表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
コスモゾーンA章 舞い散る閃光の無限神生。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6294/6362

13話 異世界大戦。


 13話 異世界大戦。


 ……ここから語るのは、嘘ひとつない現実。

 地獄よりも、ずっと血生臭い信念の牢獄。


 ――遥か太古、9000年以上も昔の話。

 それは、突然の出来事だった。

 ある日、第2~第9アルファの全てが、『謎のゲート』で繋がった。

 その大混乱の中で、当たり前のように、異世界間のいさかいが起こり始める。


 最初は小さな火種。

 しかし、すぐにその火は燃えあがった。

 世界の全てが、互いにとっての加害者となり、誰もかれもが被害者ぶった。


『こ、ここを超えられては、我が世界が、やつらの獣牙に――』

『全ての王を代表し、朕は最も気高き我が第5アルファに全ての権限を委任する案を――』

『ああ、そうだ。血を流すのはもうやめよう。ここに全世界統一連合の設立を――』

『ワールドシンボルが……破壊された……』

『違う! 本当に違うんだ! 我々が、あえて破壊活動を起こす意味などないだろう!』

『なぜ、まだ戦争は続いている。終わるはずだっただろぉお! くそったれぇええ!!!』


 ――決して『欲深き愚者』が多かった訳ではない。戦争を止めようとした賢者も一定数存在していた。戦争を加速させた理由は、やはり、『このままでは喰われる』『無抵抗は貫けない』という純粋な恐怖。

 狂気は終わりなく膨らんで、落とし所を完全に見失った。死者の数は、ケタ違いで、数十億を超えた。

 鮮血時代。死の70年。どの世界の教科書にも、大文字で記されている最悪の『全世界史』――ゆえに、『その戦争を終わらせた大英雄』の名を知らぬ者はいない。

 荒れ狂う乱世に立ち向かった、『かつてはまだ神ではなかった大英雄』――舞い散る閃光センエース。


 ★


『もう、どうしたらいいか、分からないのです。この戦争を終わらせたい! しかし、ボクの力ではどうする事もできないのです! 戦火は広がり続ける! ボクは! いったい、なんのために!』

 慟哭が止まらない配下に、センエースは静かなトーンで、

『前を向け、へい

 平と呼ばれた男は、涙を流しながら、

『師よ! ボクは! 自分の無力さが憎い! ボクは――』

『命令だ。前を向け』

『……』

『答えろ。お前の目の前には、誰がいる?』

『……師が』

『そうだ。ここには俺がいる』

 センエースは、ニっと太陽を巻きこむように笑って、

『見せてやるよ、希望。殺してやるよ、全部。幻想の既得権にとり憑かれたゴキブリどもを……戦争を終わらせまいとする悪意そのものを……グッチャグッチャになった、疑心暗鬼という世界のコードを全部、まるごと、たたっ切って、前よりも綺麗に結び直してやるよ。すべての絶望を殺してやる。世界を救ってやる』

『師よ……しかし……』

『黙って聞いてろ。今、世界に響かせる。俺の想い……俺の全部……』

 センは、肺が爆発するほど息を吸って、


『ヒーロー見参!!!』


 『虚像の光』を叫び、センは戦火に身を投じた。血に濡れて、ボロ雑巾になりながら、それでも、『世界を救うヒーロー』を『騙り』ながら、命を燃やして、闘い続けた。

 その背中に、多くの者がついてきた。

 ハッキリ言おう。騙したんだ。

 『俺は英雄だ』と、『だから大丈夫だ』と、『希望になってやる』と、真っ赤な大嘘をついて、盛大に世の中を騙して、地道に、勢力を拡大させていった。


 地味な地獄が、延々と続く。70年。泥沼になった闇がさらなる阿鼻叫喚を呼ぶ。

……それでも、『センエース』は闘い続けた。

 全世界の誰よりも、その身に傷を刻みながら、どんな地獄を前にしても、それでも!!

 ――皆が望むヒーローを演じ続けた――

 本当は苦しくてたまらなかった。それでも笑ってみせた。全部演技だ。


(世界を守るヒーローなんていう、そんなクソしんどい面倒を……やりたくてやっていると思うか……守りたいと思えるやつらのために、必死に頑張ってきただけだ……)


 ――心の摩耗が日に日に酷くなっていく。ほんとは、ずっと、逃げ出したかった。

 けれど!!


『俺はここにいる!! 心配するな! 俺が連れていってやる! この戦争の向こう! バッドエンドをリアルだと思いこむ、その勘違いごと殺してやる!』


 センは、投げなかった。『詐欺師ヒーローの仮面』をかぶり続けて、中身のない大嘘を吐き続けた。


『もう、闘えとはいわない! もうお前らは充分闘った! だが、命令だ! 見届けろ! 俺が、まだ、ここに立っているという事! それだけは見届けろ!』


 血に濡れて、悪意に穢されて、押しつぶされそうになりながら、けれど、


『お前たちの先頭には、いつだって、必ず、俺がいる! 必ず、お前らの前に道をつくってやる! だから! もう、他は何もしなくていいから! 前を見る事だけはやめるな! 目をそらすな! 絶対に、俺の背中から目を離すんじゃねぇえええ!!』


 奇跡なんて起こらなかった。ただ、『必然』があっただけ。

 必死に闘い続け……受け取った『命のタスキ』を、冷たい血で汚しながら、凍える闇で穢しながら、腐ったむくろで埋まる焼け野原で、独り、多くの想いを背負って、優しい嘘に許せない嘘を重ねて、山ほどの業を飲み込んで、誰もいない丘の上で、無数の王冠を串刺しにして、


 そして! だから!


 ――センエースは、ついに、『限界』という壁を超えた。


『見える! くだらねぇ檻(限界)の向こう! 俺は! ついに!』


 ――『存在値999』という、『人間では絶対に超えられない』と言われていた『命の壁』をのりこえた。

 一気に階段を駆け上がり、『存在値1000を超える最強の英雄』となったセンエースは、


『全部、背負ってやるよ。なにもかも全部。全ての絶望、希望、想い、願い、命、心、全部。俺はセンエース。お前たち全員の王だ!』


 ――その異質な力でもって、クソみたいな戦争を終結させた――

 ――絶対なる王の誕生は、『消えない希望』となり、センエースという存在そのものが、『見失っていた落とし所』となったのだ――


 ……『血の流し方』を忘れてからも、もちろん、山ほど問題は起きた。結局のところは、暴力で抑えつけただけ。ゆえに――

 独裁者の誕生。暴君の暴力による独裁のための支配体系。ディストピアの完成。

 心ない罵詈雑言の中で、センエースは叫ぶ。


『好きにほざけ。ただし覚悟しておけよ? 俺は全部と向き合うぞ』


 センは、合理を叫び続けた。

 セン一人で世界平和を実現させるのは流石に厳しかった……けど、


『師よ、ボクも、ここにいます。あなたは、一人ではない。一人にはさせない』


 全ての想いが繋がって、平和を実現するための『器』が出来た。まだ、名前はなかった。どれほどの絶望を前にしても、最後の最後まで平和を謳い続けると誓った覚悟の証。

 のちに、センによって銘打たれる『その器』の名は『ゼノリカ』。


 ――それは、まぎれもなく、『全てを照らす光』だったんだ――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーローごっこをしていただけなのに、気付いたらカルト教祖になっていました また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
「ヒーロー見参!!!」の叫びから、 鳥肌が止まりませんでした……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ