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異世界転移?無双?チート? 好きに生きる為に必要みたいなので喜んで⁉︎  作者: ゆるゆる
始まりの始まり

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フォルツァムナー

側からは落ち着いて見えるスィフィルの内心は不安で一杯だった。“記憶と能力“を取り戻す度に、ジェフィティールの意識が少し何処かに行ってしまっている様な気がしていた。教えてはくれなかった事でも心中を覗いてしまうべきだったのではないのか、何かしら心配事がある様だったのに、安全対策を怠ったのではないかと自分を責めた。


何時間経ったのか、それとも数分しか経っていないのか、スィフィルと守護者には恐ろしい時間が永遠に続いている感覚であり、全ての忍耐力を使い切るのではないかと思える程の時間が過ぎた。スィフィルはもう待てないとジェフィティールに手を伸ばす。


「おっと、えっと…。スィフィル?」

『父上!』

「お? どうした?」

『どうした、ではありません!…〜!!…ふー…。』


スィフィルは使い切ったと思った忍耐力を復活させて、暴れ回る感情を抑えつけた。深呼吸をしてからジェフィティールに現状の説明を求めた。


「あぁ…。そんなに時間は経ってないでしょ? え、うん、うわっ、5分も経ってるのか!ゴメンゴメン、そんな予定じゃなかったんだよ。」

『(たった5分(・・・・・)⁉︎ まさか、そんな短いわけが…えぇ⁉︎ 私の忍耐力は、そんな筈は…)』


2人とも時計がある訳ではない、この星の動きを<ヤクシェム>を通して計算しただけである。スィフィルはジェフィティールの意識がここに居なかった間の恐怖の時間、もう少しでも長かったら正気を失っていたかもしれないと思っていた。もしも、もしも…。


「ホント、マジでゴメン。ちょっとアイツとやり合ってて時間くったんだよね。もう大丈夫だから。」


スィフィルが無表情でぐるぐる考えてると、ジェフィティールはムッとされてると勘違いして、内密にしていた事をぽろりと口走る。勿論、それを聞き流すスィフィルではない。


『父上、“アイツとやり合った”事について詳しくお聞きするとして、先ずは拠点<ワーヒドゥ>の守護者も父上の事を大変心配しておりました。お声をかけてやって下さい。』

「お? ホント? 心配かけてゴメン…ね…?(大蛇?そう言えば、巻き付かれた様な?)何でそんなに遠巻きにしてるのかな?」

『私が結界を張ってますので。』

「何故に?」

『父上に危険が及ばない様にですが?』

「(そんなに危険なの? アレ)」


そんな会話に守護者は果敢にも入ってくる。


『父上様、無事のお戻りに安堵致しましたぞ。ワシも動転して巻き付くなど失礼致しました。』

「いや、まぁ、特に何ともないからいいけど。そう言えば、名前付けないとね。」

『何と!この様な失態を冒したワシ如きに、ありがたい事ですじゃ。』

「(その口調の大蛇に父呼ばわりされたくないんだけど…。)」


ジェフィティールは、年齢が高そうな、長く生きてそうな、知恵がありそうな、そんな名前はないかと頭を捻る。が、そんな都合の良い名前がある訳が無い。そう、いつも通り直感だ。


「じゃあ、君の名前は…フォルツァムナー。これからも、よろしくね。」


そして変化する。


脱皮した様に現れたのは、巫女の様な髪飾りと髪型で、服装は白拍子の様だ。しかし下は牛若丸が着てそうな水干に似た裾丈は短い物だった。何故牛若丸っぽいのか、それは、帯刀しているし…10歳くらいの子供だからだ。


「(何で子供? 何でこの格好? 俺の影響? 子供って事は魔力が少ない? いやスィフィル以外では別格でトップだろう。それに両腕に絡みついてる白黒の蛇も、眷属か?)」

『父上様、フォルツァムナーの名、有り難く頂戴いたしますじゃ。拠点<ワーヒドゥ>もより一層[神の嶺}に相応しい拠点となる様いたしますので、ご安心めされよ。』

「いや、無理。だって名前とイメージが違いすぎ。それに口調も、何で女の子な訳?おじいさんだと思ったからそんな感じの名前にしたのに、俺がセンスないみたいじゃないか?」

『父上、全く問題ございませんよ。フォルツァムナーが父上の希望通りの姿に変えれば良いのです。ね?』


スィフィルの『ね?』は、フォルツァムナーを威圧して言う事を聞かせるみたいで嫌なんだけど…。ほら、びびってるし。


「はぁ、やめてあげて。俺はちょっと違和感があっただけだから、慣れるよ、そのうち…。」

『ワシの浅慮がご迷惑を…。ワシはただ、父上様を父上様と呼んでも恥ずかしくない様にと思っておったので、この様な子供の姿になったのではないかと考えますじゃ。』

「それでも俺の子設定はおかしいけどな。兄妹なら良いけどね。」

『ダメです!』『良いのですか⁉︎』


スィフィルとフォルツァムナーの声が同時に発せられた。そして2人で良いの、悪いのと言い合っている内に、俺は自分を見直す。

外見は17、18歳、中身もほぼ同じだ。ほぼ…ね。だが、完全じゃない。完璧である必要はないが、俺は[俺]という者に完全になりたい。矛盾を抱えた欠点だらけの[俺]に。


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