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異世界転移?無双?チート? 好きに生きる為に必要みたいなので喜んで⁉︎  作者: ゆるゆる
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アマルとロイとメヒモンテス

<アルバア>では、アマルとロイ、メヒモンテスの3人が会議をしていた。


「私がここに送られた理由はただ一つ、君が余りに仕事が出来ないからだ。」

『わかってるデス。アチシよりロイの方ができるデショ?だから父上様がメヒモンを送ってくれたデス。』

『キィ』


メヒモンテスは眉毛をピクリと動かす、その呼び名は許可してないが、何度も言い間違えられた為いちいち注意する時間が無駄だと判断して、メヒモン呼びされる事を聞き流すことにした。


「そうだ、つまり君を排除する!訳ではなく、叩き直す!為に私は来た訳だ。」

『!!それだけじゃないですデショ?アチシの遊び相手だって父上様は言ってました!偶に教えてくれるって聞いてますデス!メヒモンがいるから安心して頑張れって言ってました!』

「そうだ、確かにその様に言っていたがそうではない。」

『???そう言ってたんだから、そうなんですデショ?』


メヒモンテスは会心の冗談をスルーされたからではないが、眉間に皺を寄せて大きく溜息をついた後、ゆっくりとアマルに向き直り話し始める。


「…。良いか?師匠の言葉を全て覚えておく必要はないが、言葉を端折って発するならば、言われた言葉の意図を理解して要約し、その後に発言したまえ。でなければ君の言葉のみを聞いたものは、全く違う解釈をする。それはつまり、君は師匠の言った事を全く理解していない事と同義だ。」

『????』

『キィーキィ』

「…ロイはわかってる様だな。アマル、君は考える事を放棄しているだろう…。」


メヒモンテスは真面目なだけあり、アマルが理解できる様に詳しく説明したつもりだったが、それでもダメだったと少し気落ちした。ジェフィティールの様に弟子はいないが、人の上に立ち指導していた経験はある。それに<リーヴェル>で暫く一緒に生活したスィフィルは非常に優秀だった。アマルがちょっと残念な子だとは聞いていたが、ここまでとは考えてもいなかったのだ。


「(スィフィルは私以上に優秀なのはわかるが、同じ様に師匠に生み出されたというアマルは何故こうもスィフィルと違うのか?それに加えてロイの理解力の高さ。…ロイと頭脳を分けたのか?そんな訳はないだろう。その有効性がわからないからな。では、どうして?)」


メヒモンテスは深く考えすぎて、一つの答えを導き出す。


「(…そうか、私に対する嫌味(いじめ)だな…。)」


他にも拠点があり守護する者がいることは<リーヴェル>にいた時に聞いた話だ、つまり他の拠点のどこでもない、ここに自分を転移させたのは守護者の中で一番問題児のアマルをメヒモンテスに押し付けたのだ。かつてチャスカの理解力の無さに自分はさっさと距離を置きジェフィティールを手伝わずにいた自分に、きっと仕返しをされたのだと考えた。その答えは全くの外れではないが、正しくはなかった。


ジェフィティールは<アルバア>の地下都市や倉庫だけでなく、隣接する東の領(アウゼグッド)領都(ヴィジュレ)のまた東にある森、を探索しても良いと思いここに転移させたのだ。勿論アマルの教育や地下都市の発展などの事もある。だが、森には魔獣だけでなく様々な素材が沢山あるのでメヒモンテスの興味を引くだろうとの思惑もあった。面倒な仕事には旨味もないと続かないだろうとの心遣いだった。ただし、転移させた時期は<リーヴェル>に興味を持たせたまま行かせるつもりだったので、意地悪な気持ちがあったのは確かなのだが、最終的にはメヒモンテスもジェフィティールもスッキリ満足して転移させたので、この意地悪計画は失敗した事になる。


「良いかアマル。師匠が言いたかったのは、私が来た事で気負わず<アルバア>の管理と地下都市の運営をする様に、ゆくゆくはアマル以外にも任せられる様に眷族を育てる事。その事についても私に相談し、教わりながら総合的に<アルバア>を発展させる事を課題にしたのだ。全て私に丸投げで考える事を放棄してはならない。理解したか?」

『?さっきとおんなじですデショ?一緒に楽しくやるデス!』

「……。仕方ない、その都度説明しよう。私がここに来て三週間経つが何一つ進んでいない。君達を理解する事に時間がかかったからだが、このままの状態では何もしていない事と同じだ。今日からは眷族について進めておこう。良いな?」

『アチシの眷族はまだいないデショ?だって相談してから作らないとだめデショ。』

「それは、“私と相談して”という事か?師匠とか?」

『メヒモンとデショ?メヒモンとアチシとロイの<アルバア>を作って父上様に褒めてもらうんですデス!』


メヒモンテスは目を丸くしてアマルとロイを見た。細かい事には理解が及んでいないが、本来の目的は正しく理解していたのだ。この三週間アマルとロイの性格や<アルバア>と地下都市の現状把握に時間を割いていたが、細かい事に注視し過ぎたかも知れないと反省した。


「(それなら、問題なしとして進めていこう。特に期限があるものではではないが、アマルとロイの良さや特性を活かし地下都市一大帝国を築くのも面白いからな。)では、まずどの様な眷族が良いと考えているのか教えてくれ。」

『地下都市だから、地下が好きな種族が良いけど、性格が合うのが良いデス。会話出来るともっと良いし、勝手に増えて良いけど増え過ぎても困るし、面白い事考えて遊べるのが良いデス。』

「(…本当に子供の様だな。仕事という意識はないのだ、全てが遊びの延長であって楽しくないと続かない。だが、全く子供と同じとも言い難い。自分が馬鹿にされても問題ないが、師匠のことに関してだけ沸点が低いと言える。それ以外は関心がないくらい寛大だ。スィフィルも同じ様だったので、共通点なのかも知れない。そうなると…。)地下が好きな種族で会話ができ、面白い事を考えられるとしたら、岩人族、地龍人族、後は魔獣になるが

地蜘蛛属上位種、蠍属上位種、位だろう。だが性格までは流石にわからんな。」


メヒモンテスは候補を挙げるが、そう簡単に生命を生み出せるとは思っていない。擬似生命体を生み出すのだろうと考えていた。いわゆる自動行動型人形だ。だがアマルは違った。何故なら、擬似生命体を知らないのだ。だがジェフィティールから“生み出した生命には責任を持ためばならない、途中で投げ出してはならない“と言われていた為、今までも眷族を生み出せずにいたのだ。そんな生命に対する考え方も常識も全てはジェフィティールが基準だ。この世界この時代に、一般常識とか、モラルなど無いに等しいまだまだ未成熟な社会で、“生み出した生命には責任を持ためばならない、途中で投げ出してはならない”などという者はいない。メヒモンテスは以前ジェフィティールに言われた言葉を思い出していた。


ーー誰かが自分の生命を狙って攻撃を受けた時、相手の生命を奪ってでも自分が生き残る事は間違いではない。だが生き残る為ではなく、快楽の為や他者を従える為なんかに生命を奪う事は愚か者のする事だからね。だからと言って愚か者に何を言っても理解出来るわけがない。そう言った時は力でねじ伏せるしか無いんだよ、残念だけど。言葉が通じなんだからね。だが、どんなに力があっても数の暴力には、負けることもあるのさ。数の暴力にも負けないだけの力量差があれば、怖いもの無しだろうけど…。ーー


「(…そんな力を手に入れてしまったんだろうね、師匠は…。でも、今の方が幸せそうだ。中途半端に最強よりはね。)」


ジェフィティールに拾われ、弟子として共に生活していた頃の、教えの様な独り言の様な諦めの様な、そんな言葉を、ふ、と思い出していた。

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