表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

833/5883

112話 超神化。


 112話 超神化。


「ありうるとは思っていたけれど……まさか、本当に、神に成っていたとは……タナカトウシ。貴様には心底から驚かされる」


 拳や剣や魔法を交わしあいながらの対話。

 それは、まるで、ミュージカルのようで、


「ミシャンド/ラ……やっぱり、あんたも、この変身技が使えたか……スーパーサ○ヤ人が、サ○ヤ人限定の変身技みたいな感じで、この神化って技が、『地球人限定の技やったらええのになぁ』とか、ちょっとだけ思っとったけど……まあ、そんなワシにだけ都合よく世界はまわらんよな」


 神化によって激化する闘い。

 波動が渋滞を起こす。


「この世界は、もう充分過ぎるほど、貴様にとって都合よく回っているだろう……貴様は才能という点であまりにも優遇されすぎている」


 幾何の百花繚乱。

 命の花が萌ゆる。


「才能という点に関しては、ワシも自分に驚いとる。前々から、ワシは、そこそこハンパない資質を持っとるなぁと思っとったけど、ここまで自分の才能がケタ違いとは思ってなかった」


 言葉を交わしながらも、さらに芸術性を増した闘いを続ける両者。

 終わらない。

 止まらない。

 人間では理解できない舞台で踊る二人。


「タナカトウシ、貴様は素晴らしい! そのとびぬけた才能に敬意を表し、私の全てを見せよう! 私の全力!! 神を超えた姿!!」


 そう叫び、ミシャは、全身に力を込めた。

 また輝きが増していく。

 エネルギーの破片が電流になって、バチバチと音をたてる。



「――超神化――」



 嵐のようなエネルギーの奔流。

 渦巻いて、円になって、輪になっていく。


 神を超えた姿になるミシャンド/ラ。

 その凶悪な魂魄に、世界が平伏する。


「タナカトウシ……貴様は天才だ。その若さで『高み』にたどり着いた者は他にいないだろう。心底から感嘆する……だが、私は超えられない。上には上がいるという、当たり前の現実を教えてやる」


 その言葉を受けて、トウシは、

 ゆっくりと、両手をあわせる。




「――超神化――」




 トウシもまた、ミシャと同じように、神を超えた耀きをその身にまとう。

 世界を平伏させる、超常を超越した姿。


 ミシャも、流石に、ここまでは予測できていなかったようで、

 目を丸くして、ポカンと口をあけて、


「な……ぁ……」


 パクパクと口を動かすが、言葉にはなっていない。

 回復まで数秒を必要とした困惑。


 どうにか自分を取り戻すと、

 ミシャは、


「……こ、こんなこと……ありえない……神に成るだけでも異常なのに……その先まで……そんなイカれた才能……あっていいわけ……」



 かすれた声が霧散する。

 意味のない疑念を、

 しかし、すぐに、


「ちっ」


 嫉妬の混じった舌打ちとともに消し去って


「信じられないが……数値だけなら、私の領域に届いている……尋常ではない……」


 目を丸くしているミシャに、トウシは言う。


「信じられんってのはこっちのセリフや……あんた、超神化も使えんのかい……ま、まいったな……」


 心底からダルそうな声で、


「正直、あんたが『神化』を使ってくる可能性は考慮しとったんやけど……超神化は使えんやろうとタカをくくっとった……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ