り話 命の答えは……
午後の帰り時間が不安定なので、今日は朝に2話投稿します。
本日の1話目です。
り話 命の答えは……
「た、確かに、無限系統は機能停止したようだが……私の存在値も戦闘力も――」
「まだまだ高いな」
被せるように、センキラーは即座に言った。
「無限回路が途切れたことで出力にもマイナスがでているが……それでも、今だ5000京ぐらいはある。プライマル・センエースの戦闘力も継続しているから……まあ、普通に強い敵って感じだな」
センキラーは、バーチャから軽く距離を取り、
「俺のバグも、だいぶ修正されてきたな……存在値が見えるようになった。現状3000京ぐらいか。十分だな」
自分自身を確認するように呟き、そして――
ニッと、無邪気とも狂気とも取れる笑みを浮かべる。
「……随分と、一気に差が縮まってしまったな。バーチャさんよぉ。俺とお前、ほとんど互角だぜ。どうする?」
「……くそが」
吐き捨てるように言い放ち、バーチャは最後の意地を燃やす。
全身に魔力とオーラを叩き込み、無理やり立ち上がる。
肉体は悲鳴を上げているが、それを無視する。
「いいだろうぉお!! こうなったら、サシで決着をつけてやらぁあああ! かかってこいよ、センエース! やるんだろ? 相手になってやるよ! どっちが強いか……どっちが生き残るか……キッチリ、決めようじゃねぇか!!!」
叫びは、もはや宣戦布告というより、ただただ敗北を拒絶するだけの咆哮。
「悪いな、バーチャ」
「あぁ?!」
「お前じゃ、役者が不足している」
冷酷な宣告。
その言葉の意味を、バーチャが理解するより早く――
センは、右こぶしに力を込めた。
構えは静かだった。
しかし、その拳の内部では、膨大な破壊のエネルギーが圧縮されている。
「――月華龍閃崩拳」
次の瞬間。
シャラリと、川が流れるように。
あまりにも自然で、あまりにも一瞬の動き。
センの拳は、空間を裂き、概念を貫き、バーチャの全てを通過した。
衝撃は、遅れて来た。
肉体が理解する前に、存在そのものが破壊される。
「ぐ……はっ……はぁ? なん……で……」
胸に空いた穴を見下ろしながら、バーチャは理解できずに呟く。
痛みすら、もう正確には感じ取れていなかった。
「そりゃそうだろ。無限システムにリソースを裂きまくったビルドで、そのシステムを壊されたんだから。ギミックパーティの中軸を壊されたトレーナーは厨ポケに蹂躙されて終わりだよ」
バーチャの喉から、掠れた声が漏れた。
怒りでも、悲嘆でもない。ただ、砕け散った何かを必死に掴もうとする、無意味な反射だった。
「また……負けるのか……私は……なんで……私は……貴様に……勝てない……」




