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113話 甘い読み。


 113話 甘い読み。


「正直、あんたが『神化』を使ってくる可能性は考慮しとったんやけど……超神化は使えんやろうとタカをくくっとった……もっと言うたら、『ミシャンド/ラは神化を使える中ボスで、ラスボスの神様は超神化を使ってくるんやろうなぁ。超神化同士やったら、拮抗しとるから、倒すのは大変やろうなぁ』……みたいな段階的な予測をたてとって……だから……」


 ミシャだけではなく、トウシも本気で困惑しているようで、


「えぇ、ちょっと待って……この超神化って変身技が、マジで、ワシの最終切札なんやけど……ソンキーとのイカれた修行で会得した、超必殺技……これ以上はない最強最大の奥の手……もし、ホンマに、あの鬼畜な神様が、『超神化が使えるあんた』より『遥かに上』ってなったら……つまり、必然的に、あの神様は、『超神化よりも上の変身技』が使えるってことに……えぇ……」


 ソンキーとの修行を経て、トウシは、ぶっちぎりの自信を得た。

 超神化という、それまでの常識を大幅にひっくり返す圧倒的な力を得て、

 『もしかしたら、強くなりすぎたかもしれない』などと思ったぐらい。


 さきほどの、『ミシャンド/ラが神化を使って、神様が超神化を使ってくるんだろう』という予測は、正直言ってトウシの中では『最悪を想定したパターン』だった。

 『これ以上はない最悪』のケースとして、先ほどの予測をたてたつもりだった。


 ※ ソンキーから、『究極超神』という概念は伝えられていたが、

 トウシは、究極超神という最果てに対して、

 『超神を極めた領域なのだろう』という判断をくだした。

 超神となり、その上で、ソンキーとの修行に励み、

 その結果、超神としての戦い方をつかんだ気になったトウシは、

 自分はすでに『究極超神』であり、神にすら容易に勝てる――と勘違いしていた。



 神様は、おそらく超神化が使えるだろう。

 しかし、自分ほどは極めていないはず。

 だから勝てる。

 ――それが、トウシの甘い予想だった。


 しかし、

 目の前にいるミシャは、今の自分とほぼ同じ力を持っている。

 もし、ミシャの言う事が本当で、鬼畜神モンジンが、ミシャ(超神)を遥かに超える力を持っているとしたら、



(いや、勝てんやん……)



 絶望している中、

 ミシャが、


「ここからは、本気でいかせてもらう……私の全てで、貴様という不条理を殺す……」


「不条理はそっちやろが……ふざけやがって、畜生がぁああ!」


 闘いはさらに激化する。

 神を超えた圧倒的な力をぶつけあう両者。


 流線型の竜巻。

 炸裂する疾風。

 技術の到達点。

 狂咲くボレロ。

 衝動のワルツ。


 数値の上では互角だった。

 しかし、


「認めよう、タナカトウシ。貴様は比類なき天才だ!! しかし、流石に、積み重ねてきた施行回数が足りなさすぎる! 私には勝てない! というより、貴様が私に勝ってはいけない!! そんな不条理は絶対に認めない!!」


「不条理は、おどれじゃぁああ! ふざけた強さしやがってぇええ! このゲーム、難易度、マジで狂いすぎやろ、ぼけぇええ!」


 トウシは抗った。

 全身全霊で。

 しかし、届かない。


 永き時を積み重ねてきたミシャには流石に届かない。

 届いてはいけない。





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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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