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76話 この上なく尊き神の王。


 76話 この上なく尊き神の王。


「さっきの攻撃が……こうやって、ちゃんと当たっていたら、あなたの頭は爆散していたわ。よかったわね、私が本気じゃなくて」



「……」


「ていうか、そもそも『側頭部に寸止めされた』って認識はある?」


「……いえ……」


「あらあら……じゃあ、少しだけ噛み砕いて説明するわね。私は、ゆっくりと、あなたの横にまわって、ゆっくりと拳をつきだして、あなたの左側頭部――ちょうど、このあたりのスレスレで寸止めしたのよ」


「……ゆっくり……」


「ええ、そう。ゆっくりとね。まあ、私からすればの話だけれど」





「…………ぅ…………うぇ……ぉえ……」





 ストレスがマッハになって、ついには、えづきはじめたトウシに、

 ミシャはたたみかけるように、


「あなたに一つだけ良い事を教えてあげましょうか?」


「……な、なんでしょう……」


「さっき、私は、ジャミが5人束になってかかってきても、私には敵わないと言ったわよね?」


「……はい」


「あれ、うそ」


「……うそ……?」


「私がその気になれば、ジャミ程度だと、10人相手にしても問題なく殺せる」


「……じゅ、10……」


「興が乗ったから、もうひとつだけ、良い事を教えてあげるわ」


「……も、もう、聞きたくない……」






「そんな私が1000人束になっても、偉大なる神には、触れる事もできないわ」






「……」


「私1000人程度だと、触れることはおろか、近づくことすらできないわね。私ごときが、何万、何百万いようと、キズ一つつける事もできない……それが、この上なく尊い神の御力」


「……」


「ありとあらゆる神の頂点、全てを超越した偉大なる神の王……それが、あなたたちのラスボス」


「……」


「少しは理解できた? 自分たちの現状」


「……ぇえ……まぁ……だいたいは……」


「じゃあ、そろそろサービスタイムは終わり。イベントの開催を楽しみにしていてね」


 ニコっと微笑んでから、

 ミシャは、その場から消えた。


 残された神話狩りの面々は、


「……マジかよ……」

「トウシくんが……赤子あつかい……」

「強すぎだろ……なんだ、あの少女……」

「ほ、ほんとに神様って……さっきのミシャンド/ラって女の子より強いの……?」

「……だとしたら……か、勝てるわけねぇ……なにしたって……」


 絶望の底に沈みかけているメンバーを見たトウシは、そこで、



「落ちつけ。ブラフだ」



 必死に、

 まるで、自分自身に言い聞かせているかのように、


「神がそこまでの力を持っとるなら、ワシごときの球で三振はせん」


「……あれも……演技だったのかも……」


「かもな。ただ言うとくけど、そういう一つ一つを疑いだしたら、キリないで? 『かもしれない』を言いだしたら、しまいや。なんやったら、この状況も、ただの夢かもしれへんし、そうやなくとも、そもそもにして、ワシらの目の前にある全部が仮想現実かもしれん。『現実』ってもんは実在せんで、これ、全部、神様が見とる夢かも。もしくは、水槽の中に浮かぶ、電極さされた脳が見とる幻想。他にも可能性は……って、まだ、言い続けよか?」


「……ご、ごめん……そうだよね。疑いだしたら、キリがないよね……」



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