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56話 地下迷宮攻略。


 56話 地下迷宮攻略。


「30000という『数だけは多いカス共』の誰よりもはやくクリアできなければ、貴様らは全員死ぬ」


「な、難易度たけぇ……」

「……『3』VS『30000』……」

「くっそ! 最悪だ! むりに決まってんじゃねぇか! こんなザコ三人でクリアできる難易度じゃねぇ!」

「おい、そんな言い方――」

「事実だろ! 椿たち三人の事を人間的に劣っているとは思ってねぇ! けど、椿たちのガチャ運が最悪だってのは事実だし、その結果、すげぇ弱ぇってのも事実だ!」

「事実だからって、それを叫んでどうなるってんだ! そもそも、椿たちのガチャ運が悪くなければ、課題に参加することすらできなかったんだぞ!」


 などと喚きあっている者達を、

 アダムはザっと見渡してから、ニっと笑い、


「絶体絶命だな。まあ、せいぜいがんばれ」


 最後にそう言うと、瞬間移動でこの場から消えた。



 ★



 虹宮の携帯ドラゴンは、神話狩りのメンバーの中だと、ハッキリ言って、最弱と言っていいほどに弱い。

 『ステータスUP系のアイテム』は、のきなみカスばかりを引き、

 スキルも技構成も、最悪に近い。

 ポ○モンで言うと、種族値最低クラスで『たいあたり』と『はねる』しか所持していないような状態。


 唯一当てたレア強化アイテムは『トランスフォーム』。

 だが、虹宮は、『ガリ勉系のハンパ神童』であり、運動能力は中の下。

 運動オンチとは言い切れないが、『運動が出来る方』とは絶対に言えない。

 その程度の身体能力しか持たないため、身体能力で差が出るトランスフォームを使っても、さほど強くはない。


 椿と伊達も同じような実力。

 一応、椿と伊達の二人も、『使えないことはない切札』は持っているが、

 大富豪で例えると、『6のスリーカード』くらいの、なんとも微妙な切り札でしかない。







「――ピギャアア!」


「また、出たぞ」

「こっちは私が担当するから、そっちをお願い」


「ギギャア!」

「グギャ!」



 モンスターの断末魔がこだまする。

 本格的に地下迷宮攻略に挑む神話狩り一行。

 『時々出現するモンスター』をサクっと狩りながら、奥へ奥へと進んでいく。


「強化値50%くらいでも倒せそうなショボいモンスターしか出てこないな」

「いや、そりゃ、まあ、200%以下の携帯ドラゴンしか使えないダンジョンだからなぁ。1000%級とかに出てこられても挨拶に困る」


 この地下迷宮は、全体的に、かなり大きな造りになっており、

 どの通路も、三車線の道路くらいの広さがあった。


 『お行儀よく並ぶ松明』に照らされた石造りの通路を進んでいくと、

 途中で、曲がり角にさしかかる。

 その向こうには、五つの扉があった。


 岡葉が軽いタメ息をつきながら、


「扉が5つか……全員の携帯ドラゴンが機能していたら、5班に分けるところなんだけど……さて、どうしようか、トウシくん」

「最大で3班まで分けられるが……3手に分かれるべきか、かたまっていくべきか……うぅむ……」


 と、そこで、虹宮が、


「トウシくん、ここは、全員で固まっていこうよ。手を分けた場合、『君がいない班』が、あまりにも不安すぎる」


「……ん……」


「あと、どの扉に入るか、トウシくんが決めてくれ。で、今後もずっとそうしてほしい。こういう『悩まなくていいところ』で『意味なく足止め』をくらうのは時間の無駄だから、リーダーに瞬時かつバシっと決めてほしい」


「……」


「ん、どうしたの、トウシくん」


「……いや」


 言いながら、トウシは、心の中で、


(……『悩まなくていいところ』……『意味なく足止め』『時間の無駄』……虹宮は、『ナニ』をもってそう判断した? この五つの扉のどれかに、『もっとも早くゴールに辿りつける正解の扉』がある可能性と、『それを示唆するヒント』が周囲に隠されとる可能性……それを一切考慮せんかった理由はなんや……)



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