5話 コスモゾーン、ダルいわぁ……
本日の2話目です。
5話 コスモゾーン、ダルいわぁ……
「なんで拒絶するんだよ。パートナーの願いは全力でサポートすべきじゃねぇのか? あぁん?!」
「私に言われても知らんが……しかし、それで言うなら、コスモゾーンは、貴様が『全ての生命から愛されること』を望んでいるようだが、貴様は、その願いを叶えるために全力を尽くすのか?」
「おいおいおい、ウチの相方、俺と価値観が全然あってねぇじゃねぇか。こんなんでやっていけんのか? 明後日あたりには解散してんじゃねぇか?」
「コスモゾーンが貴様から離れることはない。今後、貴様の側には、永遠にコスモゾーンが寄りそうだろう」
「コスモゾーン、ダルいわぁ……俺、思想が強いやつとかメンヘラとか無理なんだけど……」
「状況証拠を元にした推察をまとめるが……おそらく、このタイマー付き扉の向こうにはパーフェクトコスモゾーンが存在し……貴様が、それと調和し、『パーフェクトコスモゾーンセンエース』となることで、全ての問題が解決する……ということではないかと予測する。この点に関して、何か疑問や問題点はあるか?」
「その役目は俺じゃなくてもいいんじゃないかなって思うんだけど、どうかしら? パーフェクトコスモゾーン化するのはトウシさんでいいんじゃないかな? パーフェクトコスモゾーントウシ……うん、響きがいい。それがいい。それでいこう。俺はパーフェクトコスモゾーントウシさんの端末……いや、もうキーホルダーでいいよ」
「仮にパーフェクトコスモゾーンが存在したとして、それに選ばれる可能性があるのは貴様ただ一人だけだろう。この上なく尊き命の王以外を選ぶ理由がない」
「なるほど、やはり、パーフェクトコスモゾーンに選ばれるのは、トウシじゃなく、世界の王である蝉原の方がいいか……そうだな。トウシは王じゃなくて、宰相感がえぐいもんな。パーフェクトコスモゾーン蝉原の下につくトウシとキーホルダーセンエース……いいじゃない。いい布陣じゃない。いや、もう、そうなると、ぶっちゃけ俺はいらんな。キーホルダーなんか邪魔だ。捨てていこう」
「……好きなだけ現実逃避すればいいと思うが、その未来予想図が現実化することはありえないと思うぞ」
★
その後、センは、いったん扉の前から離れることにした。
パワープレイで干渉できない以上、今できる最善は『状況を整えること』だと判断したから。
減り続けるカウントが示す通りなら、およそ17時間後に何らかの変化が起きる可能性が高い。
ならば、その時に戻ってきて、改めて確認すればいい。
センは白い空間をもう一度だけ見渡した。
果ての見えない純白。
先ほどまで向き合っていた扉は、相変わらず無機質な沈黙を守り続けている。
センはわずかに目を細めると、静かに視線を外し、迷いのない動きで踵を返した。
――タイマーがゼロになるまでの間に、やるべきこと、やりたいことはいくらでもある。
原初の世界に残っている諸々の確認。
そして、ゼノリカ関連の後処理。
思考を切り替え、センは原初の世界へと戻った。




