瞳からつづくせせらぎ。
柔らかな肌を晒す山。
柔らかな腹を晒したままで、私はここから臨む。
解れた布団の糸に縛られて、私はここからあの山を臨む。
言い訳を引きちぎるだけの力は残しながら、私はここに留まっている。
倦怠が雪崩れ込む背中に拒む理由を預けて、私はここから見上げている。
希望を跳ね返すような振る舞い。
真昼の乱反射に手をこまぬいて、私はここに足止めされる。
遠近感も狂わすほどの、柔肌晒した頂霞む。
連れていかれるなら、雪解けがせせらぐ谷へ。
拒絶の会話が心地よくなる時間へ。
希望を洗い流すような佇まい。
剥き出しの脱力が道連れに誘う旅へ。
親近感が狂うほどの、瞳から続くせせらぎに身を預けるだけ。
もうすぐ生命が沸き立つ頂が霞む。
私はここから臨むから、柔らかな時間に誘われるままに。