で別荘区域の結界外、精霊も聖獣であるアムルタートに興味津々だ。ただ聖獣の魔力の質のせいなのかなかなか近寄ってこれない、遠巻きにしているだけだ。アムルタートも気付いているが近寄ってこないのだからどうにも出来ない。その内興味を失い周囲を見回し、ジェフィティールを見つけると駆け寄って来て抱きついた。ジェフィティールも彼を抱き上げると今日はもうお終いとばかりに、別荘に帰ろうとしたらシュナイツが結界を通って入って来たことがわかった。


「前回押しかけて来たことは一回に含まないでくれっていうからOKしたけど、来るの早くないか?」

『父上、他の聖獣の分を自分に回させたので月一で<リーヴェル>に来る事になりました。』

「え?聞いてないけど?」

『はい、シュナイツが相談して来たので私の独断で他の聖獣分を取り消しシュナイツにのみ許可をする方向にいたしました。その方が<リーヴェル>内で問題も起きにくいと思いましたので。』

「…確かにここの状況をよく知らないで来られても問題が起こりそうだもんね。知ってるシュナイツの方がよっぽど大丈夫か…。うん、わかった。それでいいよ。聖獣が文句を言って来たらシュナイツが対応するように言い聞かせてね。」

『畏まりました。』


シュナイツは<リーヴェル>に来るといつもお気に入りの山の上に向かうのだが、今回は違っていた。と言うのも、災害が起こった後で、どれほどジェフィティールの魔法で綺麗に戻したとしても、雰囲気が変わっていることに気が付いたのだ。そして異変が気になったシュナイツは<リーヴェル>の全体を見て回っている間に、ジェフィティール達に気付いて上空から降りてきた。上空では翼竜ケツァルコアトルスの様だったが降りてきたらこの間のボルゾイの様な姿になった。


「:暫くぶりだな、<リーヴェル>の主人とスィフィル殿と…そこの子は…何者?:」


シュナイツは怪訝な面持ちをする。それはそうだ、この地上に生まれた聖獣ならばその独特な魔力の揺らぎで同じ聖獣のシュナイツには感じ取れただろうから。だがこの数十年ほどそんな事はなかった、だが、この子は確かに聖獣の匂いがする、でも、聖獣ならば普通人の形をする様になる事はない、生まれた時の姿に誇りがあるからだ。なのにこの子は人型になり、あまつさえ人(とは思えないが)に抱かれて甘えている。明らかに聖獣のそれとは違う生き物の様に思う。


「シュナイツ、久しぶりか?まぁ、でも、お前も空飛んだりして変わったな。この子はアムルタート、(宇宙樹の島の) 聖獣だ。」

「:…だが、お主に似ている様だが?妾の知る聖獣とは異なる様だの。どういう事なのだ?:」

「聖獣の生態なんか知られてないんだ、俺が知る訳ないだろ?丁度良かったよ、お前の方が聖獣には詳しいに決まってるよね、だから、教えてくれ。」


こうしてシュナイツは<リーヴェル>に安らぎを求めて来た筈なのに、丸一日質問攻めに遭い、休まる事なく帰っていった。

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