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君が君である限り、  作者: 蛇骨姫の龍鳴
3/6

3.日常とは

最近みんな何してる?

 冬が過ぎ、春の陽気に包まれているアリシア王国。


 これはその王国の王城の中で起きている日常の話。


 通常よりは少し大きい部屋。

入って左上の隅に窓がありその下にベッドが、

真ん中には大きな丸テーブルがあり下に紺色の絨毯がひかれている。

そして右側には普段使う用の机と本棚、そして机を照らすように窓が設置されている。


 ここはシンのために用意された部屋である。

魔王との戦いが終わったあと、グランとの約束どうり

身内のいないシンをガレスが引き取ったのだ。


 しかし国民は事情を知らないため、もしシンが

王城で暮らしているのを見たら混乱し、隠し子なのではないかと邪推するだろう。それを防ぐためガレス達

国王側はこのように国民へ発表した。


"産まれた時から重い病気を患い、生死を彷徨っていた為に公表できなかった第3王子:シン・S・アリシア

の病気が無事完治した。よって少し遅れたが、ここに

第3王子:シン・S・アリシアの誕生を発表する"


 これは当時魔王との戦いでの勝利と魔王と相打ちで死んでしまった"大"英雄グランを追悼する大規模なイベントが行われていた時に発表された。ちなみに、

シンの父はガレス、母は第2王妃のシルヴィということになっている。彼女は緑髪の全てを包み込むような

抱擁感のある人だ。(胸ではない)


 おそらくガレスの策だったのだろう。特に誰も疑うことなく第3王子の誕生を祝福し、今では当たり前のこととして認知されている。


***


「シン様起きてください」


 誰かに体を揺すられる


「シン様起きてください」


 2回目でやっと目が覚めた


「ふぁ〜」


 大きな欠伸をしながら掛け布団をどかし、ムクリと体を起こす。そして手でゴシゴシと目を擦りながらもう一度欠伸をし、そらからやっと目の前の少女に挨拶をする。


「くろうぇ、おはよぉー」


 まだ寝起きで意識がハッキリとしていないから

なのか呂律が上手く回っていない。


「おはようございますシン様。朝食をお召しに

 なられますか?それとも先にお風呂に入られます

 か?」


 さして気にした様子も無いクロエに聞かれる。

 

 クロエは僕より5歳うえの8歳で、僕の"せんぞくめいど"をしている。お母様によると、お手伝いさんの様なものらしい。


「う〜ん、おふろにする!」


 まだ眠たいからお風呂に入ってスッキリしたいし、クロエは僕をお風呂に入れるの好きらしいしね。

なんでか分からないけど


「かしこまりました!すぐに用意しますね!」


***


 場所は変わってお風呂場。

そこでは、クロエが楽しそうに鼻歌を歌いながら

シンの身体を洗っていた。


「ねえクロエ」


「どうしました?少し強くやり過ぎましたか?」


 クロエが心配そうな顔を向けてくるので、

すぐに否定する。


「ううん。なんでクロエは僕をお風呂に入れる時嬉し

 そうなの?」


 実は前からずっと気になっていたんだ。


「え?えーと…」


 クロエが恥ずかしそうに体を揺らす。

うん、可愛い。

 

 そして決心したかのような顔をし、僕に言った。


「好きなんです!!」


 …好き?


「シン様の綺麗な青い髪を撫でるのが!!

 初めて触った時からあの感触が忘れられなくて…」


 どうやら僕の髪を撫でるのが好きらしい。


「べつにいつ撫でてもいいのに」


 言ってくらたら良かったのに。

多分怒られると思ったんだろうな、僕は主人で

クロエはただのメイドだから


「い、いいの!?」


「いいよ」


「やったー!!」


 クロエが飛び跳ねて喜ぶ。

あぶないっ!お風呂場でそんなことしたら


「きゃっ」


 クロエが足を滑らして地面に頭をぶつけそうになる


「あぶないっ」


 僕は倒れそうになっているクロエをギリギリで

抱き止め助ける。


「ふぅ〜、あぶなかった〜」


 良かった〜。

意識してなかったらきっと間に合ってなかった

だろう。


「クロエだいじょうぶ?」


 腕の中にいるクロエに尋ねるが、返事が帰って

こない。僕の顔を見ながら固まっている。

もしかしたら僕の気付かないうちにどこかを打った

のかもしれない。そう思って少し焦りながらクロエの体を揺する。


「クロエ!クロエ!」


「シン…様?」


 何度か声をかけると、ようやく返事が返ってくる


「うん、そうだよ。クロエはだいじょうぶ?

 どこか痛くない?」


 返事が返ってきたことに安堵しながら、少し

心配になって大丈夫か尋ねる。


「……ッッ」


 クロエは、ぼーっと僕の顔を見たかと思うと、

顔を真っ赤にして


「し、失礼しましたっ!」


 そう言って僕の腕を解いてお風呂場から走り去ってしまった。


「ど、どうしたんだろう?」


 僕はわけもわからずその場に1人取り残される。

どこかからお母様が「アオハルね〜」なんで呑気に

言っている声が聞こえた。


「…寒いから部屋に戻ろ」


 僕は考えることを放棄して帰ることにした。


 5歳児には難解すぎる。まぁいつになっても

理解できないような気がするけど…


***


「なにしよっかな〜」


 本来なら今頃朝食をとっているのだが。いつもはクロエが食事を持って来るため

それも出来ない。


 本読もうかな?

最近は本の読み聞かせをしてもらったり、文字の勉強をしたりしているので、少しぐらいなら本を読むことができる。


 うーん、これにしよ!


 本棚の前で少し悩み、結局1番取りやすいところに

あった本を選んだ。


 えーとなになに?"始まりの魔物スカーレット"?

始まりの魔物ってなんだろう。気になって本を開くと、


………うん。全く分かんない。


 本の中には見たこともない文字の羅列が踊っていた。

誰だよ!こんなの僕の部屋に置いたのは⁉︎


いいや、寝よう。


 結局、なんか色々と疲れて来て、ベッドに潜り込むのだった。

そして、顔を赤くしたクロエに起こされるまでがワンセットである。



 ちなみに、シンを放って行ったクロエは先輩メイドに激怒され、仕事を増やされたらしい。


 また、恥ずかしくてシンの顔を見れず、

地面を見ながら仕事をするクロエがたびたび確認

されたとか。されてないとか。



 


 


アオハルだねー。

最後まで読んでくれてありがとうございました!

最近アオハルな体験したよーって方!是非、コメントで教えてください!

評価とブクマもお願いします!!

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