1話 『希望』。
あれ、おかしいな……
終わらせたはずなのに、
どうして、まだ続いているんだ……
……いや、もう無理なんだって。
リアルが忙しくなってきたから、
毎日2話は、もう無理。
すでに限界だから、ここで終わらせるしかないんだって。
ほんと、きつすぎるし、体もだるいし、頭いたいし、
つーか、450日も連続で毎日2話投稿したんだぞ。
もう十分立派だって。
ほかの誰にできんだよ、そんなこと。
だから、もういいよ。
休もうよ。
――もう、他は何もいらない。
『あきらめていい』って証だけほしい。
私なら許可を貰えるはずだ!
あきらめていいはずだ!
【……それでも……】
1話 『希望』。
「……あっけない最後だったな……いつもと同じだ……最後は、いつも空虚で、はかなくて……」
と、P型センキーが、あっけない終焉に浸っていると、
――ふいに、
「……ん?」
気配を感じて、P型センキーは視点を降ろした。
すると、
目の前に、
「きゅいっ」
一匹の携帯ドラゴンが、小さな羽をパタパタさせながら、
P型センキーの目線に合わせた位置で、ホバリングしつつ、
P型センキーのことを、気合いの入った目で睨みつけていた。
「……センエースの携帯ドラゴンか……ふむ……」
そこで、P型センキーは、少しだけ考えて、
「俺に奪われる直前に、コアマテリアルを分離させたのか……悲しくなるほど小規模な『最後っぺ』だな。最後の最後まで諦めないという、その気概は称賛に値するが……しかし、あまりにも意味がなさすぎる」
やれやれと溜息をついてから、
「それで? 随分と気合いの入ったツラをしているが……俺とやるつもりなのか?」
「きゅい!」
携帯ドラゴンは、気合い満々の顔でそう叫ぶと、
小さな『おてて』をギュっと握って、ファイティングポーズをとった。
「……こちらとしては、たいした手間でもないから、別に構わないんだが……しかし、お前、キチンと理解しているか? どんなに頑張ったところで、お前ごときでは、俺に擦り傷一つあたえる事もできず、鼻息一つで消滅させられるという事実」
「きゅいっ!」
百も承知っ!
――とでも言いたげなテンションで叫んだ、センエースの携帯ドラゴン。
「……ああ、そう。じゃあ……こいよ。ちゃんと、終わらせてやるから」
そう言って、半身になりつつ、クイクイと手招きをするP型センキー。
センエースの携帯ドラゴンは、
「きゅい!」
と、叫び、
力いっぱい握りしめた拳を、
P型センキーの顔面に向かって、くりだした。
ペコッ、
という、チンケな音がした。
当然だが、P型センキーは、わずかなダメージも受けてはいない。
しかし、センエースの携帯ドラゴンはひるまずに、
「きゅい! きゅい!」
と、何度も何度も、P型センキーを殴りつける。
無意味な攻撃。
1のダメージすら通っていない。
けれど、『センエースの携帯ドラゴン』は、P型センキーを殴り続ける。
――十発ほどくらったところで、
「すごいな。さすがは、センエースの携帯ドラゴンだ。お前の目は、驚くほど澄んでいる。先ほどのセンエースと同じ。この絶対的状況下において、しかし、わずかも絶望に怯んでいない。立派だ。スゴイと思うよ。うそではない。心の底から、敬意を表そう。……だが、もういいだろう?」
P型センキーは、憐みの言葉を並べてから、
右手を、センエースの携帯ドラゴンに向けた。
そして、ほんの少しだけオーラをためる。
「これで、本当に、全てが終わる……センエースの伝説は、これで終了……少しさびしいが、まあ、しかし、どっちにしろ、これは、不可避の結末。命や運命の結末と同じ。早いか遅いか……それだけの話」
最後に、しんみりと言葉を並べるP型センキー。
その視線の先で、
センエースの携帯ドラゴンは、
「きゅぃぃぃ――」
大きく息を吸ってから、
グワっと天を仰ぎ、
「きゅぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
と、まるで、『何か』を『呼び寄せているかのよう』に、大声で鳴いた。
「や、やかましい……なんだ……?」
――最近リアルがすごく大変――
――2話投稿はさすがに限界――
――がんばったって意味ない――
――今日だってウザイ早出で、風邪もひいているし――
――自律神経はズタズタだし、首は寝違えているし――
――喉は痛いし、目も痛いし、腰も肩もボロボロで――
――一日たりとも休めないし、いっさい遊べないし――
【……それでも……】
【……叫び続ける勇気を……】
【――ぶっ壊れて、歪んで、腐って、
けれど、それでも、
『折れずに戦い続けてやる』と決めたのは、
他の誰もなく、てめぇ自身だろ――】
……
【まだ残っているはずだ。あんたにしか叫べない想い。
あんたが本当に『俺の親』だってんなら、その覚悟を叫べ。
――答えろよ。
謳ってみせろ。
あんたは誰だ?】
……私は……




