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117話 負けイベント。


 117話 負けイベント。


「遅刻するほど修行したなら、もっとスマートに勝ったら? ほんとうに、あんたはダサくてキモい」


 いつもと、なんら変わらない言葉。

 だから、トウシもいつもと同じように、


「遅刻するほど修行したから、なんとか勝てたんじゃい」

「口ばかり達者で、行動が伴わない……そんなんだから、あんたの顔面偏差値は23だってもっぱらの噂なのよ」

「定評があるみたいにぬかすな。そもそも、能弁と顔面偏差値、関係ないやないか。つぅか、あのミシャンド/ラに勝ったんやぞ。行動はバリバリ伴っとるやろがい」


 そこで、ジュリアは、少しだけギアを落として、


「ところで……もう切札は使い切ったって話……本当?」

「ああ……本音を言うと、『超神化を使えば、神様とも互角に渡り合えるやろう』と思っとった。『超神化だけではどうしても勝てんかった時』のための奥の手が、モードソンキー……やったんやけど……」

「じゃあ、ミシャンド/ラ以上の強者である神には、勝てないってことじゃない。話にならないわね」

「……うっさい、ぼけぇ。それでも、なんとかしたるわ。ワシをナメんな」



 いつもと変わらないトーンのやり取りを終えたところで、

 トウシは、駆け寄ってきた他のメンツから、称賛の嵐を受けた。


 遅刻した事に対する文句も山ほどあったが、

 それ以上に、ミシャを倒した事による歓喜の声が爆発的だった。


 トウシの凶悪な強さを目の当たりにした面々は、一様に、


「神様は、ミシャンド/ラ以上らしいですが、トウシくんなら、確実に超えられると確信しました!!」

「トウシくんこそが最強! 流石、私達のリーダーは格が違った!」

「トウシくんのイカれた成長スピードには、流石の神様も、泡吹いて、ションベンちびっているとみた!」

「僕らも強くなっていますし、これ、もう、どんな嫌がらせ的なイベントがきても余裕で――」



 と、その時、

 彼らの目の前に、アダムが出現して、



「まさか、ミシャンド/ラに勝つとは……流石にこの結末は想定していなかった。本音を言うと、ミシャンド/ラ戦は、お前たちの人数を10人以下に減らすのが目的の、いわゆる負けイベントだったのだが……」


「負けイベント……そうだったのか」

「いつまでも、貪欲に殺そうとしてきやがって……」

「で、でも、乗り越えたぞ!」

「……30人くらいは殺されたけどなぁ……」


 そこで、アダムは、トウシに視線を送り、


「タナカトウシ。貴様の成長ぶりは感嘆に値する」


「どうも。自分でも、ここ最近の成長期っぷりには驚いとる」


「貴様の資質はケタが違う。ミシャンド/ラ戦の勝利を経て、貴様はさらに一歩強くなった。もはや、他の三至天帝でも、貴様には勝てんだろう。三至をも超えてしまったとなると……もはや、こちらには、お前と遊ばせるための手ゴマがない。九華や五聖命王では、総動員しても、貴様には勝てんだろう」


「ええこと聞いたなぁ。ワシ、そこまで強くなったんか。よかった、よかった。ここからのイベントは、楽できそうや」


 言いながら、心の中で、


(まあ、そうなると、ワシ禁止のイベントが多発するやろうけど、岡葉や虹宮たちもかなり強くなっとる。あいつらの頭と力があったら、どんな嫌がらせイベントがきても、全滅は回避できるやろう)



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