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129話 無駄だ、ボケ。


 129話 無駄だ、ボケ。



「クソ邪神がぁああああ!!」



 ついに切れたトウシは、


「ソンキー! 最後の頼みだ! 最後に一度だけ! あんたの全部を貸してくれ!!」


 己の中に潜む全ての力を沸騰させる。



 ――いいだろう。お前の最後の願い……叶えよう――



 トウシの想いに呼応するソンキー。




「究極超神化5!!」





 ――膨大なエネルギーに包まれたトウシは、



「うぁあああああああ!」



 黒銀の剣翼を背負い、宙を舞う。

 煌く黒と銀を、ランダムに飛翔させつつ、八方からモンジンにつきつける。


 回避の強制。

 モンジンの緊急回避先に先回りして、

 再召喚した黒と銀で猛撃。


 クリティカルヒットを確信したが、

 トウシの攻撃は幻影にスカされた。


(デコイ……本体は……見失った……っ)


 眼球がせわしなく世界を探る。

 コンマ数秒で目視。

 フェイントで染めた瞬間移動を乱射して、自身の打点をズラしつつ、

 死角からの奇襲を求めた。


 全てが最善手のはずだった。

 けれど、


「無駄だ、ボケ」


 モンジンは、トウシの『暴れ』を、なんなくいなす。

 アダムにすら通用した戦法だったのに、

 そのどれもが、モンジンには一切通用しない。


 まるで、じゃれつく赤子をあしらうかのように扱われ、

 トウシの戦意がはじから丁寧に殺されていく。


 モンジンは常に、全方位から敏感だった。

 トウシの戦意が、どの程度、削れたか――そこまで正確に把握した上で、

 明瞭な『心のとどめ』をさしにくる。


「お前じゃ、俺には届かない。その現実と向き合え」


 モンジンは、優美に、両手をスっと合わせた。

 祈りではない。


 ――モンジンは祈らない。


 自分の上に誰もいないと知っているから。

 だから、これは、心を整えるための儀式でしかない。


 命を調律して、

 心の乱れを整える。


 ――神が満ちていく。





「――究極超神化6――」





 神が、本来の姿へと変貌する。


 厳かな輝きの螺旋。

 神々しさが止まらない。


 モンジンの全身が、強大な神気に包まれた。

 ソンキーの全てを引き出したトウシを遥かに超えた力の奔流。



「……ぁ……」



 あまりに膨大な神気にあてられて、

 トウシは、力なく声をもらす事しか出来なかった。


 そんなトウシに、

 モンジンは容赦なく、


「5と6の違いを教えてやるよ。この末尾の数字を一つ伸ばすために、俺がどれだけの絶望にのまれ、そして、乗り越えたか! 『神の王』という地位が伊達じゃねぇってところを魅せてやる!! さあ、行くぞ、トウシ!! 絶望を数えろ!!」


 モンジンが、シュンっと瞬間移動をした。

 トウシが、そう認識したと同時、

 モンジンは、トウシの足首を掴んでいて、


「うら、うら、うらぁあああ!!」


 トウシの体を、まるで鞭のようにして、地面に向かって、何度も、何度も、叩きつける。


「うぶっ! うげ! うぇ!!」


「お前ごときが相手だとなぁあ! まともに闘う必要すらねぇんだよ! ただ、ボロボロにされて死ねぇええ!」


 モンジンは、トウシの体を、思いっきり地面に向けて投げつけてから、

 そのまま、トウシの首めがけて、

 技術も何もない、ただの、自重をブチこむだけの踏みつけを入れた。


「ぐぶふぇっっ!!」


「ここまで、すべてのイベントで、散々、調子に乗ってくれたが、まあ、結局、終わってみれば、こんなもんよ。お前は間違いなく天才だが、しかし、所詮はそんだけのガキ。本物の強さの前では、こうして血を吐くことしかできない。それがよくわかっただろ」



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