閑話<泉からログハウスに向かう3人>
3人の管理者は神秘的な泉の側からスィフィルが突然消えたことにワタワタと慌てたが、暫くして何かを納得した様に落ち着いた。
『ふ〜、創造主様がお戻りになったのですね。合点がいきました。』
『その様だ。我等に構わず瞬間移動されたのだからな。』
『…私達も…行った方が……良いのでは…ないかしら?』
『そうね、ここは監視者に任せてご挨拶に向かいましょう。』
『我等では移動に時間がかかるからな。』
『…えぇ…』
3人はログハウスに向かいながら話し始める。急ぎ過ぎず、遅過ぎない様に。
『それにしてもスィフィル様は創造主様に忠実と言うか、何というか、アレだな。』
『そうですね。大変好いておられる様ですね。』
『…スィフィル様…可愛いらしい…』
『ユミス…。流石に可愛いらしいは不味かろう。サイズは掌サイズだが、お力は言うに及ばず性別は男性であるしな。プライドだっておありだろう。』
『あら、マーラ。あなたの“アレ”と言うのも不敬ではないですか? “掌サイズ”と言うのも聞き様によっては、馬鹿にしている様に聞こえますし、ユミスより余程言葉選びは慎重にしませんと。』
『ぐっ⁉︎……わかった。今後注意して発言しよう。』
マーラは自分の言葉使いがよろしくない事に自覚があり、『気をつけているのだが』と下唇を突き出した。
『ヴェリュも…気をつけて…。スィフィル様を見る…視線…気持ち悪い…。』
『それな!ねっとり舐め回している感じが我ですら鳥肌が立つのだ、スィフィル様にとっては不敬以外の何ものでも無かろう!』
『何ということかしら、その様に言われるなんて。スィフィル様の全てを見逃さない様にしているだけなのに。』
此処ぞとばかりにマーラはヴェリュをビシッと指さすが、ヴェリュは手で顔を隠し悲しそうな素振りをするだけで、2人には反省していない事がバレバレの為せめて連帯責任だけは免れたい、と思うのだった。
『我等が言うまでもなく、スィフィル様は気付いておられるだろうが自重するのだな。不快に思われ不敬を咎められれば、存在する事を許されなくなるぞ。』
『…同意します…』
『…はぁ…。分かりました。極力注意致します。スィフィル様のお近くに居たいですから。』
そんなどうでもいい事や互いの眷属の体制などを話しながら3人は移動を続ける。
『それにしても、創造主様はとんでもない魔力量だよな。この広い世界を簡単にちょちょいと造られたのだから…。』
『私達3人合わせても…いえ、余りにも格が違いすぎて論じる事自体愚かな事ね。 あの泉もログハウスも遠巻きに見守る事が精一杯ですもの。』
『…ログハウスに入れる…スィフィル様は…泉も…入れる…?』
3人は顔を見合わせて、スィフィルが泉の結界らしきものに手を触れる前に瞬間移動した事を思い出した。
3人にとっては生み出してくれたのはスィフィルで、個々の特性や能力の固定して存在を顕現化させてのは創造主のジェフィティールである。
ジェフィティールは勿論、きっとこの世界の真の管理者であるスィフィルなら泉にだって簡単に入れるのだろう。だが、彼は泉が生まれた事を知らずにいた様だ。
『ここは、我等にとって神が創造された美しく神秘的な世界だ。勿論 “神” とは創造主様であるし、我等を生み出したスィフィル様は神の御使様だ。』
『そうね、そして私達は管理者に任命されているけれど、一方でこの宇宙樹の島の住人でしかないのよね。』
『…この<ヤクシェム>が…美しいまま…保つ様に…がんばる…』
3人が決意を新たにしたところで、ログハウスが視界に入ってきた。そこには創造主様と見知らぬ人が立っていた。




