転調話 果て無き頂を歩み続ける神の王。
転調話 果て無き頂を歩み続ける神の王。
「しかし、お前に関しては、ずっと分からんのだが……お前は、朝日なのか? 蝉原なのか? どっちなんだ?」
「朝日という擬態に傾倒し続けた結果、朝日という人格に完全になり切ってしまった蝉原でございます」
「……ムズいなぁ……何度聞いてもムズいなぁ……結局、どっちなんだよ」
「僕のことは、シュレディンガーの蝉原朝日とでも呼んでいただければ幸いです」
「そう呼ばれることは、お前にとって、本当に幸いか? 雰囲気だけで喋んなよ」
結局、何が何だか分からないままはぐらかされてしまった。
★
扉のあれこれに関しては、完全にトウシ一人に丸投げしたセン。
だが、だからといって、何もせず時間を浪費するようなマネはしない。
なんのかんの言っているが、センエースには、ゼノリカの王としての確かな自覚があるのだ。
自分で言った通り――
『己は己で、できることをとことんやりきる』。
その方針に、一点の揺らぎもないし、
彼の『努力』と『覚悟』が病的で狂気的であることは周知の事実。
「とりあえず、コスモゾーン化した自分に慣れないとな……あと、究極超神化9にも慣れて……で、諸々に適応したら、次は究極超神化10を目指す」
淡々と、次の目標を口にする。
世界の頂点に立ちながら、なお前を向く。
その矜持と熱意に迷いはない。
その神々しい様を見て、アダムが目に涙を浮かべ、
「その、決してたゆまぬ御姿勢……ただただ、恐懼に堪えません。あなた様は、あらゆる生命の頂に君臨なされた絶対の王。比類なき最強にして、悠久の歴史を通じて唯一無二の魂と肉体を有する至高の存在。王の中の王にして、神々すら仰ぎ見る神。それほどの高みに到達されながら、なお慢心とは無縁であられ、さらなる高みを希求なさるその御志……それはもはや向上心という言葉では足りませぬ。世界そのものが、あなた様の歩みによって上書きされているかのよう。ああ、なんと気高く、なんと眩く、なんと尊き御魂でございましょう。あなた様以上の――」
「もうわかった、わかったから」
心底ダルそうに、アダムの美辞麗句をさえぎるセン。
その表情には、照れも誇りもない。
あるのは純粋な疲労感だけ。
愛されること、慕われることに関して、センだって、そりゃ、もちろん、まんざらでもない。
これだけの美貌を持つ最高位美女に愛されて、嬉しくないとは言わない。
しかし、ここまでくると、流石に話が変わってくる。
大トロの脂は甘いが、100貫も食えば胃が破裂する。
明日は10話投稿します!
明日から始まるのは、本編導入の大事な章『ユズ地獄編』!!
すこしだけ、これまでより踏み込んだ内容に……なったり、ならなかったりする……やも……
かなり面白い導入になっている、と個人的には思っておりますので、
ぜひぜひ、楽しんでいただきたい!!




