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44話 神話狩り。


 44話 神話狩り。


 『チーム名にどうしてもトウシの名前をつけたい派』と『厨二感のゴリ押しは心底勘弁してほしいトウシ』のせめぎ合いは、苛烈に激しく燃え盛ったが、結局のところ、


「仕方ない……トウシくんは、命の恩人だし……ここは、涙をのんで譲歩するよ」

「勝った……ワシは、この醜くむなしい闘いに勝った……っ!」


 結局、彼らは、この『タナカトウシを絶対的リーダーとしたチーム』の事を『神話狩り』と呼ぶ事にした。

 ――神話狩り。

 それは、神殺しを成すと決めた覚悟の現れ。


「……神話狩りかぁ……シンプルすぎるなぁ……リーダーの名前も入っていないし……やはり、ボクは『パーフェクトジャスティス・トウシフォース』の方が断然いいと思うんだが……」

「そうやな。うんうん、ワシもそう思う。同意しか出来へん。けど、もう決まった事やから! 覆らんから!」


「しかたない。では、次に、分隊の名前と、コードネームだね。まず、ボクを班長にしたヘブンズトウシ隊のコードネームは、『TTトウシ・タナカ』の一ケタ台で統一しようと思う。蜜波さんを班長にした、フレアトウシ隊のコードネームは、TTの十番台。で、雷堂さんを班長にしたブリッツトウシ隊は、TTの二十番台で――」


「神話狩りの絶対的リーダーとして厳命する。神話狩り『鉄の掟』、第一条、第一項、ワシの名前を安易に使ってはいけない!」


「なるほど、確かに、君の名前は尊い。みだりに使うべきじゃない」


「分かってくれると信じとったで、岡葉!」


「というわけで、分隊名とコードネーム以外で、トウシくんの名前を使う時は皆で協議する事を義務付けよう。ちなみに、神話狩りの決めポーズを決めたいんだけど、それの名前には、流石にトウシをつけていいよね? 出来れば、エンドレスプラウド・トウシポーズと名付けたいんだけど」


「ちょっ、誰か、こいつ、止めろ! こいつ、まだ、『去年(中学2年生)』という常闇から卒業しきれてへん!」


「ちなみに、今、考えているポーズはこれなんだよ。トウシくんから何か命令を受けた時とかに、胸の前で、左の手首を右手で握りしめて『ヤヴォール(了解)』と呟く。このポーズの意味は、『正義の名のもとに、禁じられた力を解放する』。これを、神話狩りの敬礼にしようと思う。どうかな?」


「いつから、ワシの口から、却下以外の言葉が出ると錯覚していた?」



 戦争は続く……っ!




 ★




 頭がゆだっている岡葉の面倒臭さに辟易しながらも、

 どうにか、まとまった、異世界デスゲーム攻略部隊『神話狩り』。


 彼らは、9階の荒野で、チーム全体のスペックを正式に測ろうと、ザコを相手に連戦をしていた。

 その中で、


「やはり、トウシくんの『謎チート』は凄いね」


 当たり前のようにガチャで毎回☆Xを引くトウシに目を丸くして、


「ただ、大半は『ただの倉庫の肥やしになるしかない』というのが非常にもったいないなぁ。強化パーツの交換が出来れば、ボクらも、もう少し戦力になれるだけど……」


「九華が相手やったら、☆Xがいくらあっても無駄や。あいつらは、デフォルトが☆Xをガン積みしたような状態で、かつ、『戦闘力(トランスフォームした際の強さ)』がアホみたいに高い。ワシはまだ、バロールとジャミの二人としか闘っていないから、『九華の全員が強い』と断言はできんけど、まあ、でも、あいつら二人だけが強いってことはないやろ。おそらく、全員、あのふざけた強さに達しとる。さすが神様の配下……ハンパない」




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