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ガルドエスタニア大陸、命名はジェフィティール。この惑星の北半球の巨大な大陸で本来は大陸の地図さえできていない。つまりまだ認識されてない為名前がないのだ。人、獣、魔獣などが生息している。
バラルエルトニー大陸、命名はジェフィティール。同じくこの惑星の南半球の巨大な大陸であるが、例えるなら大きな大陸の集まりで、大陸同士の距離は日本の本州と九州の近さである。八大陸がほぼ近くにあり、獣、魔獣、精霊、聖樹、聖獣など、人以外の種族が生息している。
ベオグルリンドス帝国があるのは、この惑星の北半球にある大陸の更に北東の位置にある。
南に行けば行くほど魔獣が多く生息している為、比較的に魔獣の少ない辺りに人が住みつき生活基盤を築いたからだ。帝国と大層な名がついているが、歴史は浅い。建国約100年、人口も2万人程だ。 隣国のガウナブダヌ国、ネヴァンバズブ国から、そこそこ腕が立つ者達と、これまたそこそこ知恵の回る魔術師達が勝手に独立して、空いてる土地に住居を構え名乗りを上げたに過ぎない。力関係では魔術師達が弱いので一番腕の立つ戦士がリーダーとなり、その名に因んだ国名になったのだ。
人口も始めは100人にも満たない人数だったが、新しい国が出来たと言う噂からいつの間にか増加していた。それも基本的に戦士の様な腕に覚えのある者ばかりで、次いで魔術師、最後に狩人だ。
未だこの世界は全人口合わせて20万人前後しかいない。その他の種族の方が多いのだ。精霊、聖獣、天人族、水人族、獣人族、岩人族などは合わせて1200万人位いる。比べれば人が少ない事はわかるが、それはつまりまだ人が一番弱い存在なのだ。怪我や病に弱い、他者からの攻撃に弱い上、攻撃力も一番弱い。魔術や武器を用いて戦い、鍛錬などをして身を守る術を手にしてなんとか生き残っている種族と言える。
客観的に見てその様な人族は、狭い自分達の世界だけで権力争いをしている愚かな種族だ。どれだけ世界が広いのか、海がどれだけ大きいか、この惑星にどれ程の生命が生きているのか、他の種族に攻められればあっという間に絶滅してもおかしく無い状況下で、自分達は強いと勘違いできるほどに無知なのである。
以前、天人族が絶滅したと思っていたが、何の事はないバラルエルトニー大陸に移住しただけだった。人族以外全種族が其々縄張りを持って過干渉せず穏やかに生活している様だ。
ジェフィティールは、この惑星の情報を手に入れてから面倒事が起きない様に隙間を探していた。ガルドエスタニア大陸でも良かったのだが、ほぼ陸続きで砂漠地帯が多く生活し易そうな地域に魔獣が多く生息していては、面倒な問題が直ぐに起こりそうで早々に諦めた。バラルエルトニー大陸は大陸の寄せ集めの様になっていて、環境その他申し分のない島が見つかったのだ。ジェフィティールにしてみれば、ニヤニヤが止まらない。
「(何だかマダガスカル共和国位のサイズの大陸なのが良いね。他の大陸と比べても距離が離れてるのも良い。うん。ここに決めた。)」
ジェフィティールは地上の集会所の場所を決め、スィフィルに伝える。ジェフィティールは建物をどんな感じにしようかとワクワクしていたが、スィフィルに現地に行ってから、と嗜められた。
「だってさ、別荘を建てる様なもんでしょ? 楽しくない訳がないよね? そりゃワクワクして当然でしょう?」
スィフィルはその言葉を聞いて、ジェフィティールにとって地上に腰を据えるつもりはないのだと確信した。何時でも切り捨てられる“別荘”を作るのだから…。スィフィルもしっかり笑顔で答える。
『左様ですね。私もとても楽しみです。(地上のものなど全て父上の玩具で良い。ふふ)』
「ログハウスっぽいのはやめて、ホテルっぽくするよ。それもサファリにある様な景色の邪魔にならない、けど高級感のあるホテル。プールも良いね。スィフィル、俺の日本人の時の記憶に良いのがあるんだけど、これなんてどうよ?」
ジェフィティールは記憶のイメージをスィフィルに伝える。建物の高さは中層位、色は周囲に馴染む色で、獣に入られない様に囲まれているもののそれ自体も目立たない工夫がされている。プールもありパラソルもプールサイドにある。食堂は景色がよく見える様に間口が広い。全部屋スイートルームの様に広いベッドとリビングルームがあり勿論風呂トイレ完備だ。リネンも良いのを揃える。
『父上、これは素晴らしいですね。ただ、父上もご存知の通りリネンもベッドのスプリングもこの世界には御座いません。お風呂も勿論ですが、服装も靴に至るまで父上が守護者達に着せた様な服は存在しません。私では未だその様なものを製作できませんので父上にお願いするしかありませんが、よろしいのでしょうか?』
「別に大した事じゃないから、良いよ。俺の魔力で作ってるだけだから簡単だし、頑丈の筈だしね。言ってくれれば何でも作るから、早く行こうよ。」
『(本当に楽しみなんですね、父上は)…かしこまりました。早速参りましょう。』
「よし!行くぞ!」
ジェフィティールはスィフィルの肩を両手でガッチリ掴み、スィフィルが引くほどの笑顔で言うと、瞬きの瞬間に2人はバラルエルトニー大陸の上空にいた。




