閑話 オーパールの印と格付け
残酷な描写があります。なるべく控え目にしたつもりですが、苦手な方はやめておきましょう。長すぎてしまいました。分ければ良かった。閑話ですので、飛ばしても大丈夫…です。暇な時に読んで下さい。
この世界には〔霊力〕が存在する。
この世界での霊力とは、あらゆるものが持つエネルギーの総称で、その大小にかかわらず存在するものである。霊力があるから生命が生まれ、その生命からまた霊力が生まれる。
魂源を持つものは霊力が強く、魂源を持たないものは霊力が弱い。
簡単に言えば、生命あるものは霊力が強く、枯れること無く霊力を生み出し、生命ないものは霊力が弱く、次第に薄れ朽ち果てる。道具などがいい例である。
霊力は、消滅していくというのが一般常識であるが、実際には物体から霊力が抜けて行く為その物体から霊力が無くなるのであって、抜け出た霊力はその場に留まれない為に霧散しているに過ぎない。
霊力の性質によっては空高く、又は地中深く還元され、生命に再び結びついてゆく。
魂源を持つ者の中でも霊力の差はあり、霊力を使って術を行使する事ができる者とできない者がいる。
できないからと言って何も不都合は無い。ただの人、動物、植物として生きているだけだからだ。
霊力を多く行使できる者は、霊能師、法術師、法師、術師などと呼ばれ 様々な術を行使できる。
また、魔獣などが術を使用する為近年ではそうした術の総称を【魔法】と言うようになった。
その為、魔法師、魔法士、魔術師、魔導士等々【魔】の付く呼び名が一般的に使われる様になったのである。
霊力・魔力には性質と格付けが存在する。色が多く複雑になれば上位、色が単色で透明に近ければ下位。
これは人が定めた基準であり、強さの目安とされている。しかしこれが全てではない。
虹色が出ない霊力は格付けが下がる。
虹色も色々な出方があるが、虹色が美しく発色しているもの程上位の証となる。又、ただ虹色が出るだけでなく基本の色も格付けには大切だ。
基本がほぼ黒が奇跡級、紺、紫ときて色が薄くなる程下位になり、霊力も勿論下がる。
ここでホワイトオーパールの属性が低いのは、虹色がぼやける事が多く色も単色だったり複数色が出ても虹色までならない事が多いからで、綺麗な虹色を発色するのは【王位】の月白の虹だけだからだ。
また、【オーパール】が全部の爪に宿る事も珍しく、魔力量によって宿る数が変わる。
現在確認できている最強と言えるのは、ジェフィティール・ブラフマオグマ。
[残虐な邪神][暴虐の魔王][無慈悲なる破壊神]などと最後には不名誉な異名をつけられた者。
嘗て[神にも等しいチカラを持つ者]と畏れられた彼の、全ての指先にゆらゆらと宿っていた起源の虹。彼以外に同等の虹色の型を持つ者はおらず、魔力がゆらゆらと指先から漏れる程の魔力量を持つ者も確認されていない。
【帝位】【皇位】【王位】それぞれの簡単な基準は、オーパールが最低片手分指先に宿っている事、美しい虹色が片手の半分以上現れている事、となっている。
だが、位の名が示す通りその様な者は居ても数名、多く居る国でも数える程度だ。
実際、それだけの魔力、霊力を持ってすれば戦力として一騎当千に裕に値する。だからと言って各国の指導者が必ずしも持っている訳でもないし、なければその地位につけない訳でもない。
オーパールは系統がその血族に遺伝しやすい為、欲するものは婚姻など結び取り込んでいくのだが、そう簡単に【帝位】【皇位】【王位】等が生まれ出るものではない。
しかし、人の欲は際限がなく罪深いもの。より高位で、より強いオーパールを求める者は増えるばかりで、争いは何時でも簡単に始まる。生きる為に必要ではなく、他者を抑えつけるチカラを欲するのは大概大きな群れを作る種族だ。それは群れを守る為なのか、ただの欲なのか…。臆病故か…。
魔力を持つ者が等しく、そのチカラを発揮出来るとは限らない。
「一つとして同じオーパールの印が現れることは無い」と言われるほど、虹色は複雑だ。虹色の型も同じ型に同じ虹色が必ずしも配色、発色することは無い。
魔力を使用した術の行使の為には本人の研鑽が必要不可欠なのは周知の事実である。それぞれに使用できる術に違いがある為、習うより慣れろ、と言う事になる。
【オーパールの印】と呼ばれるものがある。
それはジェフィティールが名付け定着したものだが、今では広く知られているもので現在、魔力の質、量、属性の基準となっている。次に表記されているものはこれまでにジェフィティールが確認し名付けた種類だけであり、この他にもきっとあるに違いないと、ジェフィティール自身が書き記している。
位 属性 虹色の型【オーパールの印】
【神位】 ブラクオーパール 起源の虹
ブラクオーパール 天玄の虹
ボルドオーパール 紫紺の虹
ボルドオーパール 深縹の虹
ランパオーパール 琥珀の虹
ファイヤオーパール 紅緋の虹
【帝位】 ウォルタオーパール 瑠璃の虹
【皇位】 ライトオーパール 純白の虹
【王位】 ホワイトオーパール 月白の虹
【爵位】 グリーンオーパール 竜眼の虹
【臣位】 ホワイトオーパール 黄檗の虹
【民位】 ホワイトオーパール 白縹の虹
オーパールに【位】をつけたのは何処かの知ったかぶりの学者と権力者だが、ジェフィティールのことを【神位】を持つ者として、[ブラクオーパールの起源の虹を持つ者。]と例える事がある。分かり易い能力の説明みたいなものだ。 また、【オーパールの印】を持つ者しか虹色は宿らないので省略して[起源の虹のジェフィティール]と呼ばれる事も増え、定着していた。
【オーパールの印】を持たない者が殆どの世の中で、実際、【帝位】【皇位】【王位】の虹色を持つ者は居ない。居るとされているが、それは片手2本の爪に宿っていたのが最高で、両手それぞれ3本以上の爪に本来宿ってこその【位】なのだが…。
人の見栄とは面白いもので、他者より優れている事で優位に立つ事で安心し、また、他者への威嚇にもなる。その為、マニキュアの様に爪に色をつけるのだ。普段から手袋をはめ、必要時にチラリと見せるだけ。魔法を披露する訳でもない。権威の象徴として必要なだけだ。
【位】などで魔力や属性に差をつけ始めた頃、愚かしいものは美しい虹色を持つ者の指を切り落とし、又は爪を剥ぎ、自らの爪に重ねその色を我が物にしようと蛮行を働いた。幾らその様な事をしたところで爪は色を失うか、元々の持ち主の色に染まるだけであった。
又、綺麗な虹色を持っていても、その術の理解と修練を重ねる事によって使用できる様になるもので、虹色を持っていても発動するための下地が無ければ、宝の持ち腐れになる事は虹色の存在を知っている者、知識人、上位人にとって周知の事実であった。
指を失った者、爪を剥がされた者達は生きて魂源が消滅するまでは指先に虹色が出なくても魔法は使えるが、他人からはどんな虹色を持っているのか、認識できなくなる。爪は伸びると再び虹色を宿すが隠す一般人が増え、見せびらかす上位人とに分かれていった。
【帝位】【皇位】【王位】を持つ者はいない。【爵位】【臣位】【民位】はいる。
【爵位】竜眼の虹はジェフィティールの嘗ての仲間4人が持っていた。それぞれ虹色の現れ方は違うが指先全部に宿っていた。
【臣位】黄檗の虹はある程度人数がいる。しかし両手全部に虹色が宿る者が、ほぼいないのもこの【臣位】である。戦で両手全部に虹色を宿している者が駆出され、戦死したからだ。
【民位】白縹の虹はいるが見つけるのは難しい。虹色が出にくい上定着しにくいのか、以前あったはずの虹色が消滅していることもあるからだ。その原因は未だ解明されていない。
結局は、【オーパールの印】が綺麗に、濁りなく、数多く指先に宿る事と、その者の鍛錬、研鑽具合により、魔法の種類、威力が大きくなる事。他者の持つ魔力、属性を獲得する事は出来ない。という点が証明され、周知されていく様になった。
常識外にいるジェフィティールを除いて…。




