3話 パートナー。
3話 パートナー。
純白の空間の中、減り続けるタイマーの淡い光が、静かにセンの横顔を照らしている。
絶対的な力を手に入れてなお、理解できない領域が確かに存在する。
その事実だけが、静かに、しかし確実にそこにあった。
「あ、そう。よくわからんが、すべて理解した。……でも、それじゃあ、コスモゾーンと合体したことで、俺は何ができるようになったの?」
「出力が上がっている」
センは一瞬だけ沈黙し、眉をわずかに上げた。
「……え、それだけ?」
「今の貴様の存在値は、誰と合体することもなく、余裕で『1垓』を超えている。それは素晴らしい成長だと思うが?」
「まあ、その数字は確かにワクテカする次元だけれども……あ、でも、今の俺って、テラスとかハルスとかの中枢と合体しているみたいな状態じゃない?」
「パーツを回収することを合体とは言わない」
「んー……そうかなぁ……」
ちなみに、現状、『外殻』を別に分けている状態ではある。
ゼノリカを蘇生させた際に、テラスやハルスの肉体やコアオーラも丁寧に再生させた。
ゆえに、現状、ハルスもテラスも、原初の世界で生きて呼吸をしている。
――この状況は、センがバーチャからシグレやテラスを回収しても、バーチャの中に『シュブ』や『無限太陽』が残っていたのと似ている。
あのシステムと同様に、『大事な要素をセンの中に残して、それ以外の全てを排出する』という形で全員を蘇生させたのである。
よって、今のセンは『多くの要素を取り込んではいるものの、定義的にも実質的にも完全に単一の存在』という形になっている。
「コスモゾーンの話に戻るが、今の貴様の状況は、かなり高性能のスマホを手に入れたようなもの。これまで使っていた機種よりもはるかに高性能だから、アプリの処理速度が上がって、熱暴走を起こすことはなくなったが、『出来る事』に差はない。やろうと思えば、『超性能のOSを組むこと』もできるだろうが、貴様にそのスキルがあるのか、という根本的な問題がある」
「高性能のスマホを手に入れても『使い手がただのガキ』だと、『快適にアプリゲームするぐらいが精々』……みたいな?」
「そういうことだ」
センは天井とも床とも分からない白を見上げ、ため息をつく。
「それじゃぁ意味がねぇ……いや、意味ないことはないが、豚に真珠感がえぐい。あ、でも、トウシにやらせれば、超性能OSを組むこともできるんじゃ――」
ふと思いついたように口にする。
だが、その提案に対するヨグの反応は、
「貴様は、現状、コスモゾーンの『基本的な権限』を有している……とはいえ、コスモゾーンにも『自我』は存在する。コスモゾーンは、あらとあらゆるすべての事象をふまえて、貴様を、ただ一人のパートナーに選んだのだ。……だからこそ、貴様以外に自身の権限を自由にさせることを許すとは思えない。結婚で例えよう。かりに、旦那から、他の男と寝てこいと命じられて、素直に従う妻がどれだけいるか」
唐突に飛び出した、妙に生々しい例え。
センは思わず顔をしかめる。
「下品なたとえはおやめなさい、はしたない。お里が知れますことよ。……ってか、これって、そういう話なの? ちょっと違うくない?」
明日、一日6話投稿します!
最後の最後まで、センエース神話を楽しんでいただきたいと切に願っております!
ぜひ、見届けてください<m(__)m>




