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107話 激闘。


 107話 激闘。



 心を撃ち抜かれた顔で、ただボソっと、芯から沸いた想いをつぶやいたカティ。

 センエースが魅せる、あまりの美しさに、カティの目はくぎ付けになった。


 あまりに動きが早すぎるため、完全には目視できていないが、

 しかし、カティも『超越した目』を持つ超常の女神。


 完全にとらえる事は出来なくとも、遠くから『追う事』くらいはできる。

 追う事くらいは出来るのなら、『最低限を理解する事』だって出来なくはない。


 カティだけではない。

 周囲にいる全ての者達が、センエースに魅了されていた。


 百済の面々は、目で追う事も出来なかった。

 しかし、

 自分たちや天上の方々でも殺し切れなかった存在と、

 『神』が闘っているという事はもちろん理解できている。


 だから、百済の面々は、みな必死になって、神の勝利を願う。


「神様……っ」


 と、胸の前で両手を合わせて、全力で祈る。

 『命の王』が『無為な暴力』に挫けぬようにと、必死になって祈る。

 その想いは、『届かない虚しさ』では終わらない。

 なぜなら、彼らの神は、

 圧倒的な輝きでもって、『彼らの目の前』で美しく舞っているから。



 センエースは、この場にいる全員の想いを背負って、P1と対峙している。

 正直な話、すでに『P型センエース1号の脅威』など『終わっている』のと変わらない。

 何もしなくとも、ヤツは、五分後に死ぬ。

 だが、これは、そういう問題ではない。


 『ゼノリカ』という『ワールドシンボル』に『事実上の敗北』という『穢れ』を残すか、

 それとも、『きちんと乗り越えた』という結果を残し、より『強い輝き』を得るか、

 そういう分水嶺。


 この先にも確実に待っている『無数の困難』に、

 調律者として、胸を張って、毅然と立ち向かっていけるかどうかの分かれ道。


 センは、その事を十全に理解している。

 全てを背負っている王として、

 センは、P1に負ける訳にはいかない。

 P1だって、この期に及んで敗北する事など絶対に許せない。


 意地と意地がぶつかりあう。

 命がはじけ合う激烈な音だけが世界を埋め尽くす。


 超次の戦闘は、さらに加速していった。

 互いに出来る全てをぶつけていく。

 センエースは踊る。

 とっておきの切り札だった『真・究極超神化6』を使い、無数の究極超神器を投入し、

 全力でP型センエース1号を削ろうとしている。


 P型センエース1号も、

 己の『最強』を証明しようと、

 余すことなく全力で、センエースに対して、自身の全てをぶつけた。



 と、そこで、


「センエェェス!」


 ――ガツンッ!


 と、P1の拳が、センエースをふっとばした!

 衝撃波が円状に広がって、直後、炸裂したような音が響く。


 センエースの勝利を願っている全員が、まるで、じかで心でも殴られたかのような『鋭い悲鳴』をあげた。


 その悲鳴に気をよくしたように、

 P型センエース1号は叫ぶ。



「どうだ! どうだ! どうだぁあ! センエース! 俺は強いだろぉおお!」



 吹っ飛ばされた先で、

 センエースは、口から出る血を拭いながら、


「……ああ、強いな」


 ボソっと、そう肯定した。

 そこに嘘はなかった。

 間違いなく、P型センエース1号は強かった。

 圧倒的だった。


「そうだ! 俺は強い! 俺はセンエースよりも強い! お前という――カンストを超越し、真なる究極超神化6という超次元にまでたどり着いた『果てなき最強神』よりも! この俺はぁ! 強いんだぁ!!」


「確かに『今の俺』よりは強いな」

「しらけさせるんじゃねぇえ! 悔しさを見せろぉお! つまんねぇだろぉがぁあああ!」


 そう叫んで、P型センエース1号は、センエースとの距離をつめた。

 拳が届く前に、センエースは身をよじった。

 だがよけきれずに、ガツンと一発いれられる!


 P1の動きがどんどんキレていく。

 絶死を使って以降も、まだ、成長チートは継続しているようで、

 闘えば闘うほどに、P型センエース1号の戦闘力は増していく。






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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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