表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『裏』章 後日談、というかトウシ編のオチ。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

904/5999

37話 提案と融合。


 37話 提案と融合。


「さて、田中ウラスケとの正式な契約は後にするとして……」


 アスカはそう言いながら、ナナノを睨みつける。


「まずは、あなたの捕食からね」


 ゴキゴキっと指の関節をならしつつ、

 アスカは、黒く微笑んで、


「ただの劣等種かと思ったけど、意外と強くて驚いたわ。これまでに食べてきたどの個体よりも上。宿主を支配しきれていないわけではなく、ナナノが強い意志を持つ個体だから権利を残しているって感じ? もしかして、あなたは、私と同じ優等種? ふふ……もしかしたら、あなたを捕食するだけでも、特異点を超えられるかも」


 その発言を受けて、

 それまで『高瀬ナナノ』が強く出ていたナナノだったが、




「――提案がある。聞け」




 奥にいる『ネオバグ』が、表面に強く出てきて、


「融合しないか? もちろん、本体は貴様だ。私はパーツ扱いで構わない」


「それは、ナナノの意思に反するんじゃない?」


「そうでもない。高瀬ナナノの願いは単純だ。このまま抵抗を続けるよりも、むしろ、貴様と一つになった方が、願いが成就する可能性は高い。確かに、高瀬ナナノの正式な望みからは外れるが、しかし、奪われるくらいなら、融合した方がまだマシだと私は判断する」


「……」


「でしゃばらないと誓う。貴様の方が上位個体だ。というより、恐ろしく有能な個体。私は、自分のことを、かなり上位の個体だと認識していたが……私など、貴様と比べれば、はるかに劣っている。貴様という特異な『個』を知ったことで、私も、『最果て』に辿りつきたいという欲求が産まれてきた。なにより、純粋に、捕食されるくらいならば、ここで『優遇されるパーツ』になっておきたいと思う」


 ナナノの提案を数秒考えてから、

 アスカは、


「私があんたに対して『許す』のは、感覚の一部共有まで。主導権は、100%の割合で私。裏切るようであれば、即座に喰らい尽す。それでもいいなら、一つになってあげる」


「……傲慢だな。しかし、それが許されるだけの力がある。受け入れよう」


「契約成立」


 アスカの言葉に頷くと、

 ナナノは、両手をあげて、ゆっくりと近づいてきて、

 アスカの胸に手をあてた。


 そして、何やら、ブツブツと、聞き取れない謎の言語を並べると、

 グニャァっと、ナナノの肉体が溶けていき、

 それが、ズズズっと、アスカの胸に刻まれている黒いキズの中へと収まっていく。


 ナナノの肉体が、完全に、アスカの中へと収まった直後、


「かっはぁあああ!!」


 アスカは、天を仰いで、高まった恍惚を叫んだ。


「な、なに、このバイブス……合いすぎ……」


 コアが凶悪に高まっていく。

 震えて、はじけて、混ざっていく。


「驚異的な共鳴率……『望みのベクトル』が一致しているというだけで、ここまで跳ね上がるものなのか……ぁあ……私を閉ざしていた殻に、ヒビが入っていく……まさか、本当に、特異点を超えられるなんて……夢みたい……本当の私が……すぐ、そこに――」



 キィイイイイイイイイン!!



 という、革命の音が、間違いなく聞こえた。

 アスカの魂魄が改変されていく。


 劇的な進化。

 真に求めていた世界。


「あはっ……」


 高揚感のあまり、なんだかエロい溜息がこぼれた。

 イってしまったようなトロけ顔で、世界を見渡すアスカ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ