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10話 頼む……


 10話 頼む……


「正直に言うと、そこの彼女が、ネオバグに乗っ取られているだけの人間なのか、それともネオバグそのものなのか、それすら、イマイチ分かっていないのが現状だ」


 つらつらと並べられた情報を、

 ウラスケは、高速で処理し、


「……ようするに、何も分かってないから、とりあえず殺すってことか」


 トゲのある言葉に変換して揃えた。


 ウラスケの、そんなチクリと刺すような『反抗の意思』を、

 しかし、岡葉は、サラリと流し、


「まあ、ひらたくいうとね」


 感情のない言葉で打ち返した。

 


「OK、理解した。どうやら、あんたらとぼくは、絶対的に、平行線をたどる事になるってことやな」


「いや、そんな事にはならねぇ」

「ボクらは、今から速攻でネオバグを殺し、そのまま、『特異能力者である君(なぜかフィールドによる認知阻害を受けない者)』を連行する。それで、このミッションは終わりだ」


「どうしても、この女を殺すと言うんやったら……全力で抵抗させてもらう」


「抵抗ねぇ」


 そこで、味崎は鼻で笑った。

 芯の通った嘲笑。

 続けて、岡葉も、


「一般人の中学生が、神の試練を乗り越えたボクら相手に抵抗……はは」


 と、鼻で笑う。


「いやいや、岡葉。神の試練を乗り越えたのは、『聖主』だけで、俺らは途中で、『じんろう』に殺されただろうが」


「……まあ、正式に言うとそうだけれど、あの時点まで生き残っていた者は、全員、『聖域』に召集されたじゃないか。……だから、ボクらも、一応、クリアしたってことでいいんじゃない? アレは、あくまでも強制負けイベント。そういう認識でいいと思う」


「……モノは言いようだな」



「何言ってんのか、全然わからんけど、とりあえず、あんたらが、なんだかスゲェ自信満々ってことだけはわかった」



「聖主と比べれば、俺達はミジンコと変わらないクソザコだが、それでも、一般人に負ける事はありえない」

「なんせ、ボクらは全員、その気になれば、ソロでも、全人類を数日で皆殺しに出来る力を持っているからね」


「そら、ハンパないな……わろてまうわ」


「というわけで、無駄な抵抗はするな。ケガしたくないだろ」

「ボクらも、意味なく一般人を傷つけたくはないんでね。邪魔しないでくれるかな」


「何度も言わせるなよ。この女を……繭村アスカを殺すというのなら、ぼくは、全力で抵抗する。絶対に殺させない」


「あ、そ。じゃあ、お前の後頭部を殴って気絶させてから、むりやり連行することにする」

「ボクらは、マンガの達人みたいに、『気絶させるのが上手』ってワケじゃないから、ボクらにガツンといかれたら、普通に痛いと思うし、最悪、後遺症とかが残る可能性もあるけど、まあ、それは、『そっちが無駄な抵抗をしたせい』ってことで納得してもらうからね」


 そう言って、パキパキっと手の関節を鳴らす二人。


 そんな、ハッキリと戦闘態勢に入った二人を見て、

 ウラスケはボソっと、


「どうか……」


 祈るように、


「……通用してくれ……」


 つぶやいてから、

 スゥと、息を吸って、




「こいっ! メルクリウス!!」




 そう叫ぶと、




「きゅいっ!!」




 ウラスケの目の前に、戦意むき出しの携帯ドラゴンが召喚された。





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