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104話 生きるために食らう。


 104話 生きるために食らう。


「虹宮……君は、確かに、ネオバグとの戦いで、驚くほど強くなったけれど、ミシャンド/ラに勝てるとは思えない」

「おれも勝てるとは思っていない。けど、『その時』がきたら、誰かがやらないといけない。なら、おれがやる。それが、トウシくんのバディの務めだ」


「……あのさ……ネオバグと戦っている時から思っていたんだけど……君、なんだか、性格が変わってない? 1階エリアで様子見をしていた時は、絶対に君、そんな感じのキャラじゃなかったよね?」


「それは自分でも感じでいるよ。おれは、間違いなく変わった。どう変わったかといえば……『こうなりたい』と思っていた自分に変わった……だから、なんの問題もない」

「そうか……なら、確かに、問題という問題はなさそうだ」


 岡葉は、そう言って微笑んでから、


「もし、『その時』がきたら、頼んだよ、虹宮」

「ああ」


 作戦と覚悟が決まるとほぼ同じタイミングで、

 アダムが、


「それでは、はじめよう。ルールはない。死んだら終わりだ。自由に殺し合え」


 合図を出すと同時、

 3万の中学生が、




「「「「「「ウォオオオオオオオ!!!」」」」」」




 地鳴りを起こしながら、襲いかかってきた。



 ★



 ――三万の中学生たちは、『すでに死んでいるようなもの』という自覚から後がないため、殺意はフルMAXで、かつ、強力なドラゴンスーツに身を包んでいるため、高いレベルの万能感・高揚感にも包まれている。


 中学生とは思えない見事な殺気で、

 岡葉たちに、多大なプレッシャーをかけていくが、


「ネオバグと比べれば、殺気だけ一丁前の中学生なんて、ゴミみたいなものだ」


 率先して最前線に立った虹宮は、最小限の労力で、突撃してきた三万の中学生たちを薙ぎ払っていく。


 イージーモードの無双ゲーでもやっているかのように、

 グッチャグッチャと、死に物狂いで暴れる中学生たちを捕食していく(ゴッ○イーターのように、腕が巨大な口の形に変形して、一口で、2~3人、丸ごと喰らっている)。


 虹宮は、


「もし、トウシくんが間に合わなかった時は、おれがミシャンド/ラの相手をしなければいけないからね。少しでも多くの龍を捕食して、ウチのセブンスを強化させてもらう」


 言いながら、無数の敵の攻撃を軽やかにかわしつつ、

 目につく敵を端からグッチャグッチャと捕食し続けていく。

 そのたびに、少しずつだが、強化されていく虹宮のセブンス。


 その様子を見た岡葉は、


「3万……その数は相当なものだが、しかし、見たところ、個々の戦闘力は大したことがない。ネオバグとの戦闘を経験したボクら隊長クラスなら、損害を限りなくゼロに抑えて闘う事ができそうだ。というわけで、ボクらが前にでるから、副隊長以下のメンツは、後方支援にまわってくれ」


 作戦を伝えると同時に、自分も最前線に飛びこんでいく。


 容赦なく、敵に食らいつき、両手でグチャグチャと咀嚼して、ゴクリと飲み込む。

 不快感と嫌悪感と罪悪感に包まれたが、


「生きるために食べる……変わらないさ、今まで、あっちの世界でやってきた事と、何も」


 無意味な感情にフタをして、

 岡葉は、同級生に喰らいつく。

 その周囲では、ジュリアやナツミたちも、無慈悲な暴食に没頭している。


 ネオバグとの戦闘を経て携帯ドラゴンの強化値を底上げしている8人は、

 圧倒的な力でもって、前線を抑えこみ、時間と共に、メキメキと強化されていく。



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