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異世界転移?無双?チート? 好きに生きる為に必要みたいなので喜んで⁉︎  作者: ゆるゆる
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これって 会合なの?


『“精霊“よ。お前が一番タチが悪い。父上に迷惑をかけているのみならず、事を大きくしたのは全てお前の責任だ。父上より賜った生命を、迷惑をかける為に使うとは情けない。』

「:お許しくださいスィフィル様、我らが父ジェフィティール様。ここに共に居られるだけで幸せなのです、どうか共にいる事だけはお許しくださいませ。きっとお役に立ちますので!…いつかきっと!:」


ハチドリの様な小さな姿で泣くなよもぅ…。俺達が苛めてるみたいじゃないか!…いや、苛めてるかも、な。だって、もしもコイツら全員に攻撃されても全く問題ないし、コイツらじゃぁ傷つける事はできないからなぁ…。そこまで力に差があると苛めてるって言われても仕方ない、か? でもねぇ、勝手に強引に押し掛けてきた迷惑分と勝手な物言いの無礼の分の落とし前って事で仕方ないよね。


『父上は慈悲深い方だが、私は違うのはわかるだろう。ここの管理の責任は私にある事を忘れるな。私は父上の優しさや強さに寄生するだけのものを受け入れる気は一切ない。お前たちに受け入れる価値があるとは思えないが、父上にどんな利益をもたらせるというのだ?』


誰も答えられない。それはそうだろう、自分達の利益しか考えずに来たのだし、“精霊様“がただ守っている地域で魔力が豊富という事は魔力を生み出す泉なり何かがあるのだろう。住みやすい、回復しやすい、大きな外敵(魔獣)はいない、となれば別大陸からでも引っ越ししたいに決まっている。ただ自分達の利益の為に。



ーーー数日前の獣人族キャンプーーー


“精霊様“は平均して強くないし、戦いは好まない、なんだかんだと難癖つけて追い出せば良いだけだ。守っている地域は広大で大陸の一部ではあるが自分の一族くらいなら十分の範囲だ。どの種族も同じ様に考えて代表者を十数人送り出した。だが来てみれば、“精霊様“はどちらかと言えば攻撃的だし、“聖域“に近づくなと捲し立てるばかりで話も出来やしない。かと言って“精霊様“を傷つければ世界中の全ての“精霊“達から見放される。それはどの種族にも言える事だから誰も攻撃はしない。


《参ったな、“精霊様“と何とか話をしないと如何にもこうにも話になんない。》

《やっぱり人数減らして行くしかないでしょうね、侵略の意思なしって見せないとまず話聞いてくれませんからね…。》

《仕方ないな、俺1人で行ってくる。ここに敵はいないからな、武器は全部置いていくが、他の種族も結構来てるみたいだから、気は抜くなよ。》

《わかってますって、若じゃないんだから大丈夫ですよ!》

《言ってろ!》


“聖域“から離れたキャンプ地から1人で服を整えた獣人族イシュバは、ゆっくり進んでいく。敵意がないことを示す為、2本足で立ち、事情を話しながら歩く。


《“精霊様“。“精霊様“に敵意はありません。“精霊様“がお守りになっている“聖域“がどの様な所か、一度中を見学したいのですがいけませんか?ちょっとしたお土産も欲しいです。“聖域“も傷つけるとか、強奪とか、荒らすとかはないです。ただ来たっていうお土産が欲しいんです。本当です。獣人族は乱暴者って思われるかも知れませんがそんな事ないです。嘘は言えません。って言うか嘘ばかりの奴らもいますが僕は違います。お土産が欲しいだけです。おっきくなくていいのです、小さくても“聖域“の物ってわかる様なお土産ください。お願いします“精霊様“お話だけでも聞いてください。》


側から聞いていれば情けなさ過ぎる内容なのだが、嘘をつけない奴なので本心なのだから仕方ない。本人も何とか“精霊様“と交渉する為に嘘偽りない気持ちを誠心誠意伝えているつもりなのだ。“精霊様“の中には嘘や詐欺などを見破る能力がある者もいると聞いていたのでイシュバとしては本心を偽りなく告げるのが最善だと思っている。


だが、ここの“精霊様“達にとってはそんな事よりもジェフィティールの“聖域“に近づく事も、何かを持ち出す事も、ましてや中に入れるなどありえない事なのだ。だが、攻撃の意思がない事だけは確信が持てたので話をしても良いのではないかと思い始めていた。

同じ頃、他の地域にも“聖域“目指してやってきている種族が複数あり、それぞれ同じ様に近づくのは1人で敵意は無いのだと主張している。


各種族を相手にしている“精霊“はそれぞれに「ここは不可侵の“聖域“であり何人も入ること罷りならん。ここの全ては我らが父なるジェフィティール様の物。」と言うことを伝えたがどの種族も攻撃はしないが立ち去りもしない。その所為で元々近隣に生息している猿人族や鳥人族などが迷惑だと“精霊“に伝え出した。こうなると“精霊“達だけではどうにもならなくなってきた為、遂にスィフィルに助けを求める事となり各種族1人ずつ参加の会合を行うに至ったわけなのである。



ーーーそして、今。ーーー


俺は考えていた、“精霊“が世界に散らばり、ここの情報を共有している時点でバラルエルトニー大陸のここにいない種族達にも遅かれ早かれ情報が漏れ、ここにきた奴らと同じ様な行動をとるだろう。そう、スィフィルの言う通り“精霊“達の行動にこそ一番迷惑を掛けられているのだ。だからといって“精霊“達は自由の存在だ、どうこうするつもりはないが、遠ざける事はできるだろう。


「…俺としては、争いは好まない。この大陸は俺の所有物ではないから俺の領地…とも言える<リーヴェル>の別荘地以外ならどう生活しようと文句はないが、この近隣の住人達とは良好な関係なんで助けを求められたら、勿論そちらに付く。この大陸の平和を乱すのであれば、悪いが、排除させてもらう。」

『父上が決定された事に異議は認めない。各々住処に戻るがいい。“精霊“よ、お前達には()()()()()()()。父上にご迷惑をお掛けしたのだ、それぐらいの償いはせよ。』

「:畏まりました、スィフィル様。バラルエルトニー大陸全土において全種族の監視をいたします。:」

「(あれ?そんな事言ってないよね?拡大解釈しすぎじゃない?)」


スィフィルは当然のような顔で頷く。おかしいよね、“精霊“は自由でいいんじゃない?どっちかって言うと関係を断ちたいくらいだよね、だって、彼らと繋がってると面倒ごとしか思い浮かばないよ?スィフィルにしては珍しくそんな判断するなんて、何か考えがあるんだろうけど…。まぁ、任せてるんだから何も言わないでおくべきか。


『聖獣、お前の住処は西の大陸と言ったな。他の聖獣達に迷惑をかけるなと釘を刺しておけ。でなければ排除対象となり易い力を有しているのだからな。』

「:…妾は住処から基本動かぬゆえ近くに来た聖獣には伝えよう、しかし他は知らぬ。それぞれが好んだ地域を回っているのだ、この辺りに寄り付かぬ者もいるしお互いあまり関与しないので連絡もつかん。排除されたとて自業自得の結果と他の聖獣達も復讐心などは抱くまい。それと妾の名はシュナイツだ、他の聖獣と一括りにされたくない。:」


聖獣シュナイツはこの<リーヴェル>に入る前に姿が変わった。自分の意思ではない。ここの結界を通り抜ける時に変化させられたのだ。こんな事はありえない、聖獣である自分に影響を与える事なんてこの世の誰も出来はしない筈だ。だが、この結界を通り抜けるときにまるで自分の服が消えるような、自分を守っている膜が剥がされて素肌が出てしまった様な、恥ずかしくて心許ない感覚になった。そして聖獣は燃えるような赤い毛並みのボルゾイのような姿になったのだ。従来の彼女は同じく赤い毛並みだが姿はティラノサウルスに似た恐竜の様な姿で火山の側を住処としている。その姿は周囲の魔獣を威嚇するためでもあり西の大陸では必要な事なのだ。


始めは“精霊様“の噂話として小さな獣達があちこちで“聖域“の話をしていたのだが、ある時、不思議な魔力を東から感じた。一瞬の事だったが芳しい香りの様に誘われるものだったので、その場所を確かめる事にしたのだ。獣人などでは10日程かかる距離も、聖獣である彼女には数時間で辿り着く距離でしかなかったが着いてみれば結界が邪魔をしてそれ以上は全く近寄れなかった。


聖獣の中でも序列二位の自分が破れない結界に冷静な彼女は怒るよりも恐怖を感じた。序列二位だが実質実力は一位の彼女はただ聖獣達を纏める役が面倒でその地位を譲っているだけだからだ。そして結界の周囲を威嚇している“精霊“は今までの“精霊“とどこか違う。色々な“精霊“がいる事は知っているがそれでも何か違うのだ。進化と言えなくもない違いが感じられた。そうして考えているうちにその“精霊“に中に入りたいのか尋ねられ肯定すると、結界内に誘導される途中、姿が剥がされた為シュナイツはビクビクしながら会合に参加する事になった。そう、ボルゾイのような今の姿が誰にも見せた事のない真実の姿だからだ。だがそんな事を悟られるわけにはいかない。聖獣として、虚勢を張っているなどと決して知られてはならない。


「:…偶になら、ここに来ても良いと言われたはずだ…。月に一度くらいは良いだろうか?:」

()()、と言ったはずだ。年に一度一日だけ許可する。』

「:それは少な過ぎる!もう少し増やしても罰は当たらないだろう?:」

『愚かな…。罰を与えるのは父上だ。それに聖獣それぞれ1日ずつなのだから寛容ではないか、年に数回はあるだろう?』

「:ぬぬ……。わかった、それで良い。:」


シュナイツは意外にもあっさりと承諾した。彼女にとってスィフィルとのやり取りは精一杯の交渉だったのだ。実際ジェフィティールとスィフィル以外は「よくぞそこまで交渉できるな、流石聖獣様だ」という見方の様だった。

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