表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
694/5875

26話 カッコイイところ。


 26話 カッコイイところ。


 ついに、裏ステージに突入する事になったセンたち。

 ここは、きらびやかな表のステージとは違い、

 魑魅魍魎がはびこる、闇の魔窟。


 稀代のギャンブラーが、獲物に食らいつくチャンスをねらっている黒炎の坩堝。

 そんな絶色の鉄火場に、

 センたちは、果敢に挑む!



「さて、シューリ、お疲れ。ここからは、もう見物してていいぞ」

「ん、どういうことでちゅか?」

「ここからは、別に、お前のチートは必要ないってこと」


 そこで、センは、アダムに視線を向けて、


「アダム」

「はっ」


「今から、俺、あそこの闘技場で試合してくるから、俺が勝つ方に、全額を賭け続けろ」

「しゅ、主上様の御手を煩わせる必要などございません。そのような些事は、わたくしめにお申し付け――」


「運動したい気分なんだよ。ハルスごときに負けたストレスを解消してくる。お前は、黙って、俺が勝つところを見てろ」

「……はっ!」



 そこで、センは、意気揚々と、闘技場ステージへと向かう。


(スマホゲーの時は、格ゲーをやらされたんだよなぁ……くく……なつかしいねぇ)


 『アイアンなフィスト的なアレ』とコラボした事で追加された格ゲー要素。

 純粋に格ゲーが強ければ強いほど『多くの賞金が稼げる』という、尖ったシステム。


 それが、現実化した事で……


『この闘技場では、こちらがお渡しする【カジノ専用携帯ドラゴン】と【トランスフォーム】していただき、その状態同士で一騎打ちをしていただきます。ちなみに、トランスフォームとはこんな感じです』


 目の前でサクっと実践してくれる、このカジノの案内係を務めているAI。

 ※ カジノ専用携帯ドラゴンには、所有スキルとして『トランスフォーム』が積まれているので、魔カードを使った時のように『一度しか使えない』というわけではなく、いつでも無限かつ自由に変身することができる。その仕様は、カジノ専用携帯ドラゴンの特権ではなく、☆9の高レアリティ強化パーツ『トランスフォーム』を入手すれば、誰でも積むことができる。


 ――『トランスフォーム』がどのようなものか理解したセンは、


(トランスフォーム……なるほどね……スマホゲーの時は、人型に変身した携帯ドラゴンで格ゲーするって仕様だったが……現状だと、俺自身が携帯ドラゴンと合体するって感じなのか……)


『お選びいただける携帯ドラゴンの種類は、最弱の【D】~最強の【SSS】までございます。選んだ携帯ドラゴンのスペックが低ければ低いほど、獲得できる賞金、賭けのレートが上昇します。どの携帯ドラゴンを選択しますか?』


「じゃあ、番外の『D-』を選択する」


『……よろしいのですか? 【D-】のスペックは――』


「説明はいらない。どれだけ弱くとも問題はない」


『……かしこまりました』


「さぁてと……ここ最近の俺は、シューリとアダムに、無様な姿ばかり見せちまっているからなぁ。P型とかいうワケのわからんヤツに好き勝手やられ、ハルスごときに負けて、シューリの腕を変態面で揉まされて――」

「最後のは、お兄が勝手にやっただけでちゅけどね」


 シューリの言葉をシカトして、センは続ける。


「とにかく、ここ最近の俺は、ほんと散々だ。ここらで、ちょっとぐらいはカッコイイところを見せておかないと、いいかげん、愛想をつかされちまう」


 そこで、センは、ググっと柔軟をして、



「というわけで……今日は、ちょっとマジでいかせてもらう……」




 ★




 『トランスフォーム機能が積まれたD-の携帯ドラゴン』を受け取り、

 闘技場に降り立ったセン。

 二分ほど待つと、

 奥から、筋骨隆々の男が登場して、


「……見た事ないツラだな。ルーキーか?」

「んー、そうでもない。こことは違うカジノで、何度か、このゲームに挑戦した事がある」


「……『何度か』……『ゲーム』……ねぇ……ふん」

「おやおや、何か言いたげだねぇ」


「俺は、20年を超える長き時間、この『果てしなき闘い』の中であがき、もがいてきた」

「へ~」


「武の答えを求め、一流の戦士たちと、命を磨いてきた……貴様のような、お遊び感覚の輩とはわけが違う」

「そっすか」


「研鑽につぐ研鑽……その果てに辿り着いた極みを見せてやろう」

「そりゃあ、楽しみだ」


「……そのふざけた態度でいられるのも今のうちだ」

「ふざけた態度? え、そう? けっこう、ガチなんだけどなぁ……けっこうっていうか、かなりガチ」


「……ちなみに、貴様は、トラバト歴、何年だ?」

「この戦い、トラバトって略すんすか? へぇ、マジ卍っすね」


「さっさと答えろ」

「トラバト歴は浅いっすねぇ……けど、ゲーム歴なら長いっすよぉ」


 そこで、センは、ニコっと微笑み、


「俺の『ゲーム歴(人生経験)』は200億1万年。どうすか、なかなかの数値でしょ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[良い点] パガロはSSSの持ち主なのにBランクで戦うって 早速センエースをリスペクトしてるしw   だからといってD-で戦うほど自惚れてないとは厄介だね [気になる点] パガロって この試験用の謎…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ