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91話 ネクロバグ・オーラドール・アバターラ。


 91話 ネクロバグ・オーラドール・アバターラ。



 虹宮は折れずに抗った。

 『奇妙なほどに膨れ上がり続ける勇気』を最大の武器にして、

 必死になってネオバグに立ち向かった。


 魂魄のわめきがうるさい。

 無限に強くなれる気がした。

 一秒ごとに、オーラの質量が増していく。


 この戦いで、虹宮は強くなった。

 爆発的な、存在値の上昇。


 ――しかし、


「殺せる! まだ、殺せる! 危なかった! もう少し、貴様が育っていたら、危なかった! だが、今なら、まだ、殺しきれる!」


 焦りはした。

 ヒヤリと、芯が冷たくなった。

 しかし、現実を計算しつくすと、ネオバグはニタリと笑みをこぼす。

 ――殺しきれる。

 まだ、虹宮は、自分という驚異に届いていない。




「ふざけた発言だな! 勘違いもはなはだしい! おれはまだ飛べる! ここは、まだ、『おれ』の途中! おれなら、お前を超えられる!!」




 オーラに包まれた拳をかわしあう中で、


「ああ、貴様の底は、まだまだそんなものではない! 驚異的な資質! 感嘆に値する。いつかは、俺を超えることも可能だろう! しかし、現実、不可能! なぜなら、貴様は、その『いつか』が来る前に死ぬから! 今日、ここで、俺に殺されるからぁああ!」


 そう叫ぶと、ネオバグは、パァンッと音をたてながら両手を合わせて、



「ネクロバグ・オーラドール・アバターラぁあ!!」



 叫ぶと、

 ネオバグの分身が、9体出現した。


 全部で10体になったネオバグ。

 超特別仕様の最高位分身技。



「これが俺の魂魄に刻まれた『究極最大の切札』だ。俺の『特製オーラドール』は、ただの気人形とはわけが違うぞ。俺だけが使える、完全なる俺の分身。全ての俺を殺しつくさない限り、決して消滅しないフルバグチート! さあ、『闘神の影を背負う者』よ……10体の俺を、殺し切れるかぁ!」



 凶悪な性能を有する10体の敵を前にして、

 虹宮は、


「1体でもギリギリだったのに……いきなり10倍か……地獄だな、めまいがする! 心が狂いそうだ! なのに!」


 グっと腹の下に力を込めて、


「――『まだ終わりじゃない』と、おれの中で、誰かが叫んでいる! へし折れてしまいそうなおれの心を、『おれの中の誰か』が支えてくれている! おれひとりではとっくに折れていた! だけれど、おれは! まだ!」


 拳を強く握り締める。

 虹宮は!


「お前を乗り越えれば、おれはおれ自身を強く認められる気がする!」


 10体のネオバグに対し、今の虹宮に出来る全てをぶつけた。

 限界などとっくに超えている。

 だが、虹宮はとまらない!

 虹宮の中の『誰か』が、狂気的な『もっと』を叫び続けているから!!


「お前を倒し、胸を張って叫ぶんだ! おれが! このおれこそが、トウシくんのバディだと!!」


「貴様が背負う『神の影』は凄まじい! 無限の可能性! 狂気の精神力! 貴様が胸に抱く神は、おそらく『そこらの闘神』などではなく、最果てに立つ究極の神! 認めよう! 戦慄する! だが、貴様自身が『究極の神』というワケではない! 貴様では届かない世界を教えてやる!」


 『秒』を飲み込んで、熱が濃くなっていく。

 瞬間を切り取って、狂ったように、影たちは踊る。


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